LandauDistribution

LandauDistribution[μ,σ]

位置母数 μ,尺度母数 σ のランダウ(Landau)分布を表す.

LandauDistribution[]

位置母数0,尺度母数1のランダウ分布を表す.

詳細

予備知識

  • LandauDistribution[μ,σ]は実数の集合上で定義およびサポートされ,実数 μ(「位置母数」と呼ばれる)および σ(「尺度母数」と呼ばれる)でパラメータ化された統計分布を表す.ランダウ分布の確率密度関数(PDF)は,全体的な形(高さ,広がり, 軸近くの凝集等)は μσ の値で決定されるが,大体において単一の「峰」(つまり,最大値)がある単峰性である.これに加え,PDFの裾部はPDFが の大きい値について,指数的というよりもむしろ代数的に減少するという意味で「太って」いる(この動作は,大きい についてのPDFの両対数プロット(LogLogPlot)の「局所的線形動作」に見ることができる).引数がない形のLandauDistribution[]LandauDistribution[0,1]に等しい)は,標準ランダウ分布と呼ばれることがある.
  • ランダウ分布はソビエト連邦の物理学者であるLev Landauによって開発され,1944年の論文で,一定の(しかし微小の)厚さの物質層を通過する際に,「高速」粒子(イオン化理論の適用にふさわしいだけ大きいエネルギーを有している粒子)が経験するエネルギー損失の説明に適する一般化された分布として発表された.このように,ランダウ分布は物理学および化学のさまざまな分野における数多くの現象をモデル化する.
  • RandomVariateを使って,ランダウ分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,LandauDistribution[μ,σ]],より簡略すると xLandauDistribution[μ,σ],を使って,確率変数 x がランダウ分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,ProbabilityNProbabilityExpectationNExpectation等の関数で使うことができる.
  • 確率密度関数および累積分布関数は,PDF[LandauDistribution[μ,σ],x]およびCDF[LandauDistribution[μ,σ],x]を使って得られる.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMeanMedianVarianceMomentCentralMomentを使って計算することができるが,長い裾部のために,LandauDistribution 番目の原点の周りのモーメントおよび中心モーメント(平均と分散を含む)はすべてについてIndeterminateである.
  • DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合がランダウ分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリックランダウ分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータをランダウ分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号ランダウ分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号ランダウ分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
  • TransformedDistributionを使って変換されたランダウ分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使ってランダウ分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使ってランダウ分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
  • LandauDistributionは他の多くの分布と密接な関係がある.例えば,LandauDistributionは,LandauDistribution[μ,σ]のPDFがStableDistribution[1,1,1,μ,σ]と厳密に等しいという意味で,タイプ1のStableDistributionの特殊ケースである.このため,LandauDistributionはまた,CauchyDistributionLevyDistributionNormalDistributionを含むいくつかの分布と数量的に関係している.

例題

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  (3)

確率密度関数:

累積分布関数:

平均と分散は定義されない:

スコープ  (4)

ランダウ分布から擬似乱数のサンプルを生成する:

そのヒストグラムを確率密度関数と比較する:

分布母数推定:

サンプルデータから分布母数を推定する:

サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:

ハザード関数:

分位関数:

アプリケーション  (2)

荷電粒子が非常に薄いターゲットに照射されている.エネルギーロスのスペクトルはLandauDistributionで説明される.ランダウ関数 を定義する:

ランダウ関数の最大値を求める:

半値幅のランダウ関数:

大きい引数については,ランダウ関数は として振る舞う:

ランダウ関数へのLindhardの一次近似:

二次近似:

特性と関係  (4)

ランダウ分布は平行移動の下では閉じている:

他の分布との関係:

ランダウ分布はStableDistributionである:

LandauDistributionの密度をその定義積分表現を使って評価する:

おもしろい例題  (1)

累積分布関数の等高線を持つ σ のさまざまな値についての確率密度関数:

Wolfram Research (2010), LandauDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/LandauDistribution.html (2016年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2010), LandauDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/LandauDistribution.html (2016年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2010. "LandauDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/LandauDistribution.html.

APA

Wolfram Language. (2010). LandauDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/LandauDistribution.html

BibTeX

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