UniverseModelData

UniverseModelData[spec]

ビッグバン後の時間,共動オブジェクトまでの距離あるいはそのようなオブジェクトの赤方偏移によって定義された指定におけるデフォルトモデルに基づいた宇宙の特性を返す.

UniverseModelData[spec,model]

spec における宇宙 model の特性を返す.

UniverseModelData[spec,property]

時間あるいは距離指定 spec における指定された特性を返す.

UniverseModelData[spec,property,model]

宇宙 model についての時間あるいは距離 spec における指定された特性を返す,

詳細

  • 指定 spec は,時間と距離の単位があるQuantityオブジェクト,あるいは宇宙の年齢についての"Time",現在から計測した過去の時間についての"TimeAgo",オブジェクトまでの距離"Distance",あるいは離れたオブジェクトの赤方偏移"Redshift"のキーがある連想でよい."Time""TimeAgo""Distance"の各キーの値はQuantityオブジェクトでなければならない.
  • 結果は宇宙のインフレーション時代後に限られる.
  • UniverseModelData["Models"]は使用可能なモデルのリストを返す.UniverseModelData[model]を使って特定のモデルの値を知る.
  • UniverseModelData["Properties"]は使用可能な全特性のリストを返す.
  • 特性は,可能な場合はQuantityを使って返される.
  • 一般的な宇宙特性には次が含まれる.
  • "UniverseCurvature"宇宙の曲率
  • ビッグバン後の時間 に対応する距離 に見えるオブジェクトについての特性
  • "AngularDiameterDistance"角直径で決定された距離
    "ComovingDistance"空間の拡大あるいは縮小の影響を受けない距離測度
    "ComovingVolume"共動距離内の空間の体積
    "ConformalTime"空間の拡大あるいは縮小の影響を受けない時間測度
    "DarkEnergyDensityRatio"宇宙における暗黒エネルギー密度と全エネルギー密度の比
    "Epoch"宇宙モデルの全体的な組成
    "EventHorizon"指定された時間に放出された光が将来観測者に届くことが可能な最大距離
    "HubbleDistance"観測者から光速で遠ざかるオブジェクトまでの距離
    "HubbleParameter"宇宙モデルの膨張率
    "LuminosityDistance"光度で決定される距離
    "MatterEnergyDensityRatio"宇宙における物質密度と総エネルギー密度の比
    "MaximumUniverseAge"宇宙が到達可能な最高年齢
    "ParticleHorizon"ビッグバンから指定された時までに光が達した最大距離
    "RadiationEnergyDensityRatio"宇宙における放射密度と総エネルギー密度の比
    "RadiationTemperature"背景放射の温度
    "Redshift"空間の拡大または縮小による波長のシフト
    "ScaleFactor"空間の拡大または縮小による距離の変化
    "TimeAgo"現在時から測った過去の時間
    "TotalObservableRadiusFraction"史上で可能な全体に対する可視である宇宙の割合
    "TransverseComovingDistance"同じ赤方偏移に位置する2つのオブジェクト間の共動距離
  • model は,使用可能なモデルの1つによって,宇宙の組成についてのパラメータを与えることで,あるいはモデルとそこから分岐したパラメータを与えることで指定することができる.
  • デフォルトの宇宙モデルは"LambdaCDM"である.
  • 含まれるパラメータ
  • "HubbleH0"ハッブル定数H
    "OmegaLambda"暗黒エネルギー密度と臨界密度の比
    "OmegaMatter"物質密度と臨界密度の比
    "OmegaRadiation"放射密度と臨界密度の比
    "OmegaK"曲率密度と臨界密度の比
  • パラメータはすべて現在の値を参照する.
  • "HubbleH0"は逆時間の次元を持つQuantityでなければならない.他のパラメータはすべて無次元あるいは百分率の量でなければならない.
  • パラメータは連想として渡されなければならない.
  • 計算には,フリードマン・ルメートル・ロバートソン・ウォーカー(FriedmannLemaîtreRobertsonWalker)計量,フリードマン方程式,物質,放射,暗黒エネルギー組成の状態方程式が使われる.

例題

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  (3)

ビッグバンの1億年後の宇宙のスケール因子を計算する:

10億光年かなたの共動オブジェクトの赤方偏移を調べる:

任意組成の宇宙モデルの特性を調べる:

スコープ  (7)

特性のリストを得る:

サポートされるモデルのリストを得る:

モデルのデフォルト値を見る:

ビッグバンの10億年後の宇宙の組成について学ぶ:

100億年前のスケール因子を調べる:

宇宙の特定の年代についてのすべての特性を求める:

宇宙モデルによって粒子の地平がどのように違うか調べる:

標準モデルの視座を修正する:

アプリケーション  (7)

時間とともに宇宙の観測半径が拡大した様子を見る:

物質優勢の宇宙の特性を見る:

ハッブル定数()における不確実性が,初期宇宙の背景放射の温度の推定にどのように影響するかを調べる:

今日の粒子の地平に与えるハッブル定数の値の影響を調べる:

背景放射温度が300Kだったのはいつ頃かを調べる:

おとめ座銀河団内のオブジェクトの共動距離を計算する:

距離が大きくなるにつれて外れる様子を調べる:

宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の温度が時間とともにどのように変わったかを調べる:

考えられる問題  (5)

宇宙の組成についての指定は正の数または百分率でなければならない:

宇宙の構成要素の合計は1より大きくなることがある:

結果は少なくともビッグバンの後の秒に限られる:

宇宙論的な構成要素に曲率を加えたすべてで1にならなければならない:

曲率を含めると欠落要素が生まれる:

UniverseModelData[model]を使って含めるべき最良の値を決定する助けとする:

おもしろい例題  (1)

宇宙の組成が時間とともにどのように変化したかを調べる:

Wolfram Research (2016), UniverseModelData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/UniverseModelData.html.

テキスト

Wolfram Research (2016), UniverseModelData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/UniverseModelData.html.

CMS

Wolfram Language. 2016. "UniverseModelData." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/UniverseModelData.html.

APA

Wolfram Language. (2016). UniverseModelData. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/UniverseModelData.html

BibTeX

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BibLaTeX

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