Simplify

Simplify[expr]

expr に対していくつかの代数的,およびその他の変換を実行し,最も簡単な形式を返す.

Simplify[expr,assum]

仮定を使用して簡約する.

詳細とオプション

  • Simplifyは展開,因数分解やさまざまな変換を試み,その都度最も簡単な形が得られるようにする.
  • Simplifyは,方程式,不等式および領域指定に使われる.
  • 不等式中の代数的な数量は,常に実数と仮定される.
  • FullSimplifySimplifyよりも強力に簡約する.
  • Assumingを用いてSimplifyのデフォルトの仮定を指定することができる.
  • 指定可能なオプション
  • Assumptions $Assumptionsassum に付加するデフォルトの仮定
    ComplexityFunction Automatic作成された形の複雑さを評価する方法
    TimeConstraint 3001回の変換処理の制限時間(単位:秒)
    TransformationFunctions Automatic式の変換に試みる関数
    Trig True代数的変形に加え三角関数の性質を用いて変換するかどうか
  • 仮定は,方程式,不等式,xIntegersのような領域指定,およびこれらの論理結合からなる.
  • TimeConstraint->{tloc,ttot}と設定すると,最高の結果が返されるまでに,任意の特定の変換に最大 tloc秒が,すべての変換に最大 ttot 秒が使われる.

例題

すべて開くすべて閉じる

  (3)

xについての仮定があるとSimplifyを使ってさらに簡約できる:

スコープ  (4)

多項式を簡約する:

有理式を簡約する:

三角関数の式を簡約する:

指数関数の式を簡約する:

方程式を簡約する:

仮定を用いて式を簡約する:

仮定を用いて不等式を証明する:

オプション  (10)

Assumptions  (3)

仮定は,引数としてもオプションの値としても与えることができる:

Assumptionsオプションのデフォルト値は$Assumptionsである:

仮定が引数として与えられた場合,$Assumptionsもまた使われる:

仮定をオプション値として指定することによってSimplify$Assumptionsを使うことを妨げる:

ComplexityFunction  (2)

デフォルトのComplexityFunctionは部分式と整数の桁数を数える:

LeafCountは部分式の数だけを数える:

デフォルトのComplexityFunctionでは,Abs[x]の方が-xFullFormよりも簡単である:

この複雑度の関数によってAbsの方がTimesより高価になる:

ExcludedForms  (1)

これでは簡約されない:

(x-2)^10の変換を除外すると,Simplifyによって残りの項が展開される:

TimeConstraint  (2)

次は三角関数の展開のために時間がかかるが,簡約は行われない:

TimeConstraintを使ってそれぞれの変換にかかる時間を制限する:

同様の例.ここでは変換によって簡約が行われている:

次の例ではTimeConstraintの設定のために行われなかった簡約もある:

TransformationFunctions  (1)

ここではSimplifyが唯一の変換としてtを使っている:

ここでは,Simplifyが変換にtとすべての組込み変換の両方を使っている:

Trig  (1)

デフォルトで,Simplifyは三角恒等式を使う:

Trig->Falseとすると,Simplifyは三角恒等式を使わない:

アプリケーション  (4)

解が方程式を満足することを証明する:

算術平均が幾何平均よりも大きいことを示す:

フェルマ(Fermat)の小定理を適用する:

ブール代数についてのWolframの最小定理を使って交換性を証明する:

特性と関係  (2)

Assumingを使って仮定を伝播する:

FullSimplifyを使って特殊関数を含む式を簡約する:

考えられる問題  (2)

Wolfram言語は,零に記号式をかけたものを零に評価する:

これは,たとえ記号式が常に無限であっても起る:

この結果により,特異点を持つ式の簡約結果は不確かである:

この場合は,FullSimplifyが零を認識する:

簡約の結果は記号名に依存することがある:

Wolfram Research (1988), Simplify, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Simplify.html (2014年に更新).

テキスト

Wolfram Research (1988), Simplify, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Simplify.html (2014年に更新).

CMS

Wolfram Language. 1988. "Simplify." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2014. https://reference.wolfram.com/language/ref/Simplify.html.

APA

Wolfram Language. (1988). Simplify. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/Simplify.html

BibTeX

@misc{reference.wolfram_2024_simplify, author="Wolfram Research", title="{Simplify}", year="2014", howpublished="\url{https://reference.wolfram.com/language/ref/Simplify.html}", note=[Accessed: 22-November-2024 ]}

BibLaTeX

@online{reference.wolfram_2024_simplify, organization={Wolfram Research}, title={Simplify}, year={2014}, url={https://reference.wolfram.com/language/ref/Simplify.html}, note=[Accessed: 22-November-2024 ]}