Sinh
Sinh[z]
z の双曲線正弦を与える.
予備知識
- Sinhは,双曲線正弦関数である.これは,三角法で頻繁に使われる,Sin円関数の双曲線バージョンのようなものである.これは,実数について, の面積が,単位双曲線 と交わる原点からの放射線と 軸との間の面積の2倍になるようにすることで定義される.そうすると,Sinh[α]は交点の垂直座標を表す.Sinhはとしても定義される.ただし, は自然対数Logの底である.
- Sinhは,その引数が有理数の(自然)対数であるときは,自動的に厳密値に評価される.引数として厳密な数式が与えられると,Sinhは任意の数値精度に評価されることがある.Sinhを含む記号式の操作に便利なその他の演算には,TrigToExp,TrigExpand,Simplify,FullSimplifyがある.
- Sinhは要素単位でリストおよび行列に縫い込まれる.対照的に,MatrixFunctionを使って,正方行列の双曲線正弦(つまり,通常のベキが行列のベキで置き換えられた双曲線正弦関数のベキ級数)を与えることができる.
- Sinh[x]は,x がに近付くにつれて指数的に減少し,x がに近付くにつれて指数的に増大する.Sinhは,Sinが満足するような,ピタゴラス(Pythagorean)の恒等式に似た恒等式を満足する.双曲線正弦関数の定義は,恒等式によって,複素引数 にまで拡張される.双曲線余弦関数は完全である.つまり,複素平面の有限なすべての点において複素微分が可能である.Sinh[z]は,原点付近で級数展開を持つ.
- Sinhの逆関数はArcSinhである.関連する数学関数には,CoshおよびCschがある.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (47)
数値評価 (6)
Sinhは複素数を入力として取ることができる:
Sinhを高精度で効率よく評価する:
MatrixFunctionを使って行列のSinh関数を計算することもできる:
IntervalオブジェクトとCenteredIntervalオブジェクトを使って最悪の場合に保証される区間を計算する:
Aroundを使って平均的な場合の統計区間を計算することもできる:
特定の値 (4)
可視化 (3)
関数の特性 (12)
積分 (3)
級数展開 (4)
積分変換 (2)
関数表現 (4)
アプリケーション (8)
特性と関係 (11)
考えられる問題 (5)
$MaxExtraPrecisionの設定値を大きくする必要があるかもしれない:
無限大において存在するベキ級数はない.無限大でSinhは真性特異点を持つ:
TraditionalFormでは引数の前後に丸カッコが必要である:
Wolfram Research (1988), Sinh, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Sinh.html (2021年に更新).
テキスト
Wolfram Research (1988), Sinh, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/Sinh.html (2021年に更新).
CMS
Wolfram Language. 1988. "Sinh." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2021. https://reference.wolfram.com/language/ref/Sinh.html.
APA
Wolfram Language. (1988). Sinh. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/Sinh.html