分散分析パッケージ

このパッケージは,集団間での平均値の違いを測定する一変量分散分析(ANOVA)を実行するための関数を提供するものである.関数ANOVAは,直交計画において任意数の固定因子を持つモデルを扱うことができる.また,要素が揃っているかどうかにかかわらずバランスデータ・アンバランスデータのどちらを扱うこともできる.結果はすべてType I平方和で与えられる.ANOVAでは,比較のための多様な事後検定を実行することもできる.

ANOVA[data]一元配置分散分析を行う
ANOVA[data,model,vars]与えられた modelvars で指定された一般的な分散分析を行う

ANOVA関数

data{{α1,β1,,y1},{α2,β2,,y2},}という形式でなければならない.ここで αiβi 等は i 番目の応答 yi と関連したカテゴリ変数 vars の値である.

引数 vars は,モデルのカテゴリ変数を表すシンボルのリストである.

引数 model は,モデルを共同で指定する主効果および交互作用のリストでなければならない.交互作用項は変数の積として与えられる.例えば,三元配置分散分析のすべての因子モデルは{α,β,γ,α β,α γ,β γ,α β γ}と書き表すことができる.ここで αβγ とは主効果を,α βα γβ γ とは二因子交互作用,α β γ とは三因子交互作用を示す.モデルはAllを使って指定されたカテゴリ変数間のすべての主効果と交互作用を表すように書くこともできる.したがって,三元配置分散分析のすべての因子モデルは{α,β,γ,All}と書くこともできる.

パッケージをロードする.
1つのカテゴリ変数のデータを定義する.
データに一元配置分散分析を実行する.
2レベルのカテゴリ変数と3レベルのカテゴリ変数のデータを定義する.
すべての因子モデルで二元配置分散分析を実行する.
{2,2,28.7}を切り捨てると,二元配置分散分析の結果は空のセルがあるアンバランスなものとなる.
これはバランスの取れた三元データである.
主効果と二因子交互作用を持つ三元配置分散分析である.
オプション名
デフォルト値
CellMeansTrue各集合の平均値のリストを与えるかどうか
WorkingPrecisionMachinePrecision計算で使用する演算精度
PostTests{}実行する事後検定のリスト
SignificanceLevel0.05多重比較に使用する有意水準の基準

ANOVAのオプション

Bonferroni集合の数に基づいて修正された α を持つスチューデントの t 分布による平均値比較検定
Duncanスチューデント化された範囲の分布に基づくリベラルな範囲検定
StudentNewmanKeulsスチューデント化された範囲の分布に基づく保守的な範囲検定
Tukeyスチューデント化された範囲の分布に基づく平均値比較検定
Dunnett最初の1つの集合をコントロール群とした場合の,これに対する他群の平均値の比較検定

PostTestsオプションで使用できる検定

Tukeyの検定により,グループ1とグループ4は有意水準5%でグループ3と有意差があることが分かる.
BonferroniとTukeyの検定により,グループ3と4は有意水準1%で有意差があることが分かる.