QueueProperties

QueueProperties[qproc]

待ち行列過程 qproc の特性のまとめを与える.

QueueProperties[{qproc,i}]

待ち行列網過程 qproc 中の第 i ノードの特性のまとめを与える.

QueueProperties[data]

待ち行列シミュレーションデータの特性のまとめを与える.

QueueProperties[,"property"]

指定された"property"を与える.

詳細

  • 過程 qprocQueueingProcessを使って単一の待ち行列を表すことも,QueueingNetworkProcessを使って待ち行列網を表すこともできる.
  • QueueProperties[data]では,dataRandomFunctionで生成される形も取り得る.
  • QueueProperties[qspec,"property","Description"]は特性の記述を文字列で与える.
  • 含まれる基本特性
  • "ArrivalRate"待ち行列系の到着率
    "ArrivalDistribution"待ち行列系の到着分布
    "DataSource"データが待ち行列からのものか待ち行列網からのものか
    "InitialState"待ち行列系の初期状態
    "NetworkType"待ち行列網のタイプ
    "NodeCount"待ち行列網中のノード数
    "QueueDiagram"待ち行列系のダイアグラム
    "QueueNotation"待ち行列のKendall表記
    "SelectedNode"待ち行列網中の選択されたノード
    "ServiceChannels"サービスチャンネルの数
    "ServiceRate"各サーバのサービス率
    "ServiceDistribution"各サーバのサービス分布
    "SummaryTable"特性のまとめ
    "SystemCapacity"待ち行列系の最大容量
    "Throughput"待ち行列系の出発率
    "UtilizationFactor"サーバが混雑してふさがっている時間の割合
  • 定常(あるいは定常状態)のパフォーマンス測定に含まれるもの
  • "MeanSystemSize"系内のジョブの平均数
    "MeanSystemTime"系内で費やす時間の平均
    "MeanQueueSize"待ち行列中のジョブの平均数
    "MeanQueueTime"待ち行列内で過ごす時間の平均
    "StationarySystem"定常状態に達するかどうか
  • 定常あるいは定常状態の特性は,待ち行列系内の長期動作について言及する.定常状態は待ち行列系が定常になった場合にのみ可能である.通常,待ち行列系は利用率が1未満のときに定常状態になる.
  • 待ち行列系が厳密なあるいは記号的な母数で指定された場合,結果もまた厳密あるいは記号的になる.パフォーマンス特定の中には近似数値母数が与えられた場合のみに計算可能なものもある.
  • 特性が使用不可能な場合は表の対応欄にMissing["reason"]で示される.

例題

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  (3)

M/M/1待ち行列の特性:

特定の特性の値を得る:

特性の説明:

スコープ  (10)

単一待ち行列  (4)

M/M/2/6/5待ち行列の特性:

アーラン分布に従うサービスのM/G/1待ち行列:

アーラン分布に従う到着率のG/M/1待ち行列の特性の厳密値:

Ph/Ph/1待ち行列の特性の近似値:

待ち行列網  (2)

開放型待ち行列網を定義する:

ネットワークの第1ノードの特性:

閉鎖型待ち行列網を定義する:

ネットワークの第2ノードの特性:

待ち行列のシミュレーションデータ  (2)

単一待ち行列についてのシミュレーションデータに基づいた特性:

データに対応するランダム経路を使って同じ結果を得る:

待ち行列網のシミュレーションデータに基づく特性:

特性値  (2)

単一待ち行列の特性値:

閉鎖型待ち行列網中のノードの特性値:

アプリケーション  (7)

ある眼科にポアソン過程に従って1時間に平均6人の患者が来診する.診療中の医師は3人で患者一人あたりの診察時間は平均20分で指数分布に従う.診療を待っている患者の平均数,患者が病院で過ごす平均時間,少なくとも1人の医師の手が空いている時間を求める:

診療待ちの平均人数:

患者が病院で過ごす時間の平均(単位:分):

ケーブルモデムの最大伝送率は50万字/秒である.45万字/秒の割合でトラフィックがあるとして,系がM/M/1待ち行列でモデル化されている場合の標準パフォーマンス測定を計算する:

定常状態パフォーマンス測定:

あるルーターがユーザグループから届いたパケットを1本の伝送線を使って送信する.パケットがポアソン過程に従って4ミリ秒に1パケットの割合で届くと仮定して,またパケットの送信時間が平均3ミリ秒で指数分布に従っているとして,系の中の平均パケット数と系の中での総遅延時間の平均を求める:

ルーター中の平均パケット数:

総遅延時間の平均:

銀行のドライブスルーウィンドウを利用する車は平均1時間に16台でポアソン過程に従う.所要時間は平均分,標準偏差分でアーラン分布に従う.顧客がサービスウィンドウに達するまでの平均待ち時間を求める.サービス分布はモーメント法を使って求めることができる:

結果のドライブスルー過程:

顧客がサービスウィンドウに達するまでの平均待ち時間:

レストランの持ち帰り窓口への来客は1時間に平均10人でポアソン過程に従う.サービス分布が指数分布に従うと仮定して,顧客の所要時間が合計で7.5分未満となるような顧客一人あたりのサービス時間の平均を求める:

平均の系の時間を求める:

顧客の平均所要時間が7.5分未満になるようなサービス率 μ を求める:

ポアソン到着率と指数級数的なサービス時間を仮定して,それぞれが独立した待ち行列を持つ同等な2つのサーバのパフォーマンスと,待ち行列が1つしかなくそこに両方のサーバへの顧客を収容する場合パフォーマンスについて,待ち行列の系の大きさの平均を比較する:

平均の系の大きさを比較する:

系の大きさの割合は,単一の待ち行列しかない場合の方が系の大きさがより小さいことを示す:

郵便局に1時間に11人の割合で顧客がやってくる.職員が2名おり,1名が1時間に9人の顧客に対応できるものとして,郵便局で顧客が過ごす平均時間を求める:

顧客が郵便局で過ごす平均時間(単位:分):

職員が3名対応する場合の平均時間を求める:

特性と関係  (4)

定常状態パフォーマンス測定はLittleの法則に従う:

平均システムサイズと平均システム時間の関係

平均待ち行列サイズと平均待ち行列時間の関係

平均システムサイズは待ち行列の定常分布の平均である:

M/M/c待ち行列の定常分布は,利用率が1未満の場合に存在する:

M/M/c待ち行列の平均サイズはErlangCに関連している:

考えられる問題  (2)

特性値の中には存在しなかったり利用できなかったりするものがある:

過程が定常ではないので平均の系の大きさは存在しない:

システムサイズは有界ではない:

平均システムサイズは利用率()が1未満のときに存在する:

これでシステムサイズが有界になった:

パラメータの中にはパフォーマンス測度が定義されていないものもある:

厳密ではない入力を用い,シミュレーションからの推定に基づいたパフォーマンス測度を得る:

おもしろい例題  (1)

m 個のサーバの平均システム時間,固定サービス率,そして利用率 ρ

m 個のサーバについての系の平均時間,固定到着率,そして利用率,ρ

単一サーバの平均システム時間と利用率 ρ

Wolfram Research (2012), QueueProperties, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/QueueProperties.html.

テキスト

Wolfram Research (2012), QueueProperties, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/QueueProperties.html.

CMS

Wolfram Language. 2012. "QueueProperties." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/QueueProperties.html.

APA

Wolfram Language. (2012). QueueProperties. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/QueueProperties.html

BibTeX

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BibLaTeX

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