ParallelSum

ParallelSum[expr,{i,imax}]

を並列評価する.

ParallelSum[expr,{i,imin,imax}]

i=i_(min)から始める.

ParallelSum[expr,{i,imin,imax,di}]

刻み幅 di を使う.

ParallelSum[expr,{i,{i1,i2,}}]

連続する値 i_(1), i_(2), を使う.

ParallelSum[expr,{i,imin,imax},{j,jmin,jmax},]

多重和 を並列評価する.

詳細とオプション

  • ParallelSumSumの並列版で,部分和を異なるカーネルとプロセッサ間に自動的に分配する.
  • ParallelSumは,計算中の副産物を除き,Sumと同じ結果を与える.
  • Parallelize[Sum[expr,iter,]]ParallelSum[expr,iter,]に等しい.
  • ParallelSumのインスタンスが並列化できない場合,そのインスタンスはSumを使って評価される.
  • 次は,使用可能なオプションである.
  • Method Automatic並列化の粒度
    DistributedContexts $DistributedContexts並列計算にシンボルを分配するために使われるコンテキスト
    ProgressReporting $ProgressReporting計算の進捗報告を行うかどうか
  • Methodオプションは使用する並列化の方法を指定する.次は,その可能な設定である.
  • "CoarsestGrained"計算を使用可能なカーネル数まで分割する
    "FinestGrained"計算を可能な最小サブユニットまで分割する
    "EvaluationsPerKernel"->e計算をカーネルごとに最高で e 個まで分割する
    "ItemsPerEvaluation"->m計算をそれぞれ最大 m 個のサブユニットの評価に分割する
    Automaticオーバーヘッドと負荷分散の間で妥協する
  • Method->"CoarsestGrained"は多くのサブユニットを含みそれぞれの時間量が等しい計算に適している.オーバーヘッドは最小になるが負荷分散は提供しない.
  • Method->"FinestGrained"はサブユニット数が少ないがそれぞれの時間が異なる計算に適している.オーバーヘッドは高くなるが負荷分散が最大になる.
  • DistributedContextsオプションは expr 中のどのシンボルの定義を計算前に自動的に使用可能な全カーネルに配布するかを指定する.
  • デフォルト値はDistributedContexts:>$DistributedContexts$DistributedContexts:=$Contextであり,現行コンテキスト内の全シンボルの定義が配布されるが,パッケージからのシンボルの定義は配布されない.
  • ProgressReportingオプションは並列計算の進捗報告をするかどうかを指定する.
  • デフォルト値はProgressReporting:>$ProgressReportingである.

例題

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  (1)

長い計算のときは,進捗状況や計算終了までの推定時間についての情報が表示される:

オプション  (9)

Method  (2)

ランタイムが大きく異なる計算はできるだけきめ細かく並列化しなければならない:

多数の簡単な計算は可能な限り少ないまとまりとして分配されるべきである:

DistributedContexts  (5)

デフォルトで,現行コンテキストの定義は自動的に配布される:

関数の定義を配布しない:

並列計算のすべてのコンテキストのすべての記号の定義を配布する:

指定されたコンテキストの定義だけを配布する:

DistributedContextsオプションの値をデフォルトに戻す:

ProgressReporting  (2)

一時的な進捗報告は表示しない:

たとえ$ProgressReportingのデフォルト設定がFalseでも一時的な進捗報告を表示する:

考えられる問題  (2)

瑣末な項がある総和は連続評価よりも並列評価の方が遅くなることがある:

計算をできるだけ少ない部分に分割することで並列オーバーヘッドを小さくする:

Sumはすべての項を繰り返し足すよりも速い記号メソッドを使うことがある:

Wolfram Research (2008), ParallelSum, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ParallelSum.html (2021年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2008), ParallelSum, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ParallelSum.html (2021年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2008. "ParallelSum." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2021. https://reference.wolfram.com/language/ref/ParallelSum.html.

APA

Wolfram Language. (2008). ParallelSum. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/ParallelSum.html

BibTeX

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