RemoteKernelObject

RemoteKernelObjectはバージョン13.1でKernelConfigurationおよびKernelObjectに置き換えられた.

RemoteKernelObject[spec]

RemoteEvaluateまたはLaunchKernelsに使えるリモートカーネルを指定する.

詳細

  • RemoteKernelObject["spec",options ]を使ってカーネル指定のデフォルト設定をオーバーライドすることができる.
  • 次のリモートカーネル指定が認識される.
  • "ssh://user@hostname:port/path"SSHを使って接続する,指定されたマシン上のカーネル
    "ssh://hostname"指定されたマシンのデフォルトパス,ユーザ,ポートを使う
    "hostname""ssh://hostname"に相当
    "wstp://server:port/pool"WSTPServer上のカーネル
    "wstp://server"デフォルトのポートとカーネルプールを使う
    "localhost"同じマシン上のカーネル
    "file:///path/to/wolfram"同じマシン上の与えられたカーネル
    "https://www.wolframcloud.com/"Wolfram Cloudのカーネル
  • 次は,SSHカーネルの設定である.
  • "ForwardPort"Random接続転送に使用するリモートポート
    "KernelArguments"(OS-dependent)カーネルプログラムに渡す引数
    "KernelCommand"(OS-dependent)実行するカーネルプログラム
    "KernelCount"1起動する並列カーネル数
    "MachineName"None接続するマシン名
    "Method"(OS-dependent)リモートマシン上のカーネルとの接続方法
    "Name"Automaticこのカーネルの一意的な名前
    "OperatingSystem""Unix"リモートオペレーティングシステム
    "Port"NoneSSHサーバのポート
    "SSHArguments"(see below)SSHコマンドに渡す引数
    "SSHCommand""ssh"SSHコマンド名
    "SSHIdentity"None使用する秘密ssh鍵
    "SubKernelArguments"{-subkernel,-pacletreadonly}並列サブカーネル用の追加的な引数
    "TimeConstraint"10接続を待つ秒数
    "Username"Nonesshが使うログイン名
  • 接続メソッドの"Launch"は,macOSとLinuxのデフォルトである.これはLinkLaunchを使ってSSHを呼び出し,リモートカーネルへのWSTP接続にはstdin/stdoutを使う.
  • 接続メソッドの"Forward"は,Windowsのデフォルトである.これは,ローカルマシン上にリスニングWSTPソケットを作成し,SSHトンネル内のカーネル接続をリモートカーネルからリスニングソケットに転送する.
  • デフォルトのリモート"KernelCommand"は宣言された"OperatingSytem"に基づいて選ばれる.
  • "Unix""wolfram"
    "MacOSX""/Applications/Mathematica.app/Contents/MacOS/wolfram"
    "Windows""wolfram.exe"
  • 与えられたコマンドがリモートマシンの検索パスにない場合は,リモートカーネルコマンドへの絶対パスを"KernelCommand"の値として与えなければならない.
  • "Username"Noneに設定されていない場合は,SSHコマンドラインの部分は与えられない"Username"$Usernameとすると,リモートユーザ名がローカルのユーザ名と同じになる.
  • "Username"と"KernelCommand"も"ssh:// user @ hostname : port / path "のような指定の一部として与えることができる.
  • デフォルトの"SSHArguments"は,-4 -x -o StrictHostKeyChecking=no -o BatchMode=yesである.
  • SSHはパスワードをインタラクティブに求めることができない.キーを指定するか,SSHパスワードエージェントを使うかする.
  • 次は,WSTPServerカーネルの設定である.
  • "KernelCount"1起動する並列カーネル数
    "MachineName"None接続するサーバ名
    "Name"Automaticこのカーネルの一意的な名前
    "Pool"Automaticリクエストするカーネルプール
    "Port"31415接続するポート
    "TimeConstraint"10接続を待つ秒数
  • カーネルプールが指定されていない場合は,WSTPServerがデフォルトのプールからカーネルを選択する.
  • 次は,Cloudカーネルの設定である.
  • "CloudBase"Noneクラウドベース
    "Name"Automaticこのカーネルの一意的な名前
    "TimeConstraint"接続を待つ秒数
  • クラウドベースはhttps URLの形で与えられる.
  • 次は,ローカルカーネルの設定である.
  • "KernelArguments"(OS依存)カーネルプログラムに渡す引数
    "KernelCommand"(OS依存)起動するカーネルプログラム
    "KernelCount"UpTo[$ProcessorCount]起動する並列カーネル数
    "LowerPriority"True並列サブカーネルを優先順位を低くして実行するかどうか
    "TimeConstraint"接続を待つ秒数

例題

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  (2)

SSHでマシンに接続し,デフォルトカーネルを起動して特性のいくつかを評価する:

任意で,RemoteKernelObjectでカーネル指定を包み込むこともできる:

リモートカーネルコマンドへの絶対パスを指定する:

RemoteKernelObjectのオプションとしてパスを与えることもできる:

スコープ  (17)

SSHカーネル  (6)

RemoteKernelObjectのオプションとしてリモートカーネルへのパスを与える:

パスをSSH文字列の一部として指定することもできる:

macOSのデフォルトカーネルコマンドへの絶対パスを指定する:

適切なカーネルコマンドを選択するためにリモートのオペレーティングシステムを指定する:

RemoteKernelObjectは,オプションが必要なければ省略できる:

起動する並列カーネル数は"KernelCount"で与えることができる:

URL短縮形を使う場合は,並列カーネル数は"?n"で指定できる:

WSTPServerカーネル  (4)

指定のポートで聞いているWSTPServerに接続する:

RemoteKernelObjectのオプションとしてポートを指定することもできる:

WSTPServerに接続して指定されたプールのカーネルを要求する:

RemoteKernelObjectのオプションとしてカーネルプールを指定することもできる:

起動する並列カーネル数は"KernelCount"で与えられる:

URL短縮形を使う場合は,並列カーネル数は"?n"で指定できる:

Cloudカーネル  (2)

デフォルトクラウドのカーネルを使う:

使用する(プライベート)クラウドのURLを指定する:

ローカルカーネル  (5)

絶対パスで与えられる特定のローカルカーネルを使う:

第1引数でパスを与えることもできる:

RemoteKernelObjectは,オプションが必要なければ省略できる:

相対パスで与えられた特定のローカルカーネルを使う:

起動する並列カーネル数は"KernelCount"で与えられる:

URL短縮形を使う場合は,並列カーネル数は"?n"で指定できる:

ローカルカーネルについては,並列カーネルのデフォルト数は,ライセンスで許可されている限り$ProcessorCountに等しい:

アプリケーション  (1)

RemoteKernelObjectを使って複数のカーネルを並列サブカーネルとして起動するように指定できる:

特性と関係  (2)

カーネルオブジェクトはカーネルの起動方法を説明する.永続的な接続を表す訳ではない:

各評価で新たなカーネルが起動され,評価後に処理される:

$DefaultKernelsは,デフォルトで,並列計算に使うカーネルのリストである:

おもしろい例題  (1)

リモートマシンを指定する:

そのプロセッサ数についてのクエリをする:

見付かったカーネル数で説明を更新する:

これらの並列サブカーネルをすべて起動する:

Wolfram Research (2020), RemoteKernelObject, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/RemoteKernelObject.html.

テキスト

Wolfram Research (2020), RemoteKernelObject, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/RemoteKernelObject.html.

CMS

Wolfram Language. 2020. "RemoteKernelObject." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/RemoteKernelObject.html.

APA

Wolfram Language. (2020). RemoteKernelObject. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/RemoteKernelObject.html

BibTeX

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BibLaTeX

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