$NotebookInlineStorageLimit
表示された要約ボックス,データ集合,その他のコンパクトな出力に保存される式の最大サイズをバイト数で指定する.
詳細
- 要約ボックスは,完全な式の代りに関数名,アイコン,主な特性を表示するもので,SparseArray,TimeSeries,InterpolatingFunction等の関数で使われる.
- $NotebookInlineStorageLimitより小さい式の場合には式の完全なコピーが含まれ,入力として再利用できる.
- $NotebookInlineStorageLimitより大きい式の場合の要約ボックスは,式の完全なコピーは含まず,代りに,後で再利用するために式を保存するためのインターフェースが提供される.
- 式を作成したカーネルセッションがまだ実行されており,変数またはOut[n]のいずれかで式が参照できる間のみ,式をノートブックに埋め込むことができる.
- バージョン12.1より前のWolfram言語のバージョンとの互換性のために,$NotebookInlineStorageLimitの値には$SummaryBoxDataSizeLimitを使ってもアクセスできるようになっている.
例題
すべて開くすべて閉じる例 (2)
$NotebookInlineStorageLimitの値を小さくする:
したがって,要約ボックスには式は保存されておらず,インターフェースが提供される:
このバージョンの要約ボックスは,単純にコピーして入力として使うことはできない:
要約ボックスをコピーして「今すぐ保存する」ボタンをクリックすると使用可能な入力が作成される:
$NotebookInlineStorageLimitのデフォルト値を回復する:
スコープ (5)
Datasetは$NotebookInlineStorageLimitを尊重する:
InterpolatingFunctionのような数値関数は$NotebookInlineStorageLimitを尊重する:
NearestFunctionも同じように動作する:
要約ボックスを作成する配列タイプは$NotebookInlineStorageLimitを尊重する:
TimeSeriesのような統計関数は$NotebookInlineStorageLimitを尊重する:
WeightedDataも同様に動作する:
アプリケーション (2)
$NotebookInlineStorageLimitを0に設定してノートブックの中にスペースを確保する:
式を含まず c1のセルへの参照を保存する要約ボックスを作る:
$NotebookInlineStorageLimitのデフォルト値を回復する:
式を含み c2への参照を保存する if の要約ボックスを再構築する:
$HistoryLengthをゼロに設定してカーネルセッションのメモリを節約する:
出力についての参照がないので,「今すぐ保存する」ボタンは使えない:
別の要約ボックスを作る.しかし,結果は変数 data に保存する:
data がリセットされない限り,「今すぐ保存する」ボタンはちゃんと動作する:
データが実際に$NotebookInlineStorageLimitより大きいことを確かめる:
$HistoryLengthのデフォルト値を回復する:
特性と関係 (1)
$NotebookInlineStorageLimitは要約ボックスにしか影響しない:
$OutputSizeLimitはすべての出力に影響する:
テキスト
Wolfram Research (2020), $NotebookInlineStorageLimit, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/$NotebookInlineStorageLimit.html.
CMS
Wolfram Language. 2020. "$NotebookInlineStorageLimit." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/$NotebookInlineStorageLimit.html.
APA
Wolfram Language. (2020). $NotebookInlineStorageLimit. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/$NotebookInlineStorageLimit.html