PIDTune

PIDTune[sys]

線形時不変系 sys のフィードバックPID制御器を与える.

PIDTune[sys,"carch"]

アーキテクチャ"carch""P""PI""PID"等)の制御器を与える.

PIDTune[sys,{"carch","trule"}]

調整規則"trule"を使って制御器を与える.

PIDTune[sys,,"prop"]

特性"prop"の値を与える.

詳細とオプション

  • PIDTuneは,閉ループ系 csys が外乱 を拒絶し基準 の変化に従うことができるような,PID制御器 gfbを作成する.
  • 理想的なPID制御器は,事実上,比例,積分,微分の各項がある によって制御信号 を計算する.
  • デフォルトで,gfbを表す伝達関数が返される.
  • sys は以下の単一入力単一出力(SISO)の連続時間系のいずれでもよい.
  • TransferFunctionModel[]入出力周波数領域モデル
    StateSpaceModel[]線形制御入力と線形状態
    AffineStateSpaceModel[]線形制御入力と非線形状態
    NonlinearStateSpaceModel[]非線形制御入力と非線形状態
    SystemModel[]一般的な系のモデル
  • AffineStateSpaceModelNonlinearStateSpaceModelSystemModelのような非線形系については,系は保存された動作点の周りで線形化される.
  • PIDTuneはSISOコントローラ設計技術である.PIDTune[sspec,]を使って複数入力複数出力系のSISO部分系が指定できる.
  • 系の指定 sspec は次のキーを持つAssociationである.
  • "InputModel"入力モデル sys
    "FeedbackInput"sys のフィードバック入力
    "MeasuredOutput"sys の測定された出力
  • 次の制御器アーキテクチャ"carch"を使うことができる.
  • "P"比例
    "PI"比例積分
    "PD"比例微分
    "PID"比例積分微分
    "PFD"フィルタされた微分部分がある"PD"
    "PIFD"フィルタされた微分部分がある"PID"
  • デフォルトで,"PI"制御器が選ばれる.
  • 明示的な指定がない限り,系 sys の安定性特性に基づいて,調整規則"trule"が自動的に選ばれる.
  • 使用可能な"trule"規則
  • "AMIGO"近似 制約積分ゲイン最適化
    "AMIGOFrequency"周波数応答からの"AMIGO"
    "ChienHronesReswick"ステップ応答に基づいた規則を使う
    "CohenCoon"割合0.25での振幅減衰のための支配極設置
    "DisturbanceRejection"外乱応答の無限ノルムの最小化
    "ErrorIntegral"誤差 の積分の最小化
    "KappaTau"支配極設置
    "KappaTauFrequency"周波数応答からの支配極設置
    "LambdaTuning"内部モデル制御を使う
    "LoopShaping"厳密な"AMIGO"
    "SkogestadIMC"半規則削減に基づいた内部モード制御を使う
    "TyreusLuyben"周波数応答に基づいた規則を使う
    "ZieglerNichols"ステップ応答に基づいた規則を使う
    "ZieglerNicholsFrequency"周波数応答に基づいた規則を使う
  • PIDTune[sys,,"Data"]SystemsModelControllerDataオブジェクト cd を返す.これを使って cd["prop"]の形で追加的な特性が抽出できる.
  • PIDTune[sys,,"prop"]を使って cd["prop"]の値を直接与えることができる.
  • PIDTuneは,フィードバック制御器 gfbの外乱拒絶機能とは独立に,基準 の追跡を向上させるためにフィードフォワードフィルタgffをオプションで計算することができる.
  • フィードフォワード重み b および c はPID制御器の異なる項に供給される基準信号 の割合に影響を与える.結果の制御器は,事実上 で与えられるが,フィードバック制御器 gfbと組み合されたときに同じ効果を持つような別個のフィードフォワードフィルタ gffとして与えられる.
  • さまざまな伝達関数に関連する特性
  • "Feedback"フィードバック gfb
    "Feedforward"フィードフォワード gff
    "OpenLoop"gfb および lsys の直列接続
    "DisturbanceOutput" から への伝達関数
    "DisturbanceControl" から への伝達関数
    "ReferenceOutput" から への伝達関数
    "ReferenceControl" から への伝達関数
    "SensorOutput" から への伝達関数
    "SensorControl" から への伝達関数
    "ISA" および から への伝達関数
    "ClosedLoop", から への伝達関数
  • 伝達関数のパラメータ化に関連する特性
  • "FeedbackIdealParameters"中の{kp,ti,td}
    "FeedbackSeriesParameters"中の{kps,tis,tds}
    "FeedbackParallelParameters"中の{kpp,kip,kdp}
    "FeedforwardParameters"gff 中の{b,c}
    "DerivativeFilterParameter"gff および gfb中の n 個の制御微分フィルタ
  • 微分フィルタは直接微分 をそのフィルタにかけたもの で置換し,事実上微分とローパスフィルタを直列接続する.
  • sys の調整規則と内部調整モデルに関連する特性
  • "TuningRule"選択された調整規則
    "TuningModel"モデルとパラメータ{"tmodel",{par1,}}
  • 可能な調整モデルとパラメータ
  • {"FOPTD2",{kv,l}}一次プラス時間遅延
    {"FOPTD3",{ks,l,tc}一次プラス時間遅延
    {"Frequency2",{ku,tu}}最終ゲインと最終周期
    {"Frequency3",{ku,tu,ks}最終ゲイン,最終周期,静的ゲイン
    {"SOPTD",{ks,l,tc1,tc2}}二次プラス時間遅延
  • パラメータは静的ゲイン ,速度定数 ,遅延 ,時間定数 ,最終ゲイン ,最終周期 である.
  • 使用可能なオプション
  • PIDFeedforward Nonegffの基準重み
    PIDDerivativeFilter Noneフィルタされた微分
    Method Automatic使用するメソッド
  • Methodの設定で調整モデルを導くパラメータ推定メソッドを制御する.
  • Methodの可能な設定値
  • Automatic推定メソッドを自動的に選択する
    "CharacteristicArea"ステップ応答の指標領域を使う
    "GainMargins"位相交差周波数とゲイン余裕を使う
    "InflectionPoint"ステップ応答の変曲点を使う
    "MethodOfMoments"モーメントをマッチする
    "TwoPointSampling"ステップ応答の28%点および63%点を使う

例題

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  (2)

PI制御器を調整する:

PID制御器:

特定の調整規則を使ってPI制御器を調整する:

スコープ  (17)

基本的な用法  (4)

プラントのPI制御器を状態空間形式で求める:

あるいはプラントのために伝達関数として求める:

制御器のタイプを指定する:

比例:

比例積分:

比例積分と微分:

PIDのフィルターをかけたバージョン:

結果の制御器のパフォーマンスを評価する:

次の基準:

外乱拒絶:

PIDのパラメータをそれぞれの実装技術に適した標準形で得る:

理想形:

直列形:

並列形:

特性  (4)

SystemsModelControllerDataオブジェクトを入手し,そこから特性を抽出する:

特性を直接得る:

特性リストを得る:

計算された制御器,PIDフィードバック制御器.フィードフォワードフィルタを求める:

フィードバック制御器伝達関数とPID制御器:

デフォルトで,フィードフォワードフィルタはない:

基準,過程外乱,センサーノイズから出力への閉ループ伝達関数を得る:

出力伝達関数に対する基準は,基準の変更をたどる能力を測る:

出力伝達関数に対する外乱は,過程の外乱を拒絶する能力を測る:

出力伝達関数に対するセンサーノイズは,測定ノイズを拒絶する能力を測る:

基準,過程外乱,センサーノイズからコントロール出力への伝達関数を求める:

コントロール伝達関数に対する基準は,基準に従うコントロールの努力を測る:

出力伝達関数に対する外乱は,外乱を拒絶するコントロールの努力を測る:

出力伝達関数に対するセンサーノイズは,センサーノイズを拒絶するコントロールの努力を測る:

制御器のアーキテクチャ  (4)

デフォルトで,制御器のアーキテクチャは比例積分制御器である:

制御器のアーキテクチャを指定する:

比例("P")制御器:

比例積分("PI")制御器:

比例微分("PD")制御器:

比例積分微分("PID")制御器:

フィルターをかけた比例微分 ("PFD")制御器:

フィルターをかけた比例積分微分 ("PIFD")制御器:

積分作用を使って,定常状態基準に従う誤差を削除する:

微分作用によって基準応答が速くなることがある:

より速い応答にはよる高度な制御努力が伴う:

調整規則  (5)

調整規則は自動的に決定される:

特性"TuningRule"は使用された調整規則を返す:

指定された lsys"carch"のために自動的に選択された調整規則を得る:

"CohenCoon"調整規則はPDおよびPFDのアーキテクチャを許容する:

"LoopShaping"規則で設計された制御器は,結果としては約1.4の最大感度になる:

開ループ伝達関数のナイキスト線図は半径1/1.4の感度の円の外側になる:

"TyreusLuyben"規則は不安定な系に安定化制御器を与えることがある:

"ZieglerNicholsFrequency"規則もまた系を安定化させることがある:

オプション  (4)

PIDFeedforward  (2)

デフォルトのフィードフォワード伝達関数は1である:

これは,ステップ基準入力への大きいオーバーシュートになることがある:

PIDFeedforwardオプションを使ってトラッキングのパフォーマンスを向上させる:

フィードフォワードフィルタのための基準重みを自動的に計算する:

重み:

フィードフォワードフィルタ伝達関数:

PIDDerivativeFilter  (1)

微分フィルタのパラメータを指定する:

微分フィルタのパラメータを自動的に計算し,その値を得る:

Method  (1)

パラメータ推定法を指定する:

別の推定法を使うと別の制御器が得られる:

アプリケーション  (4)

過程制御  (2)

3つの直列貯水槽がある系で,貯水槽3の水量が一定になるようなPID制御器を求める:

貯水槽1の送り量から貯水槽3の水量までの伝達関数:

この系の水量PDI制御器を計算する:

最初の貯水槽への入力から3番目の貯水槽の水量までの基準応答:

PID制御器はゲイン余裕と位相余裕も向上させる:

等温の連続撹拌槽反応器(CSTR):

希釈率から製品濃度への伝達関数:

製品濃度を制御するPID制御器を計算する:

製品濃度の0.1質量モル/リットルの定点変化のための制御努力:

達成された製品濃度:

反応速度を上げる調整規則を使う:

より速い反応には,増加したピークの制御のための努力が伴う:

電気モーターの制御  (1)

DCモーターの伝達関数モデルは以下の通りである.PID位置制御器を求め,その基準応答と外乱応答のシミュレーションを行う:

参照応答:

ステップ外乱応答.通常は異なる負荷による:

外乱応答と基準応答:

異なる調整規則を使う:

非線形系の制御  (1)

反応 が起る連続撹拌層反応器内での目的は,液体温度 を制御入力として使って温度 に所望の軌道を描かせることである:»

系の非線形モデル:

参照j軌道は1階の系の応答としてモデル化される:

開ループ系は所望の軌道を描かない:

PID制御器を設計し,制御器で非線形系の応答を計算する:

制御器で線形化された系の応答:

応答を比較する:

特性と関係  (2)

具合のよい基準応答を与える調整規則が具合のよい外乱応答を与えるとは限らない:

ステップ応答変化に対する基準応答:

ステップ外乱変化に対する外乱応答:

PI制御器は低周波数での位相遅れを導入する:

PD制御器は高周波数での位相の進みを導入する:

PID制御器は2つの特性を組み合せる:

考えられる問題  (1)

制御器のタイプと調整規則指定には互換性のないものがある:

自動調整規則を使う:

Wolfram Research (2012), PIDTune, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/PIDTune.html (2021年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2012), PIDTune, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/PIDTune.html (2021年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2012. "PIDTune." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2021. https://reference.wolfram.com/language/ref/PIDTune.html.

APA

Wolfram Language. (2012). PIDTune. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/PIDTune.html

BibTeX

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BibLaTeX

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