NSum

NSum[f,{i,imin,imax}]

総和 の数値的な近似を与える.

NSum[f,{i,imin,imax,di}]

この総和にステップdi を使用する.

詳細とオプション

  • NSumは,有限および無限の総和に使用することができる.
  • NSum[f,{i,},{j,},]は,多次元総和を評価するのに使用することができる.
  • 以下のオプションを与えることができる.
  • AccuracyGoalInfinity目標とする最終的な確度の桁数
    EvaluationMonitor Nonef が評価されたときに常に評価される式
    Method Automatic使用する方法
    NSumTerms 15外挿に先駆けて使用する項数
    PrecisionGoalAutomatic目標とする最終的な精度の桁数
    VerifyConvergence True収束をあからさまにテストするかどうか
    WorkingPrecision MachinePrecision内部計算に使用する精度
  • Methodオプションの典型的な設定値には以下のようなものがある.
  • "AlternatingSigns"符号を交替させての加数メソッド
    "EulerMaclaurin"オイラー・マクローリン(Euler-Maclaurin)総和法
    "WynnEpsilon"ウィン(Wynn)のイプシロン外挿法
  • オイラー・マクローリン法のオプションAccuracyGoalPrecisionGoalは,最終的な解を獲得する場合に試行する精度と確度の指定に使用することができる.NSumは,その推定誤差により,目標とする精度や確度が達成されたことが暗示されると停止する.
  • 十分に病的であるといえる被総和関数には,NSumに使用されているアルゴリズムが誤った解答を与えることがあり得るということを十分理解しておいてほしい.ほとんどの場合,NSumのオプションの設定に対する敏感さを見ることでこの解答をテストすることができる.
  • VerifyConvergenceは,無限総和に限定して使用される.
  • N[Sum[]] は,記号的には計算できない総和を求める際にはNSumを呼び出す.
  • NSumは,まずすべての変数の値を局所化し,次に記号的となった変数で f を評価し,繰り返して結果を数値的に評価する.
  • NSumは属性HoldAllを持ち,Blockを用いて実質的に変数を局所化する.

例題

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  (1)

無限和を数値的に近似する:

の厳密値に対する誤差:

スコープ  (5)

有限和の値を近似する:

これは実質的に2つの無限和の差分である:

多次元総和を近似する:

第2指標が第1指標に依存する多次元総和を近似する:

複素級数総和:

級数の偶項の総和を求める:

同じ総和を指定する等価の方法:

オプション  (9)

AccuracyGoalとPrecisionGoal  (1)

デフォルトの許容度で総和を近似する:

の厳密値に対する誤差を求める:

より小さい絶対許容度と相対許容度による誤差:

より大きい絶対許容度と相対許容度による誤差:

EvaluationMonitor  (3)

数値総和で使われた評価点の数を求める:

積分法による総和近似で使われた評価点:

外挿法によって近似された総和に使われた評価点:

Method  (1)

非常に精密な総和近似を得るために級数を交替するメソッドを使う:

Sumによって計算された厳密な結果との誤差:

デフォルトのアルゴリズムを使ったときの誤差:

NSumTerms  (1)

デフォルトで,NSumは最後尾を近似する前にまず15項を使う:

20に被総和関数のピークがあるので,この例の誤差は大きい:

NSumTermsを大きくしてこの特性を含むようにすると近似が向上する:

VerifyConvergence  (2)

デフォルトで,被総和関数の収束が証明される:

一般に,収束が証明されなければ総和は速く求まる:

収束を証明せずに形式的な総和を近似する:

これは,形式的な記号計算の結果とほぼ等しい:

WorkingPrecision  (1)

より高い精度を用いて近似を向上させる:

の厳密値に対する誤差を求める:

アプリケーション  (2)

Fibonacci数の逆数の総和を近似する:

誤差の総和を求めることで緩慢に収束する数列の近似極限を求める:

厳密な結果と比較する:

特性と関係  (3)

閉形の総和が得られる場合はNSumの代りにSumを使うことができる:

SumNSumの結果は非常に近い:

LogExpを使って積を推定する:

推定値は厳密な結果と非常に近い:

近似はNProductで直接行うこともできる:

NSumを使って(0,)上の振動積分を計算する:

NIntegrateでも同じ結果が得られる:

考えられる問題  (3)

ウィンの外挿法は交替しない級数では精度が落ちる:

NSumNIntegrateを使うと収束メッセージが出ることがある:

の厳密値と比較すると誤差が大きい:

Methodオプションを使ってNIntegrateの適切なパラメータを大きくすることができる:

誤差がはるかに小さくなる:

の厳密値に対する誤差を求める:

NSumはある種の無限和については発散を感知しないことがある:

収束の検証は1に等しいときには結論の出ない比検定に基づいて行われる:

Wolfram Research (1988), NSum, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/NSum.html (2007年に更新).

テキスト

Wolfram Research (1988), NSum, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/NSum.html (2007年に更新).

CMS

Wolfram Language. 1988. "NSum." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2007. https://reference.wolfram.com/language/ref/NSum.html.

APA

Wolfram Language. (1988). NSum. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/NSum.html

BibTeX

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