ImageDeconvolve

ImageDeconvolve[image,ker]

カーネル ker を使い,image の逆たたみ込みを与える.

詳細とオプション

  • 逆たたみ込みカーネルは数値行列あるいは画像として与えられる.これは,任意次元の image より大きくてはならない.
  • カーネルは画像に現れているぼけをモデル化すると考えられる点拡がり関数を表す.
  • ImageDeconvolve[image,ker]は常に image と同じ次元で実数型の画像を返す.
  • ImageDeconvolveは画像の各チャンネルに別々に働く.
  • 逆たたみ込みカーネルのチャンネルは1つあるいは image のカラーチャンネル数と同数でなければならない.
  • 使用可能なオプション
  • MaxIterations 10使用する最大反復回数
    Method "DampedLS"使用するメソッド
    Padding"Reversed"充填法
  • スペクトル逆たたみ込み法を指定するための使用可能な設定
  • "DampedLS"減衰最小二乗,一般化されたTikhonov正規化
    "Tikhonov"Tikhonov正規化法
    "TSVD"切断特異値分解
    "Wiener"Wiener逆たたみ込み
  • スペクトル逆たたみ込み法では,Method->{"method",p}で正規化パラメータ p を与えることができる.全要素の総和が1である非負の逆たたみ込みカーネルの場合,正規化パラメータは通常0から1の範囲にある.
  • Method->{"method",{p1,p2,}}と設定すると,それぞれのカラーチャンネルに別々の正規化パラメータを与えることができる.
  • Methodオプションの以下の設定値で反復逆たたみ込み法が指定できる.
  • "Hybrid"TikhonovGolubKahanの二重対角化による正規化
    "RichardsonLucy"RichardsonLucyの反復逆たたみ込み
    "SteepestDescent"修正残差ノルム最急降下
  • "SteepestDescent"法と"RichardsonLucy"法は常に非負の画素値を返す.
  • 反復逆たたみ込み法は,通常スペクトル法よりよい結果を与えるが,計算が高価である.デフォルトで,予め条件付けされた反復法が使われる.前提条件付けはMethod->{"method","Preconditioned"-> False}で無効にできるが,結果として収束が遅くなる.
  • 古典的なRichardsonLucy逆たたみ込み法は前提条件付けを使わない.
  • ImageDeconvolveは事実上反復全変動正規化アルゴリズムを実装する反復的"TotalVariation"法もサポートする.
  • Method->{"TotalVariation",subopt}の設定で以下のサブプションが指定できる.
  • "NoiseModel""Gaussian"ノイズモデル
    "Regularization"Automatic正規化パラメータ
  • "NoiseModel"の可能な設定値は"Gaussian""Laplacian"あるいは"Poisson"である.
  • ImageDeconvolveImageConvolveにおけるPaddingのデフォルト設定は異なるので注意のこと.
  • ImageDeconvolveImage3Dオブジェクトに使うことができる.

予備知識

  • ImageDeconvolveは,逆たたみ込みを行う.これは,画像の局所的な詳細や辺を向上させるために使われることが多い.逆たたみ込みはたたみ込みの逆操作であるが,たたみ込みとは異なり,非線形・不良設定・非一意的である.
  • カメラの動き,オブジェクトの動き,レンズの欠陥,あるいは,天文画像の場合は大気乱流によって,画像がぼやけることがある.逆たたみ込みは,画像におけるこれらの,あるいは他の望ましくないたたみ込み型の過程の影響を部分的にもとに戻すために使われることがある.
  • 逆たたみ込みに使われるカーネルは,しばしば「点広がり関数」(しばしば「psf」と略される)と呼ばれ,画像から除去しようとしているぼやけをモデル化するものとみなされる.点広がり関数が画像中に実際に存在するぼやけに一致しない場合,逆たたみ込みは詳細を回復することができず,不要なアーチファクトを加えることさえある.さらに,代表的な点広がり関数が選ばれた場合でも,逆たたみ込みがもとの画像の詳細すべてを回復できないことがある.
  • ImageDeconvolveの逆操作はImageConvolveによって行われる.Sharpenは辺をはっきりさせる別の単純な方法である.

例題

すべて開くすべて閉じる

  (1)

ぼやけた画像を修復する:

スコープ  (5)

データ  (3)

グレースケール画像からぼやけを除く:

ガウスぼかしを除く:

3D画像の逆たたみ込み:

パラメータ  (2)

点拡がり関数は画像として与えることができる:

オプション  (7)

Method  (6)

視力表のぼかしを除く:

スペクトル逆たたみ込み法を比較する:

反復逆たたみ込み法を比較する:

前提条件付きの反復法:

明示的な正規化パラメータのある全変動法:

指定されたノイズモデルを使った全変動法:

MaxIterations  (1)

デフォルトで,反復法は10回繰り返される:

反復の最大回数を指定する:

アプリケーション  (3)

焦点のずれたぼけを除去する:

ぼやけた画像からナンバープレートの番号を回復する:

動きによるぼかし(モーションブラー)を除くための適切な点拡がり関数(PSF)を推測する:

特性と関係  (3)

ListDeconvolveを使って,ImageDataの結果を逆たたみ込みすることができる:

SharpenにはPSFは必要ないが,小さいガウスぼやけを回復するだけである:

ImageDeconvolveImageConvolveの近似的逆操作である:

考えられる問題  (5)

PSFは,重みの和が1になるように常に正規化されなければならない:

正規化されたPSFを使う:

PSFがぼやけにマッチしない場合は,逆たたみ込みで詳細を改良することはできず,アーチファクトが加わることもある:

前提条件付きのメソッドは,前提条件なしのメソッドに比べ,より多くのアーチファクトを招くことがある:

前提条件付きのメソッドは境界条件に敏感である:

ぼやけた画像の小さいノイズでも,画像再構築の際の画質劣化の原因となる:

Wolfram Research (2010), ImageDeconvolve, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ImageDeconvolve.html (2012年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2010), ImageDeconvolve, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ImageDeconvolve.html (2012年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2010. "ImageDeconvolve." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2012. https://reference.wolfram.com/language/ref/ImageDeconvolve.html.

APA

Wolfram Language. (2010). ImageDeconvolve. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/ImageDeconvolve.html

BibTeX

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