GUIKitで提供されていた機能は,組込みのWolfram言語にネイティブのインターフェース構造およびコントロール関数で利用できるようになった.

イントロダクション

Javaツールキットの J/Link は,Javaクラスの機能にアクセスする,Wolfram言語プログラムのためのパワフルな新テクノロジー,具体的に言うとJavaグラフィカルユーザインターフェースの拡張クラスライブラリをWolfram言語ユーザにもたらした.GUIKit は,この J/Link の土台の上にグラフィカルユーザインターフェースを定義するためのハイレベルのWolfram言語式定義のシンタックスと,これらの再利用可能な定義を管理・配布するためのランタイム環境を提供することで構築されている.

GUIKit は一般的なユーザインターフェースプログラミングの構造とレイアウトを簡単にし,もとになっているJavaプログラミング言語を使ってコードを書く必要をなくしてくれる.Wolfram言語ユーザなら,GUIKit を使うとユーザインターフェースがWolfram言語式として素早く定義でき,ユーザインターフェースの論理を慣れ親しんだWolfram言語のプログラミング言語構造でプログラムできることが分かるだろう.

GUIKit はまた,インターフェース定義を既存のWolfram言語のアドオンと簡単に統合する再利用可能な配備モデルを提供し,Wolfram言語で拡張された再利用可能なユーザインターフェースウィジェットを開発することで,J/Link とJavaプログラマーが使用できる既存のツールセットを拡張する.

対象とする読者

ここに納めたチュートリアルは GUIKit を使ってグラフィカルユーザインターフェースを構築するためのものであり,GUI定義の構築ブロックを示し,Wolfram言語を使ってこれをどのようにプロブラムしスクリプトするかを紹介する.また,GUI定義のライブラリの構築方法やWolfram言語アプリケーションへのユーザインターフェースの追加についても説明する.

Wolfram言語は,例えば,「Database Explorer」方程式トレッカーような,GUIKit ユーザインターフェースを含む数多くのアプリケーションを含んでいる.このチュートリアルは GUIKit のすべての使い方について説明するものではない.GUIKit を使ったユーザインターフェースの構築方法に興味がなければ,このチュートリアルも役には立たないだろう.しかし,GUIKit の例題」は見ても損はないだろう.

第一段階

GUIKit の強力な機能のひとつに,ユーザが必要なときにいつでも,パッケージ化されたカスタムユーザインターフェースを簡単にロードし実行できるようにするということがある.

GUIKit 関数を呼ぶ前にGUIKit`パッケージをロードする.

以下では,既存の GUIKit 定義を実行する.ダイアログを閉じた後で,計算の現行値が結果としてWolfram言語に返される.

次は,一般的なプラットフォームで前述のインターフェースがどのように見えるかのスクリーンショットである.

GUIKit はまた,ユーザの簡単な(あるいは複雑な)ユーザインターフェースを定義し実行する便利なWolfram言語式のシンタックスを提供する.

以下で,3つの非常に一般的なユーザインターフェースコンポーネントを使い,簡単でサイズ変更が可能なダイアログを作る.