並列計算のためのLightweight Gridカーネルの設定

Wolfram Lightweight Grid ManagerはWolfram Engines(カーネル)が並列サブカーネルとしてネットワーク上で使えるようにする.ここでは,Lightweight Gridカーネルが並列計算に使えるように並列マスターカーネルを設定する方法を説明する.

Wolframシステムのバージョン13.1では,Lightweight Gridカーネルを設定する方法が変わった.これからLightweight Gridカーネルを見付け,設定し,使用する方法を示す.

Lightweight Grid Managerで提供されるカーネルの設定方法には2種類ある:

Lightweight Grid Managerでマシンを指定する

$DefaultKernelsデフォルトで起動するカーネル設定のリスト
KernelConfiguration並列サブカーネルの詳しい設定
LaunchKernels設定されたカーネルを起動する

並列計算のためのカーネルの設定

マシンからカーネルを使うためにはlwg: URLを指定する(所望のカーネル数も含む):
カーネルが実行しないないときは,これらのデフォルトカーネルが起動する:
並列計算に実行中のカーネルを使う:

希望のデフォルトのカーネル設定ができたら,初期化の値を設定してそれを永続的にすることができる.そのような値はユーザのホームディレクトリのファイルに保存され,新規セッションの度に変数$DefaultKernelsが初期化されるようになる.

カーネル指定のリストを$DefaultKernelsの初期化の値として割り当てる:
ノートブックのカーネルを終了して再起動すると,$DefaultKernelsは指定された初期化の値に設定される:

デフォルトに戻したい場合は,与えられた初期化の値を削除しなければならない.

$DefaultKernelsの初期化の値を削除する:
ノートブックのカーネルを終了して再起動すると,$DefaultKernelsはデフォルトに戻る:

Lightweight Grid Managerには,マネージャを監視し設定することができるWebのURLである管理インターフェースがある.前述のlwg: URLの代りに,カーネル設定としてこれらの管理URLを直接使うことができる.

完全なLightweight Grid Manager URLを指定する:

http: schemeは一意にLightweight Grid Managerを特定しないので,すべてのhttp: URLが認識されるとは限らない.ポート3737は与えなければならず,パスコンポーネントは空ではならない.デフォルトではないマネージャ設定の場合はhttp:の代りにlwg:を指定することができる.

Lightweight Grid Managerを見付ける

Lightweight Grid Managerはローカルネットワーク内で(プリンタのように)自身を公表する.LightweightGridクライアントパッケージを使うと,これらの発見結果からカーネル設定を得ることができる.まずローカルまたはリモートのネットワーク上のサーバを見付け,それぞれのサーバにそれが提供するサービスを尋ね,カーネル設定としてこれらのサービスを使う.

クライアントパッケージをロードする:

発見プロトコルはローカルネットワーク上でのみ動作する.リモートのLightweight Grid Managerは自身のネットワークで発見を実行する.その結果はクエリを行うことで得ることができる.

ローカルネットワーク上で発見されたLightweight Grid Managerをリストする:
または,既知のリモートサーバの近隣で発見されたLightweight Grid Managerをリストする:

それぞれのエージェントは,異なるバージョンのWolfram Engine等,さまざまなサービスを提供することがある.

発見されたマネージャすべてのサービスを見付ける:

どれを使うかを決める助けになるよう,これらのサービスの特性をリストすることができる.

サービスの特性を表にする:
所望のサービスを選ぶ:
サービスをカーネル設定に変換する:
所望のサービスのカーネルを起動する:

発見されたサービスは初期化の値として直接使うことはできない.エージェントのURLを抽出し,所望の$DefaultKernelsのリストを手動で設定する方法をお勧めする.

"Agent"特性を抽出する:
オプショナルで,各エージェントについて希望のカーネル数を加える:
$DefaultKernelsにエージェントのURLを使う:
設定をテストする:
オプショナルで,設定を永続的にすることもできる:

デフォルトに戻したい場合は,与えられた初期化の値を削除しなければならない.

$DefaultKernelsの初期化の値を削除する: