MatrixRank

MatrixRank[m]

行列 m の階数を与える.

詳細とオプション

  • MatrixRankは数値行列と記号行列の両方に使える.
  • 行列の階数は線形独立の行あるいは列の数である.
  • MatrixRank[m,Modulus->n]n を法とする整数行列の階数を与える.
  • MatrixRank[m,ZeroTest->test]test[m[[i,j]]]を評価して行列の要素がゼロかどうかを決定する.デフォルト設定はZeroTest->Automaticである.
  • MatrixRank[m,Tolerance->t]は,各要素が許容率 t でのみ正しいと仮定される数値行列の最低階数を与える.
  • MatrixRankは疎な配列および構造化配列に使うことができる.

例題

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  (3)

数値行列の線形独立の行の数を求める:

記号行列の線形独立の行の数を求める:

矩形行列の階数を求める:

スコープ  (12)

基本的な用法  (7)

機械精度行列の階数を求める:

複素行列の階数:

厳密な矩形行列の階数:

列よりも行が多い任意精度行列の階数を求める:

記号行列の階数を計算する:

MatrixRankはすべての記号が独立であると仮定する:

大きい機械精度の行列の階数の計算は効率的である:

有限体の元を含む行列の階数を計算する:

特殊行列  (5)

疎な行列の階数:

構造化行列の階数:

IdentityMatrixは常に最大階数である:

HilbertMatrixは常に最大階数である:

次数の一変量多項式の行列の階数を求める:

オプション  (2)

Modulus  (1)

行列の階数は使われる法に依存する:

通常の演算だと m の階数は3で非退化である:

5を法とした演算の場合は,階数が2になる:

Tolerance  (1)

Toleranceの設定値は数値的な悪条件の行列の推定階数に影響する:

厳密な演算だとmは非退化である:

機械演算の場合,デフォルトで小さすぎる要素は零であるとみなされる:

許容率を零とすると小さい項でも考慮されることがある:

中央行の中心よりも許容率が大きい場合,最後の2行は零とみなされる:

アプリケーション  (11)

スパンと線形独立  (5)

次の3つのベクトルは線形独立ではない:

したがって,行がベクトルである行列の階数は2である:

次の3つのベクトルは線形独立である:

したがって,行がベクトルである行列の階数は3である:

次のベクトルが線形独立かどうかを判断する:

ベクトルで形成された行列の階数は4未満であるので,線形独立ではない:

次の行列の列空間の次元を求める:

列のすべての線形組合せの空間次元は行列の階数に等しい:

次のベクトルでスパンされた部分空間の次元を求める:

ベクトルで形成される行列の階数は3なので,これが部分空間の次元である:

方程式の解法と可逆性  (6)

次の方程式系に一意的な解が存在するかどうかを判定する:

方程式を行列形式に書き換える:

係数行列 は最大階数を持つので,系は一意的な解を持つ:

Solveを使って結果を確かめる:

次の行列に逆行列があるかどうかを判定する:

行列の階数が行列次数未満なので,この行列は可逆ではない:

Inverseを使って結果を確かめる:

次の行列が非零の行列式を持つかどうかを判定する:

この行列の階数は最大なので,その行列式は非零でなければならない:

Detを使って結果を確認する:

が最大階数を持たないのなら の固有値である.さらに,行列の固有値が の階数と列数の差より大きい多重性を持つならその行列は不完全である.次の行列 の固有値がであることを示す:

Eigenvaluesを使って結果を確認する:

2が2回現れるが階数の差は1なので行列 は不完全である:

Eigensystemで結果を確認すると,固有ベクトルのリストが0で充填されることで不完全性が示される:

ほとんどの(しかしすべてではない)ランダムな10×10 01行列は非退化である:

ランダムな10×10 01行列の平均階数を推定する:

互いに素である配列の階数を求める:

そのような配列の最初の50個を計算する.最初の3つしか最高の階数を持たない:

階数の成長と行列の次元を可視化する:

特性と関係  (9)

階数・退化次数の定理によって,MatrixRank[m]は列数引く零空間の次元である:

行列の行と列の階数は等しい:

MatrixRank[m]RowReduce[m]の非零の行の数に等しい:

正方行列では,Det[m]!=0のときかつそのときに限って m は最高の階数を持つ:

正方行列では,零空間が空のときかつそのときに限って m は最高の階数を持つ:

正方行列では,m が逆行列を持つときかつそのときに限って m は最高の階数を持つ:

正方行列では,LinearSolve[m,b]が一般的な b についての解を持つときかつそのときに限って m は最高の階数を持つ:

MatrixRank[m]Length[SingularValueList[m]]に等しい:

ベクトルの外積は階数1の行列を持つ:

考えられる問題  (2)

MatrixRankは与えられた行列の精度に依存することがある:

厳密演算で行列の階数を厳密に計算する:

機械演算を使う.機械数はを区別できない:

24桁精度演算を使う:

MatrixRankはすべてのシンボルが独立であると仮定する:

特殊ケース は異なる結果を与える:

Wolfram Research (2003), MatrixRank, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixRank.html (2024年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2003), MatrixRank, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixRank.html (2024年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2003. "MatrixRank." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2024. https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixRank.html.

APA

Wolfram Language. (2003). MatrixRank. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/MatrixRank.html

BibTeX

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BibLaTeX

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