LocationTest

LocationTest[data]

data の平均または中央値が0かどうかの検定を行う.

LocationTest[{data1,data2}]

data1data2の平均または中央値が等しいかどうかの検定を行う.

LocationTest[dspec,μ0]

μ0に対する位置測定の検定を行う.

LocationTest[dspec,μ0,"property"]

"property"の値を返す.

詳細とオプション

  • LocationTestは,真の母集団の位置母数がある値 であるという帰無仮説 であるという対立仮説 で,data について仮説検定を行う.
  • data1data2を仮定し,LocationTest という という に対する検定を行う.
  • デフォルトで,確率値すなわち 値が返される.
  • 値が小さければ が真である可能性は低い.
  • dspec 中のデータは一変量{x1,x2,}あるいは多変量{{x1,y1,},{x2,y2,},}である.
  • 引数 μ0は,実数でも,長さがデータの次元に等しい実ベクトルでもよい.
  • LocationTest[dspec]dspec に適用可能な中で最も強力な検定を選ぶ.
  • LocationTest[dspec,Automatic]に等しい.
  • LocationTest[dspec,μ0,All]dspec に適用可能なすべての検定を選ぶ.
  • LocationTest[dspec,μ0,"test"]"test"に従って 値をレポートする.
  • 平均に基づく検定は dspec 中のデータが正規分布に従うと仮定する.検定によってはデータが共通の中央値について対称であると仮定するものもある.正規性や対称性を仮定しない検定は強力なものとして分類される.
  • ペアになったサンプル検定は長さが等しい従属データを仮定する.
  • 使用可能な検定
  • "PairedT"正規性分散が未知である,ペアになったサンプル検定
    "PairedZ"正規性分散が既知である,ペアになったサンプル検定
    "Sign"ロバスト1つのサンプルあるいはマッチするペアの中央値検定
    "SignedRank"対称性1つのサンプルあるいはマッチするペアの中央値検定
    "T"正規性1つあるいは2つのサンプルの平均検定
    "MannWhitney"対称性2つの独立したサンプルの中央値検定
    "Z"正規性分散が既知の平均検定
  • "T"検定は一変量データについてはスチューデント 検定を,多変量データについてはHotellingの 検定を行う.
  • "Z"検定は,一変量データについてはサンプルの分散が既知であると仮定して 検定を,多変量データについてはサンプルの共分散が既知であると仮定してHotellingの検定を行う.
  • "PairedT"検定と"PairedZ"検定は2つのデータ集合のペアになった差分について"T"検定と"Z"検定を行う.
  • LocationTest[dspec,μ0,"property"]は,HypothesisTestDataオブジェクト htd を返す.htd["property"]を使うと追加的な検定結果と特性が抽出できる.
  • LocationTest[dspec,μ0,"property"]"property"の値を直接与えるために使うことができる.
  • 検定結果のレポートに関連する特性
  • "AllTests"適用可能な検定すべてのリスト
    "AutomaticTest"Automaticが使われた場合に選ばれる検定
    "DegreesOfFreedom"検定で使われる自由度
    "PValue" 値のリスト
    "PValueTable" 値のフォーマットされた表
    "ShortTestConclusion"検定結果の短い説明
    "TestConclusion"検定結果の説明
    "TestData"検定統計と 値のペアのリスト
    "TestDataTable"検定統計と 値のフォーマットされた表
    "TestStatistic"検定統計のリスト
    "TestStatisticTable"検定統計のフォーマットされた表
  • 使用可能なオプション
  • AlternativeHypothesis "Unequal"対立仮説のための不等式
    MaxIterations Automatic多変量中央値検定のための最高反復回数
    Method Automatic 値の計算に使うメソッド
    SignificanceLevel 0.05診断とレポートのための切捨て
    VerifyTestAssumptions Automaticどの仮定を検証するか
  • 位置検定の場合, のときにのみ棄却されるような切捨て が選ばれる."TestConclusion"特性と"ShortTestConclusion"特性に使われる の値はSignificanceLevelオプションで制御される.この値 はまた,正規性,等分散性,対称性の検定を含む仮定の診断検定にも使われる.デフォルトで 0.05に設定される.
  • LocationTestにおけるVerifyTestAssumptionsの名前付き設定
  • "EqualVariance"data1data2 が等分散を持つことを検証する
    "Normality"すべてのデータが正規分布に従うことを検証する
    "Symmetry"共通の中央値について対称であることを検証する

例題

すべて開くすべて閉じる

  (3)

さまざまな検定を使って母集団の平均または中央値が0かどうかの検定を行う:

2つの母集団の平均の違いが2であるかどうかの検定を行う:

平均の差

0.05レベルでは,は2と著しく異なる:

多変量母集団の位置を比べる:

平均差ベクトル

0.05レベルでは,{1,2}とはそれほど大きくは異ならない:

スコープ  (17)

検定  (13)

を検定する:

平均が0に近い場合, 値は通常大きい:

平均が0から離れている場合, 値は通常小さい:

Automaticを使うことは,ゼロの平均について検定することと同じである:

を検定する:

平均が μ0に近い場合, 値は通常大きい:

位置が μ0から離れている場合, 値は通常小さい:

多変量母集団の平均ベクトルがゼロベクトルであるかどうかを検定する:

{0.1,0,-0.05,0}についても検定する:

Automaticを使うと,一般に最も強力な検定で適切なものが適用される:

特性"AutomaticTest"はどの検定が選ばれたのかを見極めるために使う:

の検定を行う:

位置が等しくない場合, 値は通常小さい:

位置が等しい場合, 値は通常大きい:

の検定を行う:

データ集合の順序が検定結果に影響する:

2つの多変量母集団の平均差ベクトルがゼロベクトルであるかどうかの検定を行う:

{1,0,-1,0}についても検定を行う:

等しい位置について特定の検定を行う:

任意数の検定を同時に行うことができる:

データに適切な検定をすべて同時に行う:

特性"AllTests"を使ってどの検定が使われたかを見極める:

繰り返し特性を抽出するためにHypothesisTestDataオブジェクトを作成する:

抽出に使用できる特性:

HypothesisTestDataオブジェクトから特性を抽出する:

型の検定からの 値と検定統計:

任意数の特性を同時に抽出する:

マン・ホイットニー(MannWhitney)検定からの 値と検定統計:

レポート  (4)

いくつかの検定の結果を表にする:

すべての適切な検定結果の完全な表:

選択した検定の結果表:

カスタマイズしたレポート用に検定表から項目を取り出す:

値が0.05より大きいので,このレベルでは を退けるだけの十分な証拠はない:

検定あるいは検定グループの 値を表にする:

表の 値:

すべての適切な検定の 値の表:

検定の一部からの 値の表:

検定あるいは検定グループからの検定統計をレポートする:

表からの検定統計:

すべての適切な検定からの検定統計の表:

オプション  (20)

AlternativeHypothesis  (3)

デフォルトで両側検定が行われる:

を検定する:

両側検定を行う.あるいは片側検定を代りに行う:

を検定する:

を検定する:

を検定する:

μ0が与えられている場合に,片側検定を代りに行う:

を検定する:

を検定する:

MaxIterations  (1)

多変量の中央値に基づく検定に対して使う最大反復数を設定する:

Method  (6)

デフォルトでは,漸近的な検定統計分布を使って 値が計算される:

一変量の中央値に基づく検定については, 値は置換法を使って求めることができる:

使用する置換数を設定する:

デフォルトでのランダム置換が使われる:

検定によっては,置換結果は厳密である:

厳密な検定が使われる場合,結果は置換数に影響されない:

平均に基づく検定については, 値は検定の仮定において厳密である:

ランダム置換を生成するのに使われるシードを設定する:

SignificanceLevel  (3)

診断検定の有意水準を設定する:

デフォルトで0.05が使われる:

有意水準を設定することによって自動的にどの検定が選ばれるかが変わることがある:

中央値に基づく検定がデフォルトでは選ばれたはずである:

有意水準は"TestConclusion""ShortTestConclusion"にも使われる:

VerifyTestAssumptions  (7)

デフォルトで適切な場合には,正規性と等分散性について検定が行われる:

仮定がチェックされない場合,検定結果が異なる検定があることもある:

診断は,AllNoneを使ってまとめて制御することができる:

すべての仮定を検証する:

どの仮定もチェックしない:

診断は個々に制御することができる:

正規性と対称性を仮定し,等分散性についてチェックする:

正規性についてのみチェックする:

リストされていない仮定は検定されない:

正規性が仮定される:

結果は同じであるが,警告メッセージが出される:

検定の仮定値は明示的に設定することができる:

データが標準分布に従っていなかったため,上記では符号検定が選ばれた:

診断検定を使わないと,計算時間が短縮できる:

シミュレーションを行う場合は,診断検定を行わないようにすると有益であることが多い:

検定の仮定は意図的に有効になっているので,時間が大幅に短縮できる:

結果は全く同じである:

アプリケーション  (4)

母集団の位置が等しいかどうかについての検定を行う:

最初の2つの母集団は似た位置を持つ:

3つ目の母集団は1つ目と位置が異なる:

何匹かの飼い猫について心臓と身体の重さのデータを得た:

オス猫の心臓の重さは,メス猫のものよりもかなり大きい:

オス猫は全体として大きいのかもしれない:

心臓と身体の重さの比率は,性別であまり変わらない:

100枚の偽スイス紙幣と100枚の本物の紙幣についてそれぞれ6種類の寸法が取られた:

偽札と本物の紙幣についての2つの寸法のプロット:

二変量中央値ベクトルの検定は,有意的な違いを示す:

10個のランダムに選ばれた場所において池からサンプルが取られた.各サンプルについて水の表面と池の底での亜鉛の濃度を検定した:

データの視覚的な検査.垂直の棒と棒の間の距離は,依存の仮定と独立の仮定で検定を行った数量を示す:

データがペアであると仮定すると,独立の仮定において存在しない有意な結果が返される:

研究室での検定が,亜鉛の濃度が深くなるにつれて大きくなる勾配を形成すると仮定する.この情報は片側検定の使用を正当化する:

特性と関係  (9)

値は偽陽性判定(タイプIエラー)の期待される割合を示している:

検定サイズを0.05に設定すると5%の時間でを誤って棄却する結果になる:

タイプIIエラーは が偽であるのに棄却されなかった場合に起る:

検定サイズを大きくするとタイプII エラーの割合が下がる:

各検定のパワーは が偽である場合にこれを棄却する確率である:

6つの異なるレベルでの検定パワー.符号検定が6つの中で一般に最もパワーが劣る:

検定パワーはサンプル数が減るにつれて落ちる:

この場合の検定パワーは前の例より劣る:

従属サンプルの場合,ペアになった検定はそうではないものよりもパワーがある:

ペアになった検定は一方のデータ集合の観測はもう一方のデータ集合の観測に対応するとみなす:

ペアになった 検定は,2つのデータ集合の点別の差に適用された 検定に等しい:

ペアになった検定は単一のデータ集合で与えられた場合はデータが差を表しているとみなす:

両側 値は2つの片側 値の小さい方の2倍である:

LocationTestは,入力がTimeSeriesのときにのみ値に使うことができる:

LocationTestは,入力がTemporalDataのときは,すべての値に使うことができる:

すべての値のみの検定を行う:

2つの経路の平均あるいは中央値が等しいかどうかの検定を行う:

考えられる問題  (3)

型の検定を使うと,未知の分散と共分散がデータから推定される:

大きいサンプルについては,推定は結果にほとんど影響しない:

小さいサンプルでは,推定を説明するために 型の検定を使うべきである:

データが正規分布に従わない場合には,中央値に基づく検定を使うべきである:

中央値に基づく検定は,正規性を仮定しない:

有意水準を変更すると,内部診断に影響を与える:

自由度は分散の検定に影響される:

値は等しくない:

おもしろい例題  (2)

3つの対立仮説について検定の区別する力の視覚的な比較:

帰無仮説 が真であるときの統計量を計算する:

特定の対立仮説による検定統計:

検定統計の分布を比較する:

Wolfram Research (2010), LocationTest, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/LocationTest.html.

テキスト

Wolfram Research (2010), LocationTest, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/LocationTest.html.

CMS

Wolfram Language. 2010. "LocationTest." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/LocationTest.html.

APA

Wolfram Language. (2010). LocationTest. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/LocationTest.html

BibTeX

@misc{reference.wolfram_2024_locationtest, author="Wolfram Research", title="{LocationTest}", year="2010", howpublished="\url{https://reference.wolfram.com/language/ref/LocationTest.html}", note=[Accessed: 22-November-2024 ]}

BibLaTeX

@online{reference.wolfram_2024_locationtest, organization={Wolfram Research}, title={LocationTest}, year={2010}, url={https://reference.wolfram.com/language/ref/LocationTest.html}, note=[Accessed: 22-November-2024 ]}