DiffusionPDETerm
DiffusionPDETerm[vars]
モデル変数 vars の拡散項 を表す.
DiffusionPDETerm[vars,c]
拡散係数が の拡散項 を表す.
DiffusionPDETerm[vars,c,pars]
モデルパラメータ pars を使う.
詳細
- 拡散は物理学における中心概念で,熱力学,音響学,構造力学,流体力学等,数多くの分野で使われている.
- 拡散は伝導としても知られている.
- 拡散係数 がある拡散は,従属変数 の勾配のみに駆動される平衡過程である.
- DiffusionPDETermは,偏微分方程式の一部として使われる微分演算子項を返す.
- DiffusionPDETermを使って,従属変数 ,独立変数 ,時間変数 の拡散方程式がモデル化できる.
- 定常モデル変数 vars は vars={u[x1,…,xn],{x1,…,xn}}である.
- 時間依存モデル変数 vars は vars={u[t,x1,…,xn],{x1,…,xn}}または vars={u[t,x1,…,xn],t,{x1,…,xn}}である.
- 他のPDE項との関連における拡散項 は以下で与えられる.
- 拡散の間,拡散が起こる媒体は静止したままであるのに対し,対流の場合は媒体が輸送機構となる.
- 拡散係数 は次の形を持つことができる.
-
スカラー ,等方性拡散 {c1,…,cn} - ベクトル ,直交異方性拡散
{{c11,…,c1n},…,{cn1,…,cnn}} - 行列 ,異方性拡散
- 従属変数が{u1,…,um}の偏微分方程式系についての拡散は以下を表す.
- PDE項の系との関連における拡散項.
- 拡散係数 はの形の階数4のテンソルである.各部分行列 は単一の従属変数と同じ方法で指定できる 行列である.
- 拡散係数 は,時間,空間,パラメータ,従属変数に依存することがある.
- 次は,使用可能なパラメータ pars である.
-
パラメータ デフォルト シンボル "RegionSymmetry" None - パラメータ"RegionSymmetry"の可能な選択肢には"Axisymmetric"がある.
- "Axisymmetric"領域対称性は,以下のように角度変数を削除することで円柱座標が縮小された,切り取られた円柱座標系を表す.
-
次元 縮小 方程式 1D 2D - 係数 はNeumannValueの意味をもたらす.
- 与えられた独立変数に明示的に依存しないすべての数量の偏導関数は0であるとみなされる.
例題
すべて開くすべて閉じる例 (6)
スコープ (31)
1D (6)
固有値問題のモデル化にDiffusionPDETermを使う:
DiffusionPDETermを使って1Dポアソン方程式を設定する:
1D線対称 (1)
2D (12)
DiffusionPDETermを使って2Dポアソン方程式を設定する:
基本的なPDE項からポアソン方程式を構築し,これを数値的に解く:
方向の拡散定数の方が 方向よりも大きいベクトル値拡散係数を使う:
2D線対称 (3)
3D (1)
DiffusionPDETermを使って3Dポアソン方程式を設定する:
連結 (5)
連結線対称 (3)
アプリケーション (9)
DiffusionPDETermを変数拡散係数と一緒に使う:
DiffusionPDETermと軸対称幾何学を使って伝導性熱伝達をモデル化する.
分析領域は2D領域である.直交座標で完全な2D領域を定義する代りに,1Dの切取り円柱座標で領域を定義することができる.この系は 軸の周りで回転対称なので,円柱座標の変数 と は消失する.
DSolveValueで記号的に解くこともできる:
DiffusionPDETermを使ってダムの下の種の拡散をモデル化する.領域を設定する:
DiffusionPDETermと軸対称幾何学を使って伝導性熱伝達をモデル化する.分析領域は3Dの中空の円柱である.直交座標で完全な3D領域を定義する代りに,2Dの切取り円柱座標で領域を定義することができる.この系は 軸の周りで回転対称なので,円柱座標の変数 は消失する.
DiffusionPDETermと軸対称幾何学を使って非線形伝達性熱伝導をモデル化する.
計算にかかった合計時間と計算に使われたバイト数(MB)を出力する:
DiffusionPDETermを使って平面応力演算子を設定する:
ストークス流れのモデルを拡張してナビエ(Navier)・ストークス流れのモデルにする.ストークス流れのモデルを定義する:
特性と関係 (3)
Inactive和から数項取り出す:
考えられる問題 (5)
数値拡散係数には適切な次元のIdentityMatrix倍が自動的に掛けられる:
スカラーの拡散係数がある微分方程式を解く際は便宜上動くように作られているが,後続の操作は適切な設定に依存するかもしれない:
結果は解の勾配でスカラーのドット積を取ろうとする点に注意のこと:
拡散係数を直接指定することもできる.数の場合は拡散係数にIdentityMatrixが掛けられる:
また別の方法として,代入される値を独立変数の数の次元の行列として指定することができる:
DiffusionPDETermは not をモデル化する:
テキスト
Wolfram Research (2020), DiffusionPDETerm, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/DiffusionPDETerm.html (2022年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2020. "DiffusionPDETerm." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2022. https://reference.wolfram.com/language/ref/DiffusionPDETerm.html.
APA
Wolfram Language. (2020). DiffusionPDETerm. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/DiffusionPDETerm.html