MomentConvert

MomentConvert[mexpr,form]

モーメント式 mexpr を指定の形式に変換する.

詳細

  • MomentConvertは形式的なモーメント式と形式的なサンプルモーメント式の両方を扱う.
  • 形式的なモーメント式は,以下の形の形式的なモーメントの任意の多項式でよい.
  • Moment[r]形式的な r 次モーメント
    CentralMoment[r]形式的な r 次中心モーメント
    FactorialMoment[r]形式的な r 次階乗モーメント
    Cumulant[r]形式的な r 次キュムラント
  • 形式的なモーメント式はMomentEvaluateを使って任意の特定の分布について評価することができる.
  • モーメント式は他の任意のモーメント式に変換することができる.
  • モーメント式間の変換に次の形式を用いることができる.
  • "Moment"形式的なモーメントに変換
    "CentralMoment"形式的な中心モーメントに変換
    "FactorialMoment"形式的な階乗モーメントに変換
    "Cumulant"形式的なキュムラントに変換
  • サンプルモーメント式は以下の形の形式対称式中の任意の多項式である.
  • PowerSymmetricPolynomial[r]形式的な r 次ベキ対称式
    AugmentedSymmetricPolynomial[{r1,r2,}]形式的な {r1,r2,} 引数付き対称式
  • サンプルモーメント式はMomentEvaluateを使ってデータ集合について評価することができる.
  • サンプルモーメント式は他の任意のサンプルモーメント式に変換することができる.
  • サンプルモーメント式間の変換に次の形式を用いることができる.
  • "PowerSymmetricPolynomial"形式的なベキ対称式に変換
    "AugmentedSymmetricPolynomial"形式的な引数付き対称式に変換
  • サンプルモーメント式は,事実上,独立同分布に従うサンプルを仮定した場合のモーメント推定量である.
  • 指定されたモーメント式のモーメント推定量は以下の形式を使って構築できる.
  • "SampleEstimator"サンプルモーメント推定量を構築する
    "UnbiasedSampleEstimator"不偏サンプル推定量を構築する
  • サンプルモーメント式は独立であり同一の分布位に従う確率変数から構築される確率変数であるとみなすことができる.期待値はサンプルモーメント式をモーメント式に変換することで求めることができる.
  • 指定されたサンプルモーメント式の期待値は以下の形式を使って計算することができる.
  • "Moment"形式的なモーメントによって表現する
    "CentralMoment"形式的な中心モーメントによって表現する
    "FactorialMoment"形式的な階乗モーメントによって表現する
    "Cumulant"形式的なキュムラントによって表現する
  • MomentConvert[expr,form1,form2,]は,まず form1に変換し,次に form2等に変換する.

例題

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  (2)

原点の周りのモーメントでキュムラントを表す:

中心モーメントで多変量キュムラントを表す:

二次キュムラント,すなわち二次k統計量のサンプルの不偏推定量を求める:

推定量をベキ対称式の基底に変換する:

原点の周りのモーメントで推定量の期待値を計算する:

スコープ  (4)

多変量キュムラントを原点の周りのモーメントで表す:

キュムラントに変換し直す:

一変量中心モーメント(別名polyache)の積のサンプルの不偏推定量を求める:

多変量polyacheを求める:

拡張対称式のサンプル分布推定量の期待値を求める:

拡張対称式をベキ対称式の基底に変換する:

サイズ3のサンプルで評価する:

拡張対称式を直接評価したものと比較する:

一般化と拡張  (2)

ベキ対称式の底のH統計を求める:

三次中心モーメントのサンプル推定量のサンプリング分布期待値を求める:

アプリケーション  (21)

形式的なモーメントの変換  (2)

原点の周りのモーメントを中心モーメントに変換する:

階乗モーメント:

キュムラント:

形式的なモーメント間のすべてのクロス変換を示す:

形式的なモーメント間の多変量クロス変換を示す:

推定量分析  (6)

分散のサンプル推定量を計算する:

サンプルサイズ を想定し,推定量のバイアスをサンプリング母集団分布の平均として計算する:

サイズ5の記号サンプルに対して推定量を評価することで計算を説明する:

次に, が正規分布に従う独立確率変数であると仮定してその期待値を計算する:

上記の結果と比較する:

分散のサンプル推定量の期待される分散を計算する:

分散を推定量の第2中心モーメントとして計算する:

大きいサンプルサイズの極限のとき,推定量の分散は大数の法則に一致して0となる傾向がある:

サイズ30の標準正規分布に従うサンプルを使って1000回のシミュレーションを行う:

サンプルの平均と分散を期待値と比較する:

サンプルの平均とサンプルの分散の推定量の共分散を計算する:

サンプル母数の共分散を混合中心モーメントとして計算する:

期待される共分散は正規分布に従うサンプルでは消失する:

二次元データの非対角の共分散行列要素のサンプル推定量を求める:

そのバイアスと共分散を求める:

二項サンプルの推定量のバイアスと共分散を計算する:

の標準二項サンプルの推定量の分散が0.001を超えないために必要なサンプルサイズを推定する:

標準偏差のサンプル推定量はサンプルの分散の平方根として計算される:

このような推定量は偏っており,母集団の標準偏差を過小評価している:

標準偏差推定量の分析は引数のバイアス箇所で非線形関数をその切断テイラー級数で置換することで行われる:

近似された推定量の期待値を求める:

サイズ の標準正規分布に従うサンプルについて上記の数値を計算する:

正規分布に従うサンプルの推定量の分散を求める:

有限サンプルJarqueBera統計を導く:

サイズ の正規分布に従うサンプルのサンプル尖度推定量 の平均と分散を求める:

サイズ の正規分布に従うサンプルの尖度推定量 の平均と分散を計算する:

推定量を組み立てる:

大きい の近似を求める:

原点の周りのモーメント不偏推定量  (2)

サンプルモーメント推定量は自動的に不偏である:

ベキ対称式によって不偏モーメント推定量を計算する:

推定量のサンプリング母集団期待値を計算する:

多変量モーメント推定量を計算する:

これらにもまた不偏である:

記号サンプルで推定量を計算する:

不偏階乗モーメント推定量  (1)

階乗モーメントは原点の周りのモーメントの線形結合として表すことができる:

ゆえに,そのサンプル推定量もまた自動的に不偏である:

ベキ対称式によって不偏階乗モーメント推定量を計算する:

推定量のサンプリング母数期待値を計算する:

不偏中心モーメント推定量  (3)

第2h統計を求める:

ベキ対象式によってh統計を書く:

これを第2中心モーメント のサンプル推定量と比較する:

サンプルサイズ についてこれらの推定量のサンプリング母集団期待値を求める:

ベキ対称式について第3h統計を計算する:

これを中心モーメント のサンプル推定量を比較する:

サンプルサイズ についてこれらの推定量のサンプリング母集団期待値を求める:

多変量h統計 を計算する:

推定量を二変量正規分布からのサンプルについて評価する:

母集団の値と比較する:

不偏キュムラント推定量  (2)

ベキ対称式によって第4k統計を求める:

得られたk統計を標準正規分布に従うサンプルについて評価する:

推定量の統計を累積し,ヒストグラムを示す:

についての多変量k統計を計算する:

これをサンプル推定量と比較する:

混合推定量  (3)

平均の二乗の不偏推定量を求める:

記号サンプルでこれを評価する:

サンプル母集団推定量を求める:

polykayとしても知られるキュムラントの積の不偏推定量を計算する:

これをベキ対称式で表す:

polyacheとしても知られる多変量中心モーメントの不偏推定量を求める:

多変量サンプルで推定量の値を求める:

サンプリング母集団のモーメントと比較する:

k統計のキュムラント  (1)

k統計のキュムラントはk統計のある種の単項式のサンプリング母集団の推定量における多項式である.これらは原点の周りのモーメントに関して多変量キュムラントから始めてumbral微積分で構築される:

それぞれの多変量モーメントはk統計における単項式のサンプリング母集団の推定量として理解される.例えば,原点の周りのモーメント の期待値の積を表す.結果の の不偏推定量を求める:

k統計のキュムラント計算の手続きを定義する:

を証明する:

を証明する:

これは正規分布に従うサンプルのサンプル平均とサンプル分散が独立していることを示唆している:

k統計のキュムラントはその方がより簡潔な式になるという理由から表形式になっており,推定量のモーメントの計算に使われる.第2k統計のキュムラントを計算する:

k統計の積のキュムラントを計算する:

より高次元のk統計のキュムラントの式は急速に大きくなる:

MomentConvertの組合せ論的用法  (1)

ある集合を指定サイズの部分集合に分割する際の分割数を計算する:

5つの要素の集合を要素が2つと3つの部分集合に分割する方法は10通りある:

分割を行い直接数える:

特性と関係  (5)

二項定理は形式的なモーメントと形式的な中心モーメントの関係を定義する:

スターリング(Stirling)数を使い,形式的な階乗モーメントを形式的なモーメントによって表現する:

中心モーメントについて書き直されたモーメント中の多項式もまたモーメント を含む:

階乗モーメントのサンプル推定量は不偏である:

モーメント母関数の対数の級数展開を通してキュムラントを計算する:

考えられる問題  (2)

対称式の形式変換では形式的なモーメントが定数として扱われる:

AugmentedSymmetricPolynomialPowerSymmetricPolynomialを含む式は変換される:

MomentConvertでは入力が形式および/あるいはサンプルモーメントにおける多項式である必要がある:

おもしろい例題  (2)

形式的なモーメントの任意のペアをクロス変換する:

多変量の形式的なモーメントの任意のペアをクロス変換する:

Wolfram Research (2010), MomentConvert, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MomentConvert.html.

テキスト

Wolfram Research (2010), MomentConvert, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MomentConvert.html.

CMS

Wolfram Language. 2010. "MomentConvert." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/MomentConvert.html.

APA

Wolfram Language. (2010). MomentConvert. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/MomentConvert.html

BibTeX

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BibLaTeX

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