InitializePDEMethodData
InitializePDEMethodData[vd,sd,m]
変数データ vd と解データ sd に従って,m によって指定されたメソッドのメソッドデータオブジェクトを返す.
詳細とオプション
- InitializePDEMethodDataは,偏微分方程式の離散化メソッド m を初期化する.
- InitializePDEMethodDataは,形状データ等のデータを計算し保存する.
- InitializePDEMethodDataのAutomaticのメソッドは,有限要素法であり,初期化されたデータは,FEMMethodDataオブジェクトとして返される.
- 変数データ vd と解データ sd は,変数と値の対応するリストである.vd と sd のテンプレートは,NDSolve`VariableDataとNDSolve`SolutionDataを使って生成でき,成分は,NDSolve`SetSolutionDataComponentを使って設定できる.
- vd と sd の"Space"成分は,それぞれNumericalRegionオブジェクトとして表された空間変数と空間メッシュに設定されなければならない.
- vd の"DependentVariables"成分は,引数を持たない未知の関数名のリストに設定されなければならない.
- 時間依存問題については,vd と sd の"Time"成分は,それぞれ時間変数と初期時間に設定されなければならない.
- InitializePDEMethodData[vd,sd,m]では,メソッド m は mname あるいは{mname,mopts}によって指定してもよい.この場合,mname はメソッド名であり,mopts はメソッド特定のオプションである.現在は,"FiniteElement"メソッドのみがサポートされている.
- InitializePDEMethodData[vd,sd]はデフォルトで"FiniteElement"メソッドを使う.
- "FiniteElement"メソッドには以下のオプションが使える.
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"IntegrationOrder" Automatic 要素の積分次数を設定する "InterpolationOrder" Automatic 各従属変数の補間の次数を設定する "PrecomputeGeometryData" Automatic 形状データを事前計算する -
"IntegrationOrder" Automatic 要素の積分次数を設定する "InterpolationOrder" Automatic 各従属変数について補間の次数を設定する "MeshOptions" Automatic メッシュ生成のオプションを指定する "PrecomputeGeometryData" Automatic 形状データを事前計算する - ElementMeshが"MeshOrder" を持つ場合には,"InterpolationOrder"は最高でも であり,"InterpolationOrder"->Automaticはデフォルトで次数 になる.複数の従属変数は,異なる補間次数を持つことがある.したがって,少なくとも1つの補間次数は,最大メッシュ次数 に設定されなければならない.
- "IntegrationOrder"は,有限要素演算子を積分するのに使われる確度の次数である."InterpolationOrder"->2では,"IntegrationOrder"はデフォルトで四次となり,"InterpolationOrder"->1では,"IntegrationOrder"はデフォルトで二次になる.
- "FiniteElement"メソッドについては,NumericalRegionがElementMeshを含まない場合には,"MeshOptions"オプションの設定で与えられるオプションとともにToElementMeshを使って,要素メッシュが自動的に作成される.
- NDSolveおよび関連の関数からオプションを設定することについては,有限要素のためのNDSolveオプションに説明がある.
例題
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オプション (5)
"IntegrationOrder" (1)
積分次数は,メソッドで使われる数値積分次数を指定する,有限要素法のサブメソッドオプションである.
ElementMeshで"MeshOrder" 2が与えられている場合には,Automaticの設定が積分次数を4とする.ElementMeshで"MeshOrder" 1が与えられている場合には,積分次数は2になる.最大次数は5である.
"InterpolationOrder" (1)
"MeshOptions" (1)
"MeshOptions"は,ToElementMeshに渡されるオプションを指定する有限要素メソッドのサブメソッドオプションである.
"PrecomputeGeometryData" (1)
形状データの事前計算は,メソッドで必要な形状データを計算し保存する有限要素法のサブメソッドオプションである.これをFalseに設定すると,メモリ消費量が少なくなることがある:
テキスト
Wolfram Research (2014), InitializePDEMethodData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/FEMDocumentation/ref/InitializePDEMethodData.html.
CMS
Wolfram Language. 2014. "InitializePDEMethodData." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/FEMDocumentation/ref/InitializePDEMethodData.html.
APA
Wolfram Language. (2014). InitializePDEMethodData. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/FEMDocumentation/ref/InitializePDEMethodData.html