GreaterEqual
詳細
- GreaterEqualは,弱不等式あるいは非厳密な不等式としても知られている.
- x≥y は,x >= y または x \[GreaterEqual]y と書いてもよい.
- GreaterEqualは,引数が実数のときにTrueまたはFalseを与える.
- GreaterEqualは,引数が数でなければ簡約化を行う.
- 厳密な数に対してGreaterEqualは,数値的に順序付けを行うため内部で数値近似を行う.このため,大域変数$MaxExtraPrecisionの設定を変えると並び順が変わる可能性がある.
- StandardFormにおいて,GreaterEqualは≥と表示される.
- x≥y の代りに x⩾y を使っても同じである.後者は,x >/ y または x \[GreaterSlantEqual]y とタイプして入力できる.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (9)
数値不等式 (7)
最高で二進数の最後の8桁しか違わない近似数は等しいとみなされる:
2つの厳密な数式を比較する.数値テストはこの不等式の証明には十分かもしれない:
GreaterEqualが使う記号・数値メソッドはこの不等式の証明には不十分である:
RootReduceを使って代数的数の符号を判断する:
GreaterEqualが使う数値メソッドはこの不等式が成り立たないことを証明するのに十分な精度ではない:
RootReduceは厳密なメソッドを使って不等式が成り立たないことを証明する:
$MaxExtraPrecisionの値を大きくすることでこの不等式が成り立たないことを証明できるかもしれない:
記号不等式 (2)
x が実数ではないかもしれないので,記号不等式は未評価で残される:
Refineを使って x が実数だと仮定し,この不等式を再評価する:
Reduceを使って解集合の明示的な記述を求める:
FindInstanceを使って解の例を求める:
Minimizeを使って不等式で定義された範囲で最適化する:
Refineを使って不等式で定義された仮定の下で簡約する:
特性と関係 (12)
2引数のGreaterEqualの否定はLessである:
3引数のGreaterEqualの否定は自動的には簡約されない:
LogicalExpandを使って2引数のLessについて否定を表現する:
これは3引数のLessと等価ではない:
GreaterEqualが不等式を判定できないとき,不等式は未評価で返される:
FullSimplifyは厳密な記号変換を使って不等式を証明する:
NonNegative[x]は と等価である:
Reduceを使って不等式を解く:
FindInstanceを使って解の例を求める:
RegionPlotとRegionPlot3Dを使って不等式の解集合を可視化する:
MinimizeとMaximizeを使って不等式によって制約された最適化問題を解く:
考えられる問題 (3)
自動精度追跡機能のお陰で,GreaterEqualは最初の10桁だけを見ればよいと知っている:
この場合の余分桁はGreaterEqualに無視される:
テキスト
Wolfram Research (1988), GreaterEqual, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/GreaterEqual.html (1996年に更新).
CMS
Wolfram Language. 1988. "GreaterEqual." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 1996. https://reference.wolfram.com/language/ref/GreaterEqual.html.
APA
Wolfram Language. (1988). GreaterEqual. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/GreaterEqual.html