FullSimplify

FullSimplify[expr]

初等関数と特殊関数を含む式 expr に多種の変換法を試し,得られた中で最も簡約された形を返す.

FullSimplify[expr,assum]

仮定を使用して簡約する.

詳細とオプション

  • FullSimplifyは,少なくともSimplifyの返す形と同じ程度に簡約できるが,時間が長くかかることもある.
  • FullSimplifyは,RootReduceを使いRootオブジェクトを含む式を処理する.
  • FullSimplifyは,ほとんどの特殊関数に対し変換操作を行う.
  • ForAll[vars,axioms]の形式の仮定では,FullSimplifyは記号関数を含む式および方程式を簡約することができる. »
  • Assumingを用いてFullSimplifyのデフォルトの仮定を指定することができる.
  • 指定可能なオプション
  • Assumptions $Assumptionsassum に付加するデフォルトの仮定
    ComplexityFunction Automatic生成された式それぞれについて,その複雑さを評価する方法
    ExcludedForms {}変換したくない部分式の形を指定するパターン
    TimeConstraint Infinity1回の変換処理の制限時間(単位:秒)
    TransformationFunctions Automatic式の変換に試みる関数
    Trig True代数的変形に加え三角関数の性質を用いて変換するかどうか
  • 仮定には,方程式,不等式,xIntegersのような領域指定,これらの論理結合を使うことができる.
  • TimeConstraint->{tloc,ttot}と設定すると,最高の結果が返されるまでに,任意の特定の変換に最大 tloc秒が,すべての変換に最大 ttot 秒が使われる.

例題

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  (3)

特殊関数を含む式を簡約する:

仮定を使って簡約する:

結合性の仮定から簡単な定理を証明する:

スコープ  (8)

多項式を簡約する:

双曲線の式を指数の形に簡約する:

指数の式を三角法の形に簡約する:

代数的数を簡約する:

超越数を簡約する:

特殊関数を含む式を簡約する:

仮定を使って式を簡約する:

公理体系に基づいて定理を証明する:

変数として任意の式を用いることができる:

公理において数量化されていない変数は定数として扱われる:

左単位元と左逆元の存在を仮定して,右逆元の存在を証明する:

オプション  (6)

Assumptions  (1)

Assumptionsは,引数としてもオプション値としても与えることができる:

Assumptionsオプションのデフォルト値は$Assumptionsである:

仮定が引数として与えられた場合,$Assumptionsもまた使われる:

仮定をオプションの値として指定することで,FullSimplify$Assumptionsを使うのを防ぐことができる:

ComplexityFunction  (1)

デフォルトで,この式は簡約されない:

複雑性の関数は,ChebyshevTを他の関数よりももっと高価にする:

ExcludedForms  (1)

これはArg[x]によって結果を返す:

これはLog[x]が変換されないように指定する:

TimeConstraint  (1)

これは,三角関数の展開のために非常に時間がかかる:

最も時間のかかる変換は,簡約を行う変換ではない:

変換を100ミリ秒に制限すると簡約は行われない:

TransformationFunctions  (1)

デフォルトで,FullSimplifyReduceを使わない:

こうすると,FullSimplifyが実領域で x についてReduceを使うようになる:

Trig  (1)

デフォルトで,FullSimplifyは三角恒等式を使う:

Trig->Falseとすると,FullSimplify三角恒等式を使わない:

アプリケーション  (6)

解が方程式を満足することを証明する:

Modを含む式を簡約する:

結合性,左中立元,左逆元を持つ操作gが群を定義することを証明する:

ブール代数についてWolframの最小公理により交換性を証明する:

不動点結合子が存在することを証明する:

交わり()と結び()に関する定理を証明する:

特性と関係  (7)

出力は一般に入力に等しい:

FullSimplifySimplifyより幅広い範囲の変換を使う:

FullSimplifyExpandを含むいくつかの展開変換を使う:

TrigExpand

PiecewiseExpand

FunctionExpand

LogicalExpand

PowerExpandは入力について特別の仮定を行い,FullSimplifyには使われない:

ComplexExpandは変数が実数であると仮定し,やはりFullSimplifyでは使われない:

FullSimplifyFactorを含むいくつかの因数分解による変換を使う:

FactorSquareFree

TrigFactor

代数的数については,RootReduceToRadicalsが使われる:

有理関数については,TogetherApartが使われる:

考えられる問題  (3)

FullSimplifyが使う変換の中には一般的に正しいだけのものもある:

特異値の式の簡約の結果は不確かである:

この結果は自動評価によるものである:

簡約の結果は記号名に依存することがある:

おもしろい例題  (1)

FullSimplifyはフェルマ(Fermat)の最終定理を知っている:

Wolfram Research (1996), FullSimplify, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/FullSimplify.html (2014年に更新).

テキスト

Wolfram Research (1996), FullSimplify, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/FullSimplify.html (2014年に更新).

CMS

Wolfram Language. 1996. "FullSimplify." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2014. https://reference.wolfram.com/language/ref/FullSimplify.html.

APA

Wolfram Language. (1996). FullSimplify. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/FullSimplify.html

BibTeX

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BibLaTeX

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