QueueingNetworkProcess
QueueingNetworkProcess[γ,r,μ,c]
到着ベクトル γ,経路選択確率行列 r,サービスベクトル μ,サービスチャンネルベクトル c の,開放型(Jackson)待ち行列網過程を表す.
QueueingNetworkProcess[γ,r,μ,c,k]
系の中に k 個のジョブがある閉鎖型(Gordon–Newel)待ち行列網過程を表す.
詳細
- QueueingNetworkProcessは連続時間・離散状態の過程である.
- 時点 t におけるQueueingNetworkProcessは時点 t におけるネットワーク上の顧客数である.
- ネットワークのノード i への到着はPoissonProcess[γi]に従う.
- ネットワークのノード i でのサービス時間はExponentialDistribution[μi]に従う.
- QueueingNetworkProcessでは,c は任意の正の整数値ベクトル,k は任意の正の整数であり,経路選択確率行列 r の各項は0から1の間でなければならない.
- QueueingNetworkProcessは,QueueProperties,StationaryDistribution,RandomFunction等の関数で使うことができる.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (10)
単純なフィードフォワードネットワーク (2)
単純なフィードバックネットワーク (3)
フィードバック確率がpの待ち行列に対応するネットワーク過程を定義する:
ネットワークの定常状態の確率密度関数(PDF):
Jacksonネットワーク (2)
アプリケーション (12)
機械修理 (3)
ある電機メーカーが回路基板の製造に5台のロボットを使っている.ロボットの故障までの時間は平均30時間で指数分布に従う.この会社にはロボットの修理ができる修理工が2人いる.修理時間は平均3時間で指数分布に従う.「作業中」と「故障中」の2つの状態の待ち行列網を使って,任意の一時点に作業可能なロボットの平均台数を求める:
工場にある2台の機械は常に使用可能であることが望ましい.この機械は平均故障率で指数分布に従って故障する.機械が故障した場合に,母数 で指数分布に従って働く地元の1人の修理工によって修理が可能な割合はである.機械を母数の指数分布に従って働く専門家に直してもらわなければならない確率はである.地元での修理が終った後で専門家による修理も必要になる確率はである.「使用可能」,「地元で修理可能」,「専門家が必要」の状態の待ち行列網を使って両方の機械が使用可能である割合を百分率で求める:
多くの機械が使っている修理施設には2つのステーションが1列に並んでいる.それぞれのサービス率は1時間あたり1台と1時間あたり2台である.機械の累積故障率は1時間あたり0.5台である.修理施設の両方のサービスステーションとも仕事をしていない確率を求める:
コンピュータシステム (4)
3つのルーターがある直列ネットワークに,パケットが1秒に100個の割合で到着する.3つのルーターのサービス率はそれぞれ1秒間に250パケット,150パケット,200パケットである.直列ネットワークを使う3つのルーターのそれぞれに2つのパケットがある確率を求める:
Probabilityを使って同じ結果を求める:
3ノードの中央サーバシステムを10個のリクエストが巡回している.中央サーバ(ノード1)は確率0.7と0.3で残りの2つのノードにリクエストを送る.3つのノードの指数関数的なサービスタイムはそれぞれ1,2,0.8である.この閉鎖型サーバネットワークで進行を妨げているデバイスを求める:
3ノードの中央サーバシステムを10個のリクエストが巡回している.中央サーバ(ノード1)は確率0.7と0.3で残りの2つのノードにリクエストを送る.外部からのリクエストは中央サーバのみに到着する.到着率は割合が0.15のポアソン過程に従う.3つのノードの指数関数的なサービスタイムはそれぞれ1,2,0.8である.この開放型サーバネットワークで進行を妨げているデバイスを求める:
割合 γ のポアソン過程に従って新しいプログラムがCPUに到着する.1つのプログラムにつきCPU内では指数分布に従う平均 1/μ 1の実行時間がかかる.この段階で,プログラムの実行は確率pで完了するか,確率1-pで補助的な記憶装置からの追加情報が必要になるかのどちらかである.補助的な記憶装置からの情報の取り出しには指数分布に従う平均 1/μ 2の時間が必要である.このシステムで各プログラムにかかる平均時間を求める:
カスタマーサービス (1)
通信網 (2)
空港ターミナル (1)
特性と関係 (3)
ネットワークの定常状態の確率密度関数(PDF):
テキスト
Wolfram Research (2012), QueueingNetworkProcess, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/QueueingNetworkProcess.html.
CMS
Wolfram Language. 2012. "QueueingNetworkProcess." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/QueueingNetworkProcess.html.
APA
Wolfram Language. (2012). QueueingNetworkProcess. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/QueueingNetworkProcess.html