SingularValueList

SingularValueList[m]

行列 m の非零の特異値のリストを与える.

SingularValueList[{m,a}]

a に対する m の一般化された特異値を与える.

SingularValueList[m,k]

m の大きい方から k 次までの特異値を与える.

SingularValueList[{m,a},k]

m の大きい方から k 次までの一般化された特異値を与える.

詳細とオプション

  • 特異値は最大から最小へと並べられる.
  • 繰り返される値は適切な重複度を伴って現れる.
  • デフォルトで,特異値は10-pの100倍より大きいときのみ保たれる.ただし pPrecision[m]である.
  • SingularValueList[m,Tolerance->t]は最大特異値の少なくとも t 倍の特異値のみを保つ.
  • SingularValueList[m,Tolerance->0]はすべての特異値を返す.
  • 行列 m は矩形行列でもよい.特異値の総数は常にMin[Dimensions[m]]である.
  • 厳密行列および記号行列のどちらも使うことができる.許容率はデフォルトで0と仮定される.
  • 特異値はSqrt[Eigenvalues[ConjugateTranspose[m].m]]で得ることができる.

例題

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  (2)

可逆行列の特異値を計算する:

特異行列の非零の特異値を計算する:

行列の階数なので,3つではなく2つしかない:

スコープ  (19)

基本的な用法  (7)

機械精度行列の非零の特異値を求める:

複素行列の特異値:

厳密行列の特異値:

任意精度行列の特異値:

記号行列の特異値:

大きい数値行列の特異値は効率的に計算される:

非正方行列の特異値:

特異値の部分集合  (5)

大きい方から3つの特異値を求める:

小さい方から3つの特異値を求める:

大きい方から4つ(数がそれより少ない場合はできるだけたくさん)の0を含む特異値を求める:

最小の特異値の計算には0という特異値が含まれる:

繰り返される特異値は複数回リストされる:

特異値の部分集合を抽出する際は,繰り返される特異値が別々に数えられる:

一般化された特異値  (3)

一般化された機械精度の特異値:

小さい方から2つの一般化された特異値を求める:

機械精度複素行列の一般化された特異値を求める:

特殊行列  (4)

疎な行列の特異値:

大きい方から3つの特異値を求める:

構造化行列の特異値:

別の構造を使う:

単位は特異値に付く:

IdentityMatrixの特異値は常にすべて1である:

HilbertMatrixの特異値:

オプション  (2)

Tolerance  (2)

最大特異値のより大きい特異値を計算する:

Toleranceに設定すると,同じ特異値群を直接計算できる:

m は16×16のヒルベルト行列である:

この行列は正定値行列であるので,厳密演算で16個の非零の特異値が求まる:

特異値の多くは機械精度では見付からないほど小さい:

許容度を零にするとすべてが求まる:

数値的な丸めのため,値は厳密には計算されない:

アプリケーション  (4)

次の行列 についてTemplateBox[{{m, ., x}}, Norm]/TemplateBox[{x}, Norm]の最大値を求める:

最大値は の最大の特異値に等しい:

MaxValueを使って結果を確認する:

次の行列に についてTemplateBox[{x}, Norm]=1を条件としてTemplateBox[{{m, ., x}}, Norm]の最小値を求める:

行列には少なくとも列と同数の行があるので,最小値は の最小の特異値である:

MinValueを使って結果を確認する:

スペクトルノルムあるいは2ノルムとも呼ばれる行列の作用素ノルムは,TemplateBox[{x}, Norm]=1という制約条件に従うTemplateBox[{{m, ., x}}, Norm]の最大値と定義される.次の の作用素ノルムを求める:

TemplateBox[{{m, ., x}}, Norm]の最大値したがってノルムは, の最大の特異値である:

Normを使って結果を確認する:

の特異値を使って,そのノルム,TemplateBox[{m}, Inverse]のノルム,行列の 条件数を計算する:

の特異値を求める:

行列の2ノルムは最大特異値に等しい:

逆行列の2ノルムは最小特異値の逆数に等しい:

Normを使って確認する:

条件数はTemplateBox[{m, 2}, Norm2] TemplateBox[{TemplateBox[{m}, Inverse, SyntaxForm -> SuperscriptBox], 2}, Norm2]であり,最大特異値と最小特異値の比に等しい:

特性と関係  (11)

の非零の特異値は m.TemplateBox[{m}, ConjugateTranspose]の非零の固有値の平方根である:

同様に,TemplateBox[{m}, ConjugateTranspose].m の非零の固有値の平方根でもある:

の特異値の完全集合は TemplateBox[{m}, ConjugateTranspose].m または TemplateBox[{{m, ., m}}, ConjugateTranspose]の固有値の平方根である:

より小さい方,この場合は TemplateBox[{m}, ConjugateTranspose].m,の正方行列を生み出す積を使うべきである:

大きい正方行列を生成する順序には余分なゼロがある:

mConjugateTranspose[m]は同じ特異値を持つ:

正方行列 m の特異値の積はAbs[Det[m]]に等しい:

正規行列 n については,特異値はAbs[Eigenvalues[n]]に等しい:

MatrixRank[m]は非零の特異値の数に等しい:

TemplateBox[{m}, Inverse]の特異値は逆順の の特異値の逆数である:

m の部分行列 s について,m の最大特異値は s の特異値以上である:

から への一般化された特異値は,TemplateBox[{m}, ConjugateTranspose].m から TemplateBox[{a}, ConjugateTranspose].a への一般化された固有値の根に等しくなる:

これらは通常の特異値とは異なり,TemplateBox[{{m, ., m}}, ConjugateTranspose]から TemplateBox[{{a, ., a}}, ConjugateTranspose]への一般化された特異値とは関係ない:

独立した列を持つ についての の最大特異値はmax_(TemplateBox[{x}, Norm]=1)TemplateBox[{{m, ., x}}, Norm]/TemplateBox[{{a, ., x}}, Norm]である:

最大値 を与える入力を呼び出す:

2番目の特異値は,に対して -直交であるという制約のある比の最大値である:

続く各特異値は, がそれ以前のすべての入力に対して -直交であることを要求することで求まる:

についての一般化された特異値は TemplateBox[{m}, ConjugateTranspose]TemplateBox[{a}, ConjugateTranspose]についての特異値とは異なる:

考えられる問題  (1)

s は大規模疎行列である:

すべての特異値の計算に密な線形代数を使うが,これは非常に大きくなることがある:

数個の特異値のみの計算には一般にあまり時間はかからない:

Wolfram Research (2003), SingularValueList, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SingularValueList.html (2015年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2003), SingularValueList, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SingularValueList.html (2015年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2003. "SingularValueList." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2015. https://reference.wolfram.com/language/ref/SingularValueList.html.

APA

Wolfram Language. (2003). SingularValueList. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/SingularValueList.html

BibTeX

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BibLaTeX

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