OpenCLLink の設定
このセクションでは,OpenCLLink をマシンでどのように設定するかについて説明する.また問題を見付けて解決する方法についても述べる.
設定と検証
OpenCLLink は,特別な設定を行わなくても,Wolframシステムをインストールすると自動的に使用できるように設計されている.このことは,OpenCLQ関数を使って検証することができる.
OpenCLLink がサポートされているかどうかをチェックする.下に示すようにTrueを返せば,OpenCLLink を使うことができる.
OpenCLQ がTrueを返さない場合は,OpenCLLink を使うことはできない.しかし,これを正すために使用中のマシンを設定することができることもある.
OpenCLQでFalseが返される理由はいくつか考えられる.
- サポートされていないハードウェア — OpenCLLink は,OpenCLを使用できるグラフィックスカードおよび/あるいはSSE3をサポートするCPUでしか使用できない.使用しているグラフィックスカードがサポートするかどうかについては,NVIDIA CUDAのWebサイトあるいはAMD/ATI OpenCLのWebサイトでチェックすることができる.
- 互換性のないグラフィックスドライバ — OpenCLLink が正しく作動するためには,新しいNVIDIAあるいはATIのドライバが必要である.使用のオペレーティングシステム用のドライバは,NVIDIAのドライバダウンロードWebサイトあるいはAMD/ATIのドライバダウンロードWebサイトから入手できる.
Mac OS X
Apple Mac OS X Snow Leopard (10.6)には,オペレーティングシステムの一部としてOpenCLへのサポートが搭載されている.Snow Leopardより前のOSXのバージョンではサポートされていない.
NVIDIA
概して,CUDALink が使えれば,OpenCLLink も使えるはずである.「CUDALink の設定」には,CUDALink をどのように検証し,使用できるようにするかについて説明されている.このドキュメントを読めば,OpenCLLink の問題も解決することができるはずである.
AMD/ATI
OpenCLLink を使うには,OpenCLを使用できるビデオカード(次のセクションを参照)必要である.AMD Catalyst™ドライバも必要である.
AMD Catalyst™ドライバは,AMD/ATIのドライバWebサイトからダウンロードすることができる.
サポートされるAMD/ATIビデオハードウェア
以下のAMD/ATIビデオハードウェアが OpenCLLink でサポートされる.
- AMD/ATI Radeon™ HD: AMD Radeon™ HD 7000 Series,AMD Radeon™ HD 6000 Series,ATI Radeon™ HD 5970,ATI Radeon™ HD 5870,ATI Radeon™ HD 5850,ATI Radeon™ HD 5770,ATI Radeon™ HD 5750,ATI Radeon™ HD 5670,ATI Radeon™ HD 5570,ATI Radeon™ HD 4890,ATI Radeon™ HD 4870 X2,ATI Radeon™ HD 4870,ATI Radeon™ HD 4850 X2,ATI Radeon™ HD 4850,ATI Radeon™ HD 4830,ATI Radeon™ HD 4770,ATI Radeon™ HD 4670,ATI Radeon™ HD 4650,ATI Radeon™ HD 4550,ATI Radeon™ HD 4350のいずれか
- AMD/ATI FirePro™: AMD FirePro™ W9000,AMD FirePro™ W8000,AMD FirePro™ W7000,AMD FirePro™ W5000,ATI FirePro™ V9800,ATI FirePro™ V8800,ATI FirePro™ V8750,ATI FirePro™ V8700,ATI FirePro™ V7750,AMD FirePro™ V5900,ATI FirePro™ V5700,ATI FirePro™ V3750,AMD FirePro™ APUのいずれか
- AMD/ATI Mobility Radeon™ HD: AMD Mobility Radeon™ HD 7000 Series,AMD Mobility Radeon™ HD 6000 Series,ATI Mobility Radeon™ HD 5000 Series(5400以降),ATI Mobility Radeon™ HD 4870,ATI Mobility Radeon™ HD 4860,ATI Mobility Radeon™ HD 4850X2,ATI Mobility Radeon™ HD 4850,ATI Mobility Radeon™ HD 4830,ATI Mobility Radeon™ HD 4670,ATI Mobility Radeon™ HD 4650,ATI Mobility Radeon™ HD 4500 Series,ATI Mobility Radeon™ HD 4300 Seriesのいずれか
- AMD/ATI Mobility FirePro™: AMD Mobility FirePro™ M6000,AMD Mobility FirePro™ M4000,AMD Mobility FirePro™ M2000,AMD Mobility FirePro™ M8900,AMD Mobility FirePro™ M5950,AMD Mobility FirePro™ M3900,ATI Mobility FirePro™ M7820,ATI Mobility FirePro™ M7740,ATI Mobility FirePro™ M5800のいずれか
ATIのOpenCL実装では,SEE 2.x以降のサポートを持つx86 CPUもOpenCLデバイスであると認識される.適切な"Device"および"Platform"のオプションを指定することによって,CPUを OpenCLLink で使うこともできる.
環境
MacOSXでは,OpenCLQはOSX 10.6 (Snow Leopard)がインストールされているかどうかをチェックする.それより前のバージョンではサポートされていないので,検出されない場合には失敗する.NVIDIAハードウェアでは,OpenCLQは CUDALink における検出のCUDAQと同じ方法に従う.詳細については,「CUDALink の設定」を参照のこと.
ATISTREAMSDKROOT
このセクションは,AMD/ATI GPUを持つシステム,あるいはAMD/ATI Stream SDKを一緒に使うCPUについてのみ当てはまるものである.
LinuxおよびWindowsでは,ATISTREAMSDKROOT環境変数を使ってAMD/ATI Stream SDKへのパスを調べる.検出されない場合には,以下のパスがチェックされる.
"Windows" | "C:\\Program Files\\ATI Stream" |
"Windows-x86-64" | "C:\\Program Files (x86)\\ATI Stream" |
"Linux" | $Failed |
"Linux-x86-64" | $Failed |
ATISTREAMSDKROOTが定義されていない場合の,AMD/ATI Stream SDKへのデフォルトのパス.
検出されたら,その結果はGPUTools`Internal`$ATISTREAMSDKROOTに保存される.
エラーメッセージ
OpenCLInformationが返すエラーメッセージは,CUDAInformationのものと同じである.「CUDALink 検出エラーメッセージ」 を参照されたい.