Csc

Csc[z]

z の余割を与える.

詳細

  • 記号操作・数値操作の両方に適した数学関数である.
  • Cscの引数はラジアンで与える(度数の角度は,係数Degreeを掛け合せラジアン角にしてから使う).
  • 1/Sin[z]は自動的にCsc[z]に変換される.分解するときはTrigFactorList[expr]を使う.
  • 特別な引数の場合,Cscは自動的に厳密値を計算する.
  • Cscは任意の数値精度で評価できる.
  • Cscは自動的にりストに縫い込まれる. »
  • CscIntervalオブジェクトおよびCenteredIntervalオブジェクトに使うことができる. »

予備知識

  • Cscは,三角法で出会う基本関数の1つの余割関数である.これは,正弦関数の逆関数として定義され,実数について, を単位円の外周に沿って 軸から反時計回りにラジアン角として測ることで定義される.Csc[x]は,したがって,弧長の端点の垂直座標の逆数を与える.直角三角形における角 の余割についての,学校教科書での同等の定義は, と向かい合う辺の長さと斜辺の長さの比である.
  • Cscは,引数が の単純な有理倍数の場合は,自動的に厳密値に評価される.より複雑な有理倍数については,FunctionExpandを使って明示的な厳密値が得られることがある.TrigFactorListを使ってCscを含む式をSinおよびCosを含む項に因子分解することができる.度で測られた角を使って引数を指定するときは,記号Degreeを乗数として使うことができる(例:Csc[30 Degree])).引数として厳密な数式が与えられると,Cscは任意の数値精度に評価できることがある.Cscを含む記号式の役に立つ操作には,TrigToExpTrigExpandSimplifyFullSimplify等がある.
  • Cscは要素単位でリストおよび行列に縫い込まれる.対照的に,MatrixFunctionを使って正方行列の余割(通常のベキを行列ベキで置換した,余割関数についてのベキ級数)を個々の行列要素の余割に対立するものとして得ることができる.
  • Cscは,FunctionPeriodにあるように, を周期として周期的である.Cscは,恒等式を満足する.これは,ピタゴラスの定理に等しい.正割関数の定義は,定義を使って複素引数 にまで拡張することができる.ただし, は自然対数の底である.Cscは整数 について に極を持ち,これらの点で評価するとComplexInfinityになる.Csc[z]は原点付近で級数展開sum_(k=0)^infty((-1)^(k+1) 2(2^(2 k-1)-1) TemplateBox[{{2,  , k}}, BernoulliB] )/((2 k)!)z^(2 k-1)持つ.これは,ベルヌーイ(Bernoulli)数BernoulliBによって表すことができる.
  • Cscの逆関数はArcCscである.双曲線余割はCschで与えられる.他の関連する数学関数にはSecSin等がある.

例題

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  (6)

引数はラジアンで与えられる:

Degreeを用いて引数を度で指定する:

実数の部分集合上でプロットする:

複素数数の部分集合上でプロットする:

0における級数展開:

特異点における漸近展開:

スコープ  (47)

数値評価  (6)

数値的に評価する:

高精度で評価する:

出力の精度は入力の精度に従う:

複素引数について評価する:

Cscを高精度で効率よく評価する:

自動縫込みを使って配列の要素ごとの値を計算する:

MatrixFunctionを使って行列のCsc関数を計算することもできる:

IntervalオブジェクトとCenteredIntervalオブジェクトを使って最悪の場合に保証される区間を計算する:

Aroundを使って平均的な場合の統計区間を計算することもできる:

特定の値  (6)

固定点におけるCscの値:

無限大における値:

Cscの特異点:

Cscの極値:

Cscの極小値を,極小値の近傍におけるの根として求める:

結果を代入する:

結果を可視化する:

簡単な厳密値は自動的に生成される:

より複雑な場合にはFunctionExpandを明示的に使う必要がある:

可視化  (3)

Csc関数をプロットする:

の実部をプロットする:

の虚部をプロットする:

の極プロット:

関数の特性  (13)

Cscの実領域:

複素領域:

Cscは,開区間からのものを除くすべての実数値に達する:

Cscは, を周期とする周期関数である:

Cscは奇関数である:

Cscは鏡特性csc(TemplateBox[{z}, Conjugate])=TemplateBox[{{csc, (, z, )}}, Conjugate]を有する:

Cscは解析関数ではない:

しかし,有理型ではある:

Cscは特定の値域で単調である:

Cscは単射ではない:

Cscは全射ではない:

Cscは非負でも非正でもない:

xπ の倍数のとき,特異点と不連続点の両方を持つ:

凸でも凹でもない:

[0,3]x について凸である:

TraditionalFormによる表示:

微分  (3)

一次導関数:

高次導関数:

次導関数の式:

積分  (3)

Cscの不定積分:

周期上のCscの定積分は0である:

その他の積分例:

級数展開  (3)

Seriesを使ってテイラー(Taylor)展開を求める:

の周りのCscの最初の3つの近似をプロットする:

Cscの級数展開における一般項:

Cscはベキ級数に適用できる:

関数の恒等式と簡約  (6)

倍角のCsc

総和のCsc

マルチアングルの式を変換する:

三角関数の和を積に変換する:

実変数 および を仮定して展開する:

複素指数関数に変換する:

関数表現  (4)

Sinを介した表現:

ベッセル(Bessel)関数を介した表現:

SphericalHarmonicYを介した表現:

MeijerGによる表現:

アプリケーション  (3)

極を自動的に除いてプロットを生成する:

複素引数平面上にプロットを生成する:

微分方程式を解く:

特性と関係  (12)

余割関数の基本的なパリティと周期性の性質は自動的に適用される:

CscSinCosに因数分解するのにはTrigFactorListを用いる:

三角関数を含む複雑な式は自動的には簡約されない:

追加的な仮定をして簡約する:

逆関数を用いた構築物:

1ラジアンは度である:

三角方程式を解く:

ゼロと極について解く:

超越方程式の根を数値的に求める:

多くの数学関数でCscは特殊形として自動的に返される:

剰余を記号的・数値的に計算する:

Cscは数値関数である:

考えられる問題  (4)

機械精度の入力では正解を出すのに不十分である:

代りに任意精度で評価する:

関数の値を正確に近似するためには$MaxExtraPrecisionの設定値を大きくする必要がある:

出力精度が入力精度よりはるかに低いあるいは高いことがある:

慣用形では引数の周りに丸カッコが必要である:

おもしろい例題  (6)

さまざまな積分と積:

整数点でCscをプロットする:

積分と総和からCscを生成する:

Wolfram Research (1988), Csc, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Csc.html (2021年に更新).

テキスト

Wolfram Research (1988), Csc, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Csc.html (2021年に更新).

CMS

Wolfram Language. 1988. "Csc." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2021. https://reference.wolfram.com/language/ref/Csc.html.

APA

Wolfram Language. (1988). Csc. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/Csc.html

BibTeX

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