登録とパスワード
Wolframシステムと MathLM をインストールして使用するためには,製品をアクティベートしてパスワードを取得しなければならない.
登録する前に,「Mathematica のインストール」に記載された手順に従ってインストールを開始しなければならない.インストールの途中で,スクリーンにMathID番号が表示される.このMathID番号とは,インストーラの動作中に自動的に決定されるマシン固有の証明番号である.
MathLM を登録するためには,MathID番号の他,ライセンス証書の電子版あるいは印刷版に記載されたアクティベーションキーも必要である.また,MathLM を起動するマシンのホスト名も必要である.
MathID番号が分かったら,「Mathematica のアクティベーション」に記載の手順に従って製品を登録しパスワードを取得することができる.
今後のためにパスワードは何かに書き写して,保管しておくことが大切である.マシンのMathID番号は,特定の状況の下(ハードディスクをフォーマットし直した場合等)で変更される可能性がある.マシンのMathID番号が変更された場合,カスタマーサービスに連絡して新しいパスワードを取得しなければならない.
MathLM とWolframシステムを起動するためには,有効なパスワードが必要である.パスワードは,mathpassと呼ばれるファイルに保存されている.Wolframシステムのmathpassファイルの場所は,オペレーティングシステムによって異なる.mathpassファイルの場所については,「環境設定ファイル」を参照のこと.MathLM のmathpassファイルは,トップレベルの MathLM のインストールディレクトリにある.mathpassファイルはインストーラによって自動的に生成されるが,手動でファイルを編集しなければならない場合もある.
mathpassファイルには,ライセンスの種類により,1つあるいは複数のパスワード項目が含まれている.mathpassファイルの各行には,それぞれ別のパスワードの情報が含まれている.mathpassファイルは,上から下までパースされ,最初に見付かった有効なパスワードが使われる.mathpassファイルの行をコメントアウトしたい場合は,その行頭に「%」文字を置くとよい.
サイト規模のmathpass設定
サイトライセンス管理者は,ライセンス契約書で提供されたライセンスのすべてあるいは一部のリストを含むmathpassファイルを作成することができる.そのmathpassファイルはWolframシステムがインストールされているマシンすべてにコピーできる.Wolframシステムは起動するとmathpassファイルのパスワードを上から下までスキャンし,そのマシンに適したパスワードを見付けようとする.このmathpass設定は自動インストールを実行する管理者に便利である.Wolframシステムの自動インストールについては「スクリプトから Mathematica をインストールする」を参照されたい.
Wolframシステムのパスワードには2種類ある.ひとつはネットワークパスワードで,ライセンスサーバからライセンスを取得するWolframシステムで使われる.もうひとつはシングルマシンパスワードで,スタンドアロンのWolframシステムで使用される.
- シングルマシンライセンス証書に記載されたプロセス数 n では,一般に2 n 個のフロントエンドプロセススロットと6 n 個のカーネルプロセススロット(2つのマスターカーネルと4つの作業カーネル)が与えられ並列計算機能が使える.
- ネットワークライセンス証書に記載されたプロセス数 n では,一般に1単位につき n 個のフロントエンドプロセススロットと4 n 個のカーネルプロセススロットが与えられる.プロセスの増分についてはこちらからお問い合せいただきたい.
ネットワークパスワードは!hostname という形式で,hostname は MathLM ライセンスサーバのホスト名,あるいはIPアドレスを表す.ネットワークパスワードは「!」で始まらなければならない.ネットワークパスワードは以下の形式でmathpassファイルに保存されている.
シングルマシンパスワードは,通常 dddd–ddd–ddd:n::YYYYMMDD という形式を取る.ここで d というのは数字の0から9のいずれかを,n はライセンスに対するプロセス数を,YYYYMMDD はライセンスの有効期限を表す.ライセンスの種類によっては,パスワードにこの他のフィールドがある場合もある.パスワードは次の形式でmathpassファイルに保存されている.
MathLM のパスワードは,通常 dddd–ddd–ddd:n::YYYYMMDD:Ct という形式である.ここで d というのは数字の0から9を,n はライセンスのプロセス数を, YYYYMMDD は有効期限を,t はライセンスクラス(AかBのいずれか)を表す.パスワードによっては,n という数字が n,m という数字のペアになっているものもある.この場合,n はカーネルプロセス数を,m はフロントエンドのプロセス数を指定している.ライセンスのタイプによっては,パスワードにこの他のフィールドがある場合もある.
パスワードの最後についている大文字のアルファベットはライセンスクラスで,Wolframシステムを使うことのできるクライアントプラットフォームを指定する.Windows,Macintosh OS X,一部のLinuxプラットフォームはクラスAで,サーバクラスプラットフォームはクラスBである.mathpassファイルは,各ライセンスクラスについて,別々のパスワードを含んでいなければならない.クラスBのパスワードは,クラスAとBの両方のクライアントに有効である.
まず MathLM を起動するライセンスサーバの名前が最初で,MathID番号が続く.行頭の「!」は,ネットワークパスワードとシングルマシンパスワードを区別するためのものである.次に,ライセンス番号,パスワードと続く.それぞれの項目は,スペースかタブで区切られている.