ControllableModelQ

ControllableModelQ[sys]

状態空間モデル sys が可制御であればTrueを,それ以外の場合はFalseを返す.

ControllableModelQ[{sys,sub}]

部分系 sub が可制御であればTrueを返す.

詳細とオプション

  • ControllableModelQは到達可能モデルとしても知られている.
  • 任意の初期状態 と最終状態 について有限時間内に状態を から に向ける制御入力が存在する場合,その状態空間モデルは可制御であると言われる.
  • sys は標準またはディスクリプタのStateSpaceModelあるいはAffineStateSpaceModelでよい.
  • 次の部分系 sub を指定することができる. » »
  • All系全体
    "Fast"速い部分系
    "Slow"遅い部分系
    {λ1,}固有モード の部分系
  • "Fast"および"Slow"の部分系は,KroneckerModelDecompositionで説明されているように,主にディスクリプタ状態空間モデルに適用される.
  • 固有モード λiについてはJordanModelDecompositionに説明がある.
  • ControllableModelQには次の設定のMethodオプションが使える.
  • Automatic適切な検定を自動的に選択する
    "Distribution"可制御性分布の階数を使う
    "Gramian"可制御性グラミアンの階数または正定性を使う
    "Matrix"可制御性行列の階数を使う
    "PBH"PopovBelevitchHautus階数検定を使う

例題

すべて開くすべて閉じる

  (2)

可制御系:

非可制御系(第2状態に影響を与える方法がないため):

スコープ  (6)

近似係数を持った系の可制御性の検定を行う:

厳密な係数:

記号係数:

多入力系:

離散時間系:

ディスクリプタ系:

可制御性は遅いモードの可制御性と速いモードの可制御性の両方について等価である(C可制御性):

個々の固有モードの可制御性の検定を行う:

固有モードがであるので,この系は非可制御である:

このことは,ジョルダン形(第3状態に影響を与える方法がない)にも見られる:

AffineStateSpaceModelの可制御性の検定を行う:

作用点 が与えられた場合は, からの可制御性の検定が行われる:

この系は,汎用点から可制御である:

オプション  (7)

Method  (7)

デフォルトで,可制御性行列は厳密系と記号系の両方に使われる:

ControllabilityMatrixが最大階数であればその系は可制御である:

可制御性グラミアンは安定した数値系に使われる:

ControllabilityGramianが最大階数であれば,その系は可制御である:

可制御性グラミアンにとって,このことは,それ自身が正定であることと同義である:

他の数値系にはPopovBelevitchHautus階数検定が用いられる:

がすべての について最大階数であるので,この系は可制御である:

入力線形系には可制御性分布が用いられる:

線形系では,可制御性行列と可制御性分布に基づいた検定は等しい:

線形化された系の可制御性は入力線形系の可制御性を含意する:

入力線形系の行列検定は,線形化された系に対して"Matrix"メソッドを使う:

制御入力を使わない場合,系は漂流ベクトル場 に従う:

漂流ベクトル場が状態を動かすためにも使える場合は,系は弱可制御である:

漂流ベクトル場を含まない場合は,系は可制御ではない:

アプリケーション  (5)

3個の物体すべての位置と速度を にかかる力で制御することができる:

コンデンサ電圧とインダクタ電流を状態として持つ電気回路:

一般に,この系は可制御である:

しかし, となる場合は,この系は制御不可能である:

入力としての,駆動部とステアリングを含む一輪車:

この系は可制御ではあるが,線形化された系はそうではない:

駐車問題:

この系は可制御であるが,線形化された系はそうではない:

オイラーの運動方程式でモデル化された回転する剛性衛星:

主モーメントとアクチュエーターの組合せのさまざまな値についての可制御性:

結果を示す格子:

であれば,この系は任意の2つのアクチュエータで可制御になる:

であれば,この系は,アクチュエータ1および2,あるいは任意の1つのアクチュエータでは可制御にならない:

であれば,この系は3つすべてのアクチュエータによってのみ可制御である:

特性と関係  (7)

対角系は, かつ であると仮定すると可制御である:

の場合は,第1状態を制御する方法が全くない:

の場合は,第1状態を直接制御することはできない.しかし,第2状態から間接的に制御することは可能である:

の場合は,第2状態は,直接制御することも第1状態から間接的に制御することもできない:

JordanModelDecompositionを使って,上記の正準状態空間表現を計算する:

"PBH"検定を使って各モードの可制御性を計算する:

ディスクリプタ系については,KroneckerModelDecompositionは対角形の一般化である:

遅い部分系の可制御性を,その構造から調べる:

もとの系を使って,これを計算する:

速い部分系の可制御性を調べる:

もとの系を使って,これを計算する:

StateSpaceModelのディスクリプタ行列が最大階数である場合には,速い部分系は存在しない:

したがって,系の完全な可制御性は,遅い部分系から評価することができる:

可制御性は非特異StateSpaceTransformのもとでは不変である:

可制御性は状態フィードバックのもとでは不変である:

StateFeedbackGainsを使って状態フィードバックを計算する:

閉ループ系もまた可制御である:

可制御性はその出力が可制御であることを意味しない(OutputControllableModelQ):

出力の可制御性は可制御性を意味するものではない:

考えられる問題  (2)

漸近的に安定ではない系ではグラミアンメソッドは信頼できない:

複素平面の右半平面に固有値が,連続時間系の不安定さに繋がっている:

非零のドリフトがあるアフィン系については,分布は到達可能性のみを検定する:

ランダムな初期条件とランダムな入力信号生成器:

ランダムな入力で系のシミュレーションを10回行う:

この系は初期点の左側に動かすことはできない:

Wolfram Research (2010), ControllableModelQ, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ControllableModelQ.html (2014年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2010), ControllableModelQ, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/ControllableModelQ.html (2014年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2010. "ControllableModelQ." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2014. https://reference.wolfram.com/language/ref/ControllableModelQ.html.

APA

Wolfram Language. (2010). ControllableModelQ. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/ControllableModelQ.html

BibTeX

@misc{reference.wolfram_2024_controllablemodelq, author="Wolfram Research", title="{ControllableModelQ}", year="2014", howpublished="\url{https://reference.wolfram.com/language/ref/ControllableModelQ.html}", note=[Accessed: 18-November-2024 ]}

BibLaTeX

@online{reference.wolfram_2024_controllablemodelq, organization={Wolfram Research}, title={ControllableModelQ}, year={2014}, url={https://reference.wolfram.com/language/ref/ControllableModelQ.html}, note=[Accessed: 18-November-2024 ]}