AstronomicalData

バージョン10で,AstronomicalDataは,PlanetDataStarData等に置き換えられた.

AstronomicalData["name","property"]

指定された名前の天体の指定された特性の値を返す.

AstronomicalData["name",{"property",date}]

特定の日時における特性の値を与える.

詳細

  • AstronomicalDataは,惑星,衛星,星,銀河,人工衛星その他の天体に関するデータである.
  • 天体は,"Jupiter""Sun""Sirius"のようなオブジェクトの一般的な名前や"M42""NGC1704"のようなカタログ番号で指定することができる.
  • AstronomicalData["tag"]は,"tag"で指定された天体の一般的な名前を返す.
  • AstronomicalData[]は,すべての使用可能なオブジェクトのリストを返す.
  • AstronomicalData["Classes"]は,使用可能なオブジェクトクラスのリストを返す.
  • AstronomicalData["Properties"]は,どのクラスのオブジェクトにも使用可能なすべての特性のリストを返す.
  • AstronomicalData[n,]は,太陽系の n 番目の惑星の特性を返す.
  • AstronomicalData["class"]は,指定されたクラスのオブジェクトのリストを返す.
  • 太陽系オブジェクトの主なクラス
  • "Comet"彗星
    "MinorPlanet"小惑星(小遊星等)
    "Planet"太陽系の惑星
    "PlanetaryMoon"自然の太陽系の衛星
  • 星に関する可能なクラス
  • "NakedEyeStar"視等級が6.5以下の星
    "Star"使用可能なすべての星
    "StarBrightest10"地球から見て最も明るい星10個
    "StarBrightest100"地球から見て最も明るい星100個
    "StarNearest10"地球に最も近い星10個
    "StarNearest100"地球に最も近い星100個
  • これらに加え,星には"MainSequenceStar""ClassOStar""ClassAStar"等,および"WhiteDwarf", "Subdwarf""NormalGiant""BrightGiant""Supergiant""WolfRayetStar"のクラスがある.
  • 識別表に基づいたクラスには,"BayerObject""FlamsteedObject""GlieseObject""HDObject""HipparcosObject""HRObject""SAOObject"がある.
  • 遠距離天体の可能なクラス
  • "BrightHIIRegion"明るいHII領域
    "DeepSkyObject"遠距離天体
    "Galaxy"銀河
    "GlobularCluster"球状星団
    "Nebula"星雲
    "OpenCluster"散開星団
    "PlanetaryNebula"惑星状星雲
  • 銀河の追加的クラスには,"SpiralGalaxy""EllipticalGalaxy""BarredSpiralGalaxy""IrregularGalaxy"がある.
  • 識別表に基づいたクラスには,"MessierObject""ICObject""NGCObject"がある.
  • "MilkyWay"に関しては,位置特性は銀河の中央を参照する.
  • AstronomicalData[name,"class"]は,name に対応するオブジェクトが指定クラスにあるかどうかによってTrueまたはFalseを返す.
  • AstronomicalData[name,"Classes"]は,name に対応するオブジェクトが現れるクラスのリストを返す.
  • AstronomicalData[name,"ObjectType"]は,"Planet""PlanetaryMoon""Star""Galaxy"等の name に対応するオブジェクトの基本タイプを返す.
  • すべてのオブジェクトについてサポートされている位置と座標の特性
  • "Declination"現行偏角 (度)
    "Distance"地球からの現行距離 ()
    "DistanceLightYears"地球からの現行距離(光年)
    "Position"日心座標における位置 ()
    "PositionLightYears"日心FK5座標における位置(光年)
    "RightAscension"現在の赤経 (時間)
  • 特別な注がない限り,数量はすべてSI単位である.
  • 太陽系のオブジェクトにのみ適用可能な特性もある.
  • 位置は使用される日付の昼夜平分時におけるFK5日心座標で与えられる.
  • 時変特性については,現行時間から遠ざかるにつれて結果の精度が低下する.
  • AstronomicalData["name",{"prop",date}]は現行のデフォルト時刻帯における特定の日時における特性を与える.日付はDateListでサポートされている任意の形式で指定することができる.
  • オプションTimeZone->z は入出力の両方について仮定する時刻帯を指定する.
  • TimeZoneのデフォルトの設定値は$TimeZoneである.
  • 次の特性は,地球上の特定の位置の上空にあるオブジェクトの位置情報を与える.
  • "Altitude"上空の高さ(度)
    "Azimuth"空中の方位角(度)
    "LastRiseTime"オブジェクトが昇った最後の時刻
    "LastSetTime"オブジェクトが沈んだ最後の時刻
    "NextRiseTime"オブジェクトが次に昇る時刻
    "NextSetTime"オブジェクトが沈む次の時刻
  • 地球上で仮定するデフォルトの位置は$GeoLocationの値で与えられる.
  • 大気屈折と光差の遅れについての修正は含まれていない.
  • AstronomicalData["name",{"prop",date,{lat,long}}]は,東経を正とした特定の緯度および経度を使って位置を指定する.
  • 固有の力学的特質
  • "Density"平均密度 ()
    "Diameter"最大直径 ()
    "EquatorialDiameter"赤道直径 ()
    "EquatorialRadius"赤道半径 ()
    "EscapeVelocity"脱出速度()
    "Gravity"における引力による赤道加速
    "Mass"質量 ()
    "PolarDiameter"極直径 ()
    "PolarRadius"極半径 ()
    "Radius"最大半径 ()
  • 形と回転特性
  • "RotationPeriod"固有の自転周期(秒)
    "Oblateness"赤道半径と極半径の相対的差異
    "Obliquity"軌道面についての自転軸の傾き(度)
  • 光学およびその他の電磁気特性
  • "AbsoluteMagnitudeH"太陽系の天体としての絶対実視等級
    "AbsoluteMagnitude"太陽系外オブジェクトとしての絶対実視等級
    "Albedo"反射光と入射光の強度の比
    "ApparentMagnitude"地球から見たときの視等級
  • 太陽系オブジェクトの位置および軌道特性
  • "Apoapsis"軌道の中心から最も遠い距離 ()
    "AscendingNodeLongitude"昇交点の経度角 (度)
    "Eccentricity"軌道の離心率
    "Inclination"黄道に対する傾斜率 (度)
    "MeanMotion"1日あたりの軌道におけるオブジェクトの平均角振動数
    "OrbitCenter"オブジェクトがその周囲を軌道とするオブジェクト
    "OrbitPath"典型的な軌道を表すグラフィックスプリミティブ
    "OrbitPeriod"完全な軌道の時間(秒)
    "OrbitPeriodYears"完全な軌道の時間(年)
    "OrbitRules"軌道要素を与える規則のリスト
    "Periapsis"軌道中心までの最近接距離 ()
    "PeriapsisArgument"昇交点から近点までの角 (度)
    "PeriapsisLongitude"傾斜率零での近点の経度角
    "Satellites"オブジェクトの既知の自然衛星
    "SemimajorAxis"軌道の長半径の長さ ()
    "Speed"太陽との相対速度 ()
  • 小惑星は以下の特性もサポートする.
  • "EarthMOID"地球からの最短軌道挿入距離
    "IAUName"公式のIAU名
    "IAUNumber"公式のIAU番号
    "PerihelionTime"近日点通過時刻
    "ProvisionalDesignation"仮符号
    "SMASSSpectralType"SMASS調査によるスペクトル型
    "TholenSpectralType"Tholenシステムによるスペクトル型
  • 彗星は以下の特性もサポートする.
  • "EarthMOID"地球からの最短軌道挿入距離
    "IAUName"公式のIAU名
    "PerihelionTime"近日点通過時刻
    "PrimaryDesignation"主符号
  • 軌道要素は現代の平均を意図しているが,限られた観察のみに基づいていることもある.
  • 星関連の特性
  • "BVColorIndex"B-V 色指数
    "Constellation"星が発見された公式の星座
    "ConstellationName"星座の英語名
    "Diameter"恒星の推定直径
    "EffectiveTemperature"実質的な恒星の表面温度
    "Luminosity"星の明度 (w)
    "Mass"恒星の指定体積 (kg)
    "Parallax"円弧の視差(秒)
    "Radius"推定される星の半径
    "SpectralClass"スペクトルクラスと下位区分 ("G2""O""M2Ib", ...)
    "SpectralClassList"スペクトルクラスリスト( {"G", 2, 5}
  • 遠距離天体関連特性
  • "BlueBandMagnitude" bandにおける輝度
    "Constellation"星が発見された公式の星座
    "ConstellationName"星座の英語名
    "GalaxyType"基本的な銀河の型(例:"Spiral""Irregular"
    "GlobularClusterType"球状星団のShapleySawyerクラス
    "HubbleType"ハブル分類 ("E0", "Sb", ...)
    "RadialVelocity"視線速度 ()
    "Redshift"赤方偏移
    "SurfaceBrightness"表面輝度(平方秒あたりの大きさ)
    "VisualBandMagnitude" bandにおける輝度
  • 名前とタイプ特性
  • "AlphanumericName"英数字による名前
    "AlternateNames"代替英語名,文字列で
    "AlternateStandardNames"代替標準Wolfram言語名
    "Name"通称(必要な場合はギリシャ文字を含む)
    "ObjectType""Star""Planet"
    "StandardName"Wolfram言語における一般的な名前
  • 識別番号特性
  • "BayerName"バイエル(Bayer)星表における識別番号
    "BayerStandardName"標準化されたバイエル星表における識別番号
    "DurchmusterungName"ボン掃天星表による識別番号
    "DurchmusterungStandardName"標準化されたボン掃天星表による識別番号
    "FlamsteedName"フラムスティード(Flamsteed)星表における識別番号
    "FlamsteedStandardName"標準化されたフラムスティード星表における識別番号
    "GlieseName"グリーゼ(Gliese)星表における識別番号
    "GlieseStandardName"標準化されたグリーゼ星表における識別番号
    "HDName"ヘンリー・ドレイパー(Henry Draper)記念星表における識別名
    "HDNumber"ヘンリー・ドレイパー記念星表における識別番号
    "HipparcosName"ヒッパルコス(Hipparcos)星表における識別名
    "HipparcosNumber"ヒッパルコス星表における識別番号
    "HRName"ハーバード(Harvard)修正星表における識別名
    "HRNumber"ハーバード修正星表における識別番号
    "ICNumber"IC識別番号
    "NGCNumber"NGC識別番号
    "PGCNumber"PGC識別番号
    "SAOName"スミソニアン星表における識別名
    "SAONumber"スミソニアン星表における識別番号
  • 追加特性
  • "Image"天体オブジェクトの画像
    "DiscoveryYear"オブジェクトが発見された年
  • AstronomicalData["name","property","ann"]は,特性に関連したさまざまな注釈を与える.次は一般的な注釈である.
  • "Description"特性の短いテキストによる説明
    "Epoch"{year, month, day}形式で与えられる軌道要素の元期
    "LongDescription"特性のテキストによる長めの説明
    "Note"特性に関する追加情報
    "Units"値の単位
    "UnitsName"使用される単位の英語名
    "UnitsNotation"使われる単位の表記法
    "UnitsStandardName"使用される単位のWolframシステムにおける標準的な名前
    "Value"特性の値(注釈が指定されていない場合はデフォルト値)

例題

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  (8)

太陽系の惑星のリスト:

太陽系の軌道のグラフィックスを作成する:

海王星の既知の衛星:

海王星の脱出速度:

直近の10個の星:

距離(光年):

スペクトル型の情報:

最初の15のメシエ天体,明るさの降順で:

アンドロメダ星雲までの距離を光年で:

名前が「Alb」で始まる天体を求める:

これらのオブジェクトのタイプを求める:

観測者の現行位置と時刻から見て最後に太陽が昇った時刻を求める:

観測者の現行位置と時刻から見て次に太陽が昇る時刻を求める:

時刻と位置から次に太陽が昇る時刻を求める:

スコープ  (34)

惑星天体  (15)

太陽系の惑星:

各惑星の軌道の離心率:

軌道周期を恒星年で:

地球の軌道要素の規則:

各惑星の黄道傾斜:

各惑星のアルベルド:

木星の画像:

冥王星の既知の衛星:

各衛星の直径をメートルで:

軌道の長半径をメートルで:

各惑星の既知の衛星の数:

蛇遣座を含む,太陽が1年間で通り過ぎる名前付きの星座:

惑星の1年間の黄道パスを計算する:

可視の惑星の通り道:

1年間の地球から可視の惑星までの距離:

地球から見た可視の惑星の1年間の視等級:

太陽のアナレンマを計算しプロットする:

2009年の明の明星の位置を計算する:

恒星天文学  (12)

地球から見える最も明るい15の星:

最も明るい10の星の星座の位置:

地球からシリウスまでの距離を光年で:

距離をメートルで:

シリウスの位置:

太陽のスペクトル型:

スペクトル型の情報をリスト形式で:

シリウスの別名:

シリウスのヘンリー・ドレイパー記念星表における識別番号:

アルファケンタウリを形成する個々の星:

ギリシャ文字を含むタウ・ケチの名前を返す:

同じものを特殊文字を交えて:

地球から見て最も明るい10個の超巨星:

使用可能な超巨星の数:

最も明るいクラス0の10個の星:

最も明るい10個のウォルフライエ星:

遠距離天文学と銀河天文学  (7)

最も明るい10個のメシエ天体:

天体のタイプ:

最も明るい10個の惑星星雲:

赤緯:

最も明るい10の銀河:

距離を光年で:

最も明るい10の銀河の銀河タイプ:

ハッブルタイプ:

最も明るい10の銀河の表面の明るさ:

NGC 292の別名:

Wolfram言語形式による別名:

NGC 292のPGC識別番号:

アプリケーション  (15)

惑星天文学  (5)

惑星の密度表を作る:

ケプラーの第3法則を示す公転周期と惑星の距離の両対数プロット:

すべての既知の惑星の衛星についての対応プロット(それぞれの惑星について線が引いてある):

太陽系の惑星の既知の衛星の総数を求める:

名前をツールチップとした衛星の質量の対数階数プロットを作成する:

太陽からの異なる距離における小惑星の数を計算する:

カークウッド(Kirkwood)間隙は木星との軌道共鳴の結果である:

半長軸と軌道傾斜角をプロットすると小惑星のいくつかのはっきりした集団が現れる:

恒星天文学  (7)

最も明るい100個の星のRAと偏角をプロットし,星の名前をツールチップとして付ける:

対応する直近100個の星の図:

直近の100個の星の絶対等級の階数プロット:

最も明るい100個の星の絶対等級の階数プロット:

最も明るい100個の星の基本的なスペクトルクラスの分布:

最も近い100個の星の分布:

最も近い100の星までの距離のランクプロット:

連続距離の差分:

AstronomicalData中の最大数の星の星座の位置を求める:

個々の製星表で重複数を求める:

星の正しい色と擬似照明を得る:

星の色はその星の温度を示している:

遠距離天文学と銀河天文学  (3)

最も明るい200の銀河までの距離のランクプロット:

NGC星表とMessier星表の両方に載っている天体がいくつあるかを求める:

局部銀河群は天の川,M31およびその衛星銀河を含む:

考えられる問題  (4)

冥王星は太陽系惑星のリストに含まれていない:

冥王星は現在は矮小惑星であると考えられている:

さまざまな理由で未知の情報もいくつかある:

AstronomicalDataは異なる方法で星を選ぶ星表を組み合せる:

時変特性の精度は時とともに低下する:

おもしろい例題  (1)

土星の既知の衛星について,直径対発見年をプロットする:

Wolfram Research (2007), AstronomicalData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/AstronomicalData.html (2014年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2007), AstronomicalData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/AstronomicalData.html (2014年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2007. "AstronomicalData." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2014. https://reference.wolfram.com/language/ref/AstronomicalData.html.

APA

Wolfram Language. (2007). AstronomicalData. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/AstronomicalData.html

BibTeX

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BibLaTeX

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