GeoPosition

GeoPosition[{lat,lon}]

緯度 lat で経度が lon の測地位置を表す.

GeoPosition[{lat,lon,h}]

高度が準拠楕円体と相対的に h である測地位置を表す.

GeoPosition[{lat,lon,h},datum]

指定のデータを参照する測地位置を表す.

GeoPosition[{{lat1,lon1},{lat2,lon2},},datum]

測地位置の配列を表す.

GeoPosition[entity]

指定された地理実体の測地位置を表す.

詳細

  • GeoPosition[{lat,lon}]における緯度と経度の値は,十進法表記の度数,DMS文字列,あるいはQuantity角として与えることができる.
  • GeoPosition[{lat,lon,h}]における高さ h は,メートル単位の数値オブジェクトとして,あるいはQuantity長として与えることができる.
  • GeoPosition[{lat,lon,h}]における高さ h は,準拠楕円体に対して測られた地理的高さである.
  • GeoPosition[{lat,lon,h,t}]は,数値オブジェクトとして,あるいはDateObject指定として与えられる時点 t を含む.数値 t は,1900年1月1日から秒単位で測られたGMT時を表す.
  • 有効な緯度角の範囲は度から90度までである.経度角の範囲は伝統的に度から180度までで制限がなく,モジュロ360度と解釈される.
  • 明示的な高さがないGeoPositionオブジェクトは,準拠楕円体に対して高さが0であるとみなされる.明示的な時点がないGeoPositionオブジェクトは現行の日付であるとみなされる.
  • GeoPosition[{lat,lon}]は,デフォルトデータ"ITRF00"を仮定する.
  • 標準データは名前で指定することができる.以下は典型的な名前付きデータである.
  • "ITRF00"ITRF (international Terrestrial Reference Frame) 2000
    "NAD27"1927年の北米測地系(North American Datum)
    "NAD83CORS96"1983年の北米測地系(CORS96)
  • 名前付きデータと準拠楕円体の完全リストはGeodesyData[]で得ることができる.
  • GeoPosition[GeoPosition[{lat,lon},datum1],datum2]はデータ間の変換を行う.
  • GeoPosition[pos,datum]は任意のタイプの地理的位置から変換する.使用できる座標タイプにはGeoPositionGeoPositionXYZGeoPositionENUGeoGridPositionがある.
  • GeoPosition[pos]pos と同じデータを保存しつつ,任意のタイプの地理的位置から変換する.
  • GeoPositionは,GeoPosition[coords,body]を使って地球以外のボディ上の測地位置を表すことができる.ただし,body は領域"Planet""MinorPlanet"あるいは"PlanetaryMoon"Entityオブジェクトである.
  • エグジフ位置情報のある image については,GeoPosition[image]はその情報をGeoPositionオブジェクトとして返す.
  • 拡張された実体については,GeoPosition[entity]は,可能な場合は実体の地理的中心の位置を使う.
  • GeoPosition[][prop]は地理的位置の指定された特性を与える.
  • 次は,使用可能な特性である.
  • "AbsoluteTime"1900年1月1日(グリニッジ標準時)からの秒数としての日付
    "Count"GeoPositionオブジェクト内の場所の数
    "Data"GeoPositionオブジェクトの第1引数
    "DateList"グリニッジ標準時による日付リスト{y,m,d,h,m,s}
    "DateObject"完全な日付オブジェクト
    "Datum"GeoPositionオブジェクトの測地系
    "Depth"点の深さ:単一の位置については0,位置のリストについては1
    "Dimension"各位置の座標数
    "Elevation"楕円体に対する数値による標高(単位:メートル)
    "Latitude"数値による緯度(単位:度)
    "LatitudeLongitude"数値ペア{lat,lon}(単位:度)
    "Longitude"数値による経度(単位:度)
    "LongitudeLatitude"数値ペア{lon,lat}(単位:度)
    "PackingType"データがパックされている場合はIntegerまたはReal.それ以外の場合はNone

例題

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  (4)

デフォルトの基準座標系における測地位置:

ある都市の地理的位置:

高さと時刻の情報を含む,国際宇宙ステーションの現在の位置:

ITRF00基本座標系を厳密に参照する位置:

位置をNAD 83 (CORS96)座標に変換する:

直交地心座標に変換する:

測地格子に変換し直す:

ITRF00に変換し直す:

スコープ  (17)

位置指定  (9)

緯度と経度の値をそれぞれ度で同定された地理位置:

高さをメートルで指定する:

1900年からの時間も秒を単位として指定する:

地理的実体の平均的位置を与える:

Quantityオブジェクトとして与えられた角度は,度による数値角度に変換される:

高さと日付もまた,それぞれメートルと秒に正準化される:

DMS数列としての入力角:

DMS文字列形式でGeoPositionオブジェクトを書く:

高さの情報がないGeoPositionオブジェクトは,測地高が0であるとみなされる:

時点の情報がないGeoPositionオブジェクトは,現行の日付であるとみなされる:

画像からエグジフ位置情報を抽出する:

それ自身のデータを指定する地理位置:

別のデータに変換する:

もとのデータに変換する:

データが変わると高さも変更されるが時点は変更されない:

名前付きの場所:

以下は,GeomagneticModelDataによる磁極の現在位置である:

地理位置の配列  (4)

計算を速くするために,点の配列を第1引数として使う:

すべての点が一度に変換される:

以下では各点が個別に変換される:

結果は数値誤差まで一致する:

データの変更もまた,点の配列を第1引数として使うと速くできる:

GeoPositionは点のネストしたリストを含むことができるが,すべての点の長さと深さが同じでなければならない:

操作を加えてもネスト構造は保存される:

しかし,最初の点の高さは指定されているが2番目は指定されていないので,これは許されない:

次は,2番目の点が最初の点よりも深いので許されない:

地理位置のリストを単一の地理位置配列に変換する:

地理位置のリストに変換し戻す:

座標の抽出  (4)

DateValueを使って日付情報を抽出する:

GeoPosition中の数値による時刻はGMT時刻として解釈される.現在時刻に変換する:

年を整数として抽出する:

GeoPositionオブジェクトから座標を抽出する:

緯度,経度,あるいは両方をQuantity角度として抽出する:

GeoPositionオブジェクトから特性を使って情報を抽出する:

特性を使ってGeoPosition配列から情報を抽出する:

点は200個ある:

これは点の行列なので,点の深さは2である:

各点の次元は2(緯度と経度を表す)である:

RandomGeoPositionReal型のパックアレーを含むGeoPositionオブジェクトを返す:

その他の任意の特性は,配列中の点に対応する値の配列を返す:

一般化と拡張  (3)

半径100kmの球上の位置を使う:

3Dベクトルに変換する:

ベクトル成分はメートル単位で与えられる:

球上のGeoPositionオブジェクトに変換し直す:

指定された半軸の楕円体上の位置を使う:

3Dベクトルに変換する:

楕円体上のGeoPositionオブジェクトに変換し直す:

地球以外の測地基準モデル上の位置:

ティコ・ブラーエクレーターから火星の南極までの距離:

計算は,これらの半軸の長さの楕円体を使って行われる:

アプリケーション  (3)

GeoPositionは,Wolfram言語で地球上の点状の位置を表す主オブジェクトである:

2点間の距離を計算する:

p から q までの初期測地方位を計算する:

両者間の測地線とそれぞれのジオサークルを描画する:

p から始まる測地線の終点が,実際に点 q であることを確かめる:

EntityValueによって返される地理位置は,GeoPositionオブジェクトとして与えられる:

高さと時の情報を含むこともできる:

地理多角形の座標は,GeoPositionの頭部の中にある:

多角形,あるいはその境界を描く:

特性と関係  (7)

地理位置を,測地的高さが0であると仮定して,データの基準フレームに対する三次元の直行ベクトルに変換する:

GeoPosition指定に変換し直す.高さの値の若干の残差がある:

以下の半軸を持つ楕円体について,測地座標を直交座標に変換する:

測地緯度60°,経度0,測地高0.15の点 p を取る:

これを直交座標に変換する:

測地座標に変換し直す:

同じ緯度同じ経度で高さが0の点 q を取る:

楕円体を垂直に割ったものの上で座標の関係を表す:

青い線は q における接線に垂直で, 軸と60°の角度をなす:

高度角に沿った p の測地高は pq の距離である:

さまざまな地理投影法をそのデフォルトパラメータで使って,測地位置を投影する:

GeoPosition指定に変換し直す:

GeoPositionオブジェクトの対蹠点は別のGeoPositionオブジェクトである:

GeoPosition[{}]は地理位置の空配列を表す:

場所の数は0である:

GeoPosition[]は無効な構文である:

Graphicsプリミティブ内のGeoPositionは,{lat,lon}の表記で座標をマークする:

GeoPosition座標を含むGraphicsプリミティブは,投影地図内で,直線の線分によって形作られる:

考えられる問題  (2)

Degreeは,他の任意の数式であるとみなされる:

Quantityを使って角がラジアンで与えられていることを示す:

Wolfram言語のバージョン10より,数値による時間は年ではなく秒として解釈されるようになった:

おもしろい例題  (1)

エグジフ位置情報のある画像のリストを取る:

それぞれの相対位置を抽出する:

地図の上に点を描き,ツールチップを使ってそれぞれの画像を示す:

Wolfram Research (2008), GeoPosition, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/GeoPosition.html (2019年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2008), GeoPosition, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/GeoPosition.html (2019年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2008. "GeoPosition." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2019. https://reference.wolfram.com/language/ref/GeoPosition.html.

APA

Wolfram Language. (2008). GeoPosition. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/GeoPosition.html

BibTeX

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BibLaTeX

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