ChemicalData

Wolfram Knowledgebaseへの一般的なアクセスには,ChemicalDataではなく,タイプChemicalの実体を使用のこと.

ChemicalData["name","property"]

化学物質"name"の指定された特性の値を返す.

ChemicalData["name"]

指定の名前の化学物質の構造図を返す.

ChemicalData["class"]

指定クラスで使用可能な化学物質のリストを返す.

詳細

  • 化学物質は"Water""AceticAcid"等の一般的な名前,"CID962""CAS7732-18-5"のような登録番号,"2Methylpropane"のような国際純正応用化学連合(IUPAC)のような名前,または構造式で指定できる.
  • ChemicalData[]は使用可能な全化学物質のリストを返す.
  • ChemicalData["Properties"]は,化学物質で使用できるすべての特性のリストを返す.
  • 特定の場合に適用されない,あるいは既知でない特性は,Missing[]で示される.
  • 特定の精度までしか分からない数値には一般にその精度のタグが付けられ,任意精度の形式で返される.
  • 基本的特性は以下の通りである.
  • "ColorStructureDiagram"二次元化学結合図
    "FormattedName"組版形式による一般的な名前
    "Formula"表示形式による分子式
    "FormulaString"文字列としての分子式
    "HillFormula"表示形式によるヒル(Hill)の方式による化学式
    "HillFormulaString"文字列としてのヒルの方式による複合式
    "IUPACName"国際純正応用化学連合(IUPAC)
    "Memberships"化学物質を含む実体クラス
    "MolarMass"1モルあたりのモル質量(単位:グラム)
    "Name"一般的な英語名
  • 基本的な物理特性
  • "BoilingPoint"沸点(摂氏)
    "Density"密度
    "DielectricConstant"誘電定数
    "DipoleMoment"双極子モーメント
    "ElectronAffinity"電子親和力
    "LightSpeed"化学物質内の光の速度
    "MeanFreePath"マクスウェル・ボルツマン(Maxwell-Boltzmann)速度分布を仮定した場合の平均自由経路
    "MeltingPoint"融解温度
    "MolarMass"1モルあたりのモル質量(単位:グラム)
    "MolarVolume"モル体積
    "MolecularMass"原始質量単位による分子量
    "OdorThreshold"百万の一の匂いの閾値
    "OdorType"文字列による匂いの説明
    "Phase"自然に起る相
    "ProtonAffinity"プロトン親和力
    "RefractiveIndex"屈折率
    "Resistivity"抵抗率
    "SurfaceTension"液体の表面張力
    "VaporDensity"空気密度と相対的な密度
    "VaporPressure"蒸気圧
    "Viscosity"動的粘度
  • 熱特性
  • "CombustionHeat"燃焼熱
    "CriticalPressure"臨界点における圧力
    "CriticalTemperature"臨界点における温度
    "FusionHeat"融解熱
    "ThermalConductivity"熱伝導性
    "VanDerWaalsConstants"ファン・デル・ワールスの , 定数のリスト
    "VaporizationHeat"気化熱
  • 水溶性特性
  • "AcidityConstant"酸の解離定数
    "HenryLawConstant"ヘンリー(Henry)則定数
    "HildebrandSolubility"ヒルデブランド(Hildebrand) 溶解パラメータ定数(従来の単位)
    "LogAcidityConstant"酸解離定数(負の対数単位)
    "pH"酸/アルカリの尺度
    "Solubility"水中の溶解度質量分率
  • 特に注釈のない限り,物理特性は標準温度,標準気圧で与えられる.
  • 分子可視化特性
  • "BlackStructureDiagram"黒色の2D構造図
    "CHColorStructureDiagram"カラーコーディングをし水素と炭素を明示的に表して色分けした二次元化学結合図
    "CHStructureDiagram"水素と炭素を明示的に表して色分けした二次元化学結合図
    "ColorStructureDiagram"色分けした二次元化学結合図
    "MoleculePlot"3D分子構造プロット
    "SpaceFillingMoleculePlot空間を充填した3D分子構造プロット
  • 分子構造特性
  • "AdjacencyMatrix"結合性隣接行列
    "AtomPositions"原子の3D座標のリスト(ピコメートル)
    "BondEnergies"タイプ別の結合エネルギーのリスト
    "BondTally"結合のタイプの表
    "EdgeRules"結合のためのグラフの辺の規則のリスト
    "EdgeTypes"グラフの辺の結合タイプのリスト
    "ElementTally"化学物質の表
    "ElementTypes"存在する化学元素のリスト
    "FormalCharges"原子の形式電荷のリスト
    "InChI"InChI構造式
    "IsomericSMILES"異性体のSMILES構造式
    "NetCharge"正味荷電
    "NonStandardIsotopeNumbers"存在する非標準的な同位体の質量数のリスト
    "NonStandardIsotopeTally"存在する非標準的な同位体の集計
    "SMILES"SMILES構造式
    "StructureGraph"結合結合性グラフ
    "VertexCoordinates"グラフの頂点の2D相対座標のリスト
    "VertexTypes"グラフの頂点における分子タイプのリスト
  • 構造から計算される特性
  • "ElementMassFraction"質量分率による元素組成
    "HBondAcceptorCount"水素結合受容体数
    "HBondDonorCount"水素結合供与体数
    "NonHydrogenCount"水素以外の原子数
    "NonStandardIsotopeCount"非標準的な異性体原子の数
    "PartitionCoefficient"オクタノール・水分溶解度の分配係数
    "RotatableBondCount"回転可能結合数
    "TautomerCount"互変異性体数
    "TopologicalPolarSurfaceArea"位相的な極面面積
  • イオン特性
  • "Ions"イオン化されたときに存在するイオンのリスト
    "IonEquivalents"分子あたりのイオン相当量のリスト
    "IonTally"イオン相当量の集計
  • 識別特性
  • "AlternateNames"一般的な科学的同意語
    "BeilsteinNumber"バイルシュタイン(Beilstein)登録番号
    "CASNumber"CAS登録番号
    "CIDNumber"PubChem登録番号
    "EGECNumber"EG/EC登録番号
    "EUNumber"EU化学物質番号
    "GmelinNumber"Gmelin登録番号
    "IUPACName"IUPAC名
    "MDLNumber"MDL登録番号
    "Name"一般的な英語名(例:"citric acid")
    "NSCNumber"米国立癌研究所(NCI)登録番号
    "RTECSNumber"RTECS登録番号
    "StandardName"Wolfram言語による標準名(例:"CitricAcid"
  • 物質安全特性
  • "AutoignitionPoint"自己発火点
    "DOTHazardClass"DOT危険分類 (0.x - 9.x)
    "DOTNumbers"DOT (UN) 番号のリスト
    "FlashPoint"引火点
    "LowerExplosiveLimit"爆発下限(大気中濃度の百分率)
    "NFPAFireRating"NFPA可燃性(赤)評価(0-4)
    "NFPAHazards"特定のNFPA危険タグのリスト
    "NFPAHealthRating"NFPA健康(青)評価(0-4)
    "NFPALabel"NFPAラベルの画像
    "NFPAReactivityRating"NFPA反応性(黄)評価(0-4)
    "RTECSClasses"RTECSクラスのリスト
    "UpperExplosiveLimit"爆発上限(大気中濃度の百分率)
  • 主にアミノ酸に適用可能な特性
  • "Codons"ヌクレオチドトリプレットのリスト
    "IsoelectricPoint"等電点
    "SideChainAcidityConstant"側鎖酸性度定数
  • 領域関連特性
  • "BoundaryMeshRegion"境界メッシュ表現
    "MeshRegion"メッシュ表現
    "Region"幾何学領域
  • ChemicalData["name","property","ann"]は,特性に関連したさまざまな注釈を返す.次は,よく使われる注釈である.
  • "Description"特性のテキスト形式の短い説明
    "Interval"Interval[]で与えられる不確実性の範囲
    "LongDescription"特性のテキスト形式による長めの説明
    "Note"特性に関する追加情報
    "Units"この値が与えれている単位
    "Conditions"特性値が計測された際の条件
    "UnitsName"使用単位の英語名
    "UnitsNotation"使用単位の表記法
    "UnitsStandardName"使用単位のWolfram言語での標準名
    "Value"特性の値(注釈が指定されていない場合はデフォルト)
  • ChemicalData[{"name","Compound"}]は,指定の名前の元素を含む使用可能な化学物質のリストを返す.

例題

すべて開くすべて閉じる

  (4)

カフェインの基本的な構造図:

カフェインの3D分子プロット:

カフェインの3D空間充填分子プロット:

カフェインのモル質量:

スコープ  (30)

名前とクラス  (11)

分子名のリストを得る:

文字列を用いて化合物を求める:

化学物質は標準的なWolfram言語による名前,登録番号または式で指定できる:

代りの標準的なWolfram言語による名前のリストを求める:

代替名を入力として用いる:

化学物質の英語名を求める:

代替英語名のリストを得る:

IUPAC名を求める:

化学物質のクラスのリストを求める:

あるクラスに属する化学物質のリストを求める:

ある化学物質があるクラスに属するかどうかテストする:

ストロンチウム化合物のリスト:

塩素化合物:

化学構造  (3)

カラー構造図:

炭素原子と水素原子が見えるようにした分子の構造図を求める:

2つの光学異性体の3D構造をプロットする:

より複雑な分子の構造図:

3Dの構造:

識別子  (4)

一般的な化学式を求める:

ヒル則による化学式:

SMILES文字列を求める:

InChI文字列を求める:

構造異性体を求める:

特性  (6)

化学物質のイオン化したものを求める:

化学化学物質中で同位体ラベルを持つ原子のリストを得る:

重分子の構造線図を見る:

化学物質の中にある元素のリストを得る:

元素の集計:

結合タイプの表を求める:

構造図と比べる:

分子のグラフの辺の規則を求める:

各辺の結合順:

各グラフ頂点の原子のタイプを求める:

原子の形式電荷:

隣接行列を求める:

行列の原子のリスト:

特性と注釈  (4)

ある化学物質の特性リストを求める:

特性の短いテキスト記述を求める:

より長めのテキスト記述を求める:

実際の値:

特性値が与えられる単位を求める:

単位を適切なテキスト形式で求める:

単位を記号表記で求める:

不確実性はIntervalで表される:

特性値  (2)

特性値は任意の有効なWolfram言語による式でよい:

ある化学物質について適用不可の特性の値はMissing["NotAvailable"]である:

一般化と拡張  (2)

リスト形式で化学物質の登録番号を指定する:

指定元素を含む化合物を文字列を使って求める:

アプリケーション  (5)

モル質量の分布を求める:

沸点の分布:

酸性分子の構造を探究する:

異なる分子同位体を見てみる:

異なる化学クラスについて沸点対密度を系統的に探究する:

化学式"C5H10"の立体異性体を求める:

特性と関係  (7)

Tableを使って化学物質のリストの特性値を求める:

Mapを使って同じことをする:

化学物質のリストについて複数の特性値を求める:

GridTextを使って,データを書式付きの表として表示する:

DeleteCasesを使って欠測値データを除去する:

または,CasesExceptを使って欠測値データを除去する:

ListPlotを使って特性値のリストをプロットする:

Missingのデータはプロット関数で自動的に除去される:

Tooltipを使って個々のデータ点にラベルを付ける:

ElementDataを使って化学元素の追加的な特性を求める:

IsotopeDataを用いて核同位元素の詳細情報を求める:

考えられる問題  (2)

非標準的な化学名および特性名ではうまくいかない:

文字列関数を用いて標準化された名前を求める:

算術操作はMissing項目には行えない:

Missing項目を演算の前に取り除く:

おもしろい例題  (1)

結合タイプのマッチに基づいたネットワーク中の非芳香族環状分子の化学異性体を求める:

Wolfram Research (2007), ChemicalData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ChemicalData.html (2016年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2007), ChemicalData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ChemicalData.html (2016年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2007. "ChemicalData." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/ChemicalData.html.

APA

Wolfram Language. (2007). ChemicalData. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/ChemicalData.html

BibTeX

@misc{reference.wolfram_2024_chemicaldata, author="Wolfram Research", title="{ChemicalData}", year="2016", howpublished="\url{https://reference.wolfram.com/language/ref/ChemicalData.html}", note=[Accessed: 22-November-2024 ]}

BibLaTeX

@online{reference.wolfram_2024_chemicaldata, organization={Wolfram Research}, title={ChemicalData}, year={2016}, url={https://reference.wolfram.com/language/ref/ChemicalData.html}, note=[Accessed: 22-November-2024 ]}