DihedralGroup
次数 2n の二面体群である.
詳細
- DihedralGroup[n]の次数 n は,正の整数でなければならない.
- DihedralGroup[1]はCyclicGroup[2]の同型群であり,デフォルトで点{1,2}上の置換群として表される.
- DihedralGroup[2]はAbelianGroup[{2,2}]の同型群であり,デフォルトで点{1,2,3,4}上の置換群として表される.
- n≥3の場合,DihedralGroup[n]はデフォルトで点{1,…,n}上の置換群として表される.
予備知識
- DihedralGroup[n]は,指定された正の整数 n についての,位数が の二面体群 を表す(あるいは と表記されることもある).のとき,DihedralGroup[n]のデフォルト表現はシンボル上の置換表現である.特殊ケースのDihedralGroup[1]およびDihedralGroup[2]は,順にCyclicGroup[2]およびAbelianGroup[{2,2}]と同型であり,デフォルトで,順にシンボルおよび上の置換群として表される.
- 二面体群 は,数学的には,正 角形の 通りの回転と 通りの鏡映である 個の対称変換からなる.特に,は (回転)と (鏡映)の元からなる.これらを組み合せるとその群作用下で恒等式 ,,,に従って変換が行われる.ただし,加減演算は を法として行われる.は置換群であるが,では鏡映と回転の操作が一般に可換ではなくなる,つまり,のとき は非可換である.
- 二面体群は,対称性を有する化合物や結晶学の特性決定を含む,正規構造の分析において重要である.
- DiherdalGroup[n]には,GroupOrder,GroupGenerators,GroupElements等を含む通常の群論関数を適用することができる.二面体群 の数多くの計算済みの特性を,FiniteGroupData[{"DihedralGroup",n},"prop"]を介して得ることができる.
- DihedralGroupは他の数多くのシンボルに関連している.DihedralGroup[n]はCyclicGroup[n]とCyclicGroup[2]の半直積(反転によって後者が前者に対して作用する)と同型であり, が偶数のとき,DihedralGroup[n]はDihedralGroup[n/2]とCyclicGroup[2]の直積と同型である.のとき,二面体群 は対称群 の部分群である.Wolfram言語に組み込まれた他の有限群の無限族にAbelianGroup,AlternatingGroup,CyclicGroup,SymmetricGroupがある.
例題
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任意の正の整数 n のDihedralGroup[n]:
特性と関係 (1)
DihedralGroup[1]とDihedralGroup[2]は,唯一の二面体可換群である:
考えられる問題 (1)
DihedralGroup[1]とDihedralGroup[2]は,それぞれ SymmetricGroup[1]とSymmetricGroup[2]の部分群ではないので,置換群としては特別である.この2つの置換表現にはより大きな台が必要である:
Wolfram Research (2010), DihedralGroup, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/DihedralGroup.html.
テキスト
Wolfram Research (2010), DihedralGroup, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/DihedralGroup.html.
CMS
Wolfram Language. 2010. "DihedralGroup." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/DihedralGroup.html.
APA
Wolfram Language. (2010). DihedralGroup. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/DihedralGroup.html