ファイル形式
メッシュを操作するためのファイル形式はたくさんある.これらはCADプログラム間で交換形式として使うことができるため便利である.この中にはTetGenでサポートされるものもあればWolfram言語でサポートされるものもある.このセクションではサポートされる形式を見て,その使い方を説明する.
TetGenファイル形式
TetGenはそれ自身の形式の他,いくつかの標準形式もサポートする.その形式の詳細情報およびサンプルはTetGenのWebサイト(http://tetgen.org)に掲載されている.
拡張子 | モード | 説明 |
.node | 入力/出力 | ノードのリスト |
.poly | 入力 | 区分的線形複合体 |
.smesh | 入力/出力 | 簡単な区分的線形複合体 |
.ele | 入力/出力 | 四面体のリスト |
.face | 入力/出力 | 三角面のリスト |
.edge | 出力 | 境界面のリスト |
.vol | 入力 | 最大体積のリスト |
.var | 入力 | ファセットや線分に対する変数制約条件のリスト |
.neigh | 出力 | 近傍のリスト |
データファイルをロードするためには,まず以下のようにアプリケーションをロードしなければならない.
次で TetGenLink の中のサンプルのデータファイルを見付ける.
データファイルをロードするためには,まずその結果を入れるためのTetGen式のインスタンスを作成する必要がある.
TetGen特有の形式の他,TetGenは他のファイル形式も多数サポートする.STLもまたWolfram言語のImportコマンドでサポートされる.
Wolfram言語ファイル形式
Wolfram言語はメッシュの操作に便利な多数の形式をサポートする.
名称 | 拡張子 | モード | 説明 |
STL | .stl | 入力/出力 | コンピュータベースの設計および生産の形式 |
3DS | .3ds | 入力/出力 | シーン記述および3DモデリングのためのAutodesk形式 |
DXF | .dxf | 入力/出力 | 3D幾何学のためのAutoCAD形式 |
Wolfram言語でサポートされているメッシュ操作のための形式
これらの形式はCADや他の工学アプリケーションでサポートされることが多く,互換形式として使われることもある.また,これらのファイルはWebサイトに多くのサンプルが掲載されている.そのうちの一つに,多数のファイルを集めたhttp://www-roc.inria.fr/gamma/download/がある.例えば,以下に示したgear10の例は「MECHANICAL」セクションのものである.
TetGenにデータファイルをロードして操作するためには,まず次のように TetGenLink をロードしなければならない.
次はサンプルの3DSデータファイルである.これは上記のhttp://www-roc.inria.frで入手できる.
次のようにしてファイルから頂点および多角形のデータをロードする.
このメッシュを四面体分割したい場合は,まず以下のように座標とファセットがTetGenインスタンスにロードされるようにする.
メッセージを有効化するためにTetGenSetMessagesが使われる.これで四面体分割が終了する.これで,データ中に重複した点があるというメッセージ等,多くの情報が生成される.
最後に新しいデータがプロットされる.オブジェクトに含まれる点が増えたことが分かる.
この最後のステップで,TetGenインスタンスからリソースが解放される.