AcousticPDEComponent

AcousticPDEComponent[vars,pars]

変数 vars,パラメータ pars で音響PDE項の成分を与える.

詳細

  • AcousticPDEComponentは,偏微分演算子の一部として使われる微分演算子の和を返す.
  • AcousticPDEComponentは,時間領域と周波数領域の両方における等方性媒体中の音の伝播を拡散等のメカニズムによってモデル化する.
  • AcousticPDEComponentは流体内の音響現象を従属変数圧力 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "Pa", pascals, "Pascals"}, QuantityTF]],独立変数 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "m", meters, "Meters"}, QuantityTF]],時間変数 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], "s", seconds, "Seconds"}, QuantityTF]] あるいは周波数変数 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"rad", , "/", , "s"}, radians per second, {{(, "Radians", )}, /, {(, "Seconds", )}}}, QuantityTF]]でモデル化する.
  • 時間依存変数 varsvars={p[t,x1,,xn],t,{x1,,xn}}である.
  • 周波数依存変数 varsvars={p[x1,,xn],ω,{x1,,xn}}である.
  • 時間領域音響PDE AcousticPDEComponentは,時間変数 ,密度 ,音速 ,音源 および の波動方程式に基づいている.
  • 周波数領域音響PDE AcousticPDEComponentは,角周波数 のヘルムホルツ(Helmholtz)方程式に基づいている.
  • 音響モデル項の単位は[1/TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {{"s", ^, 2}}, seconds squared, {"Seconds", ^, 2}}, QuantityTF]]である.
  • 次のパラメータ pars を与えることができる.
  • パラメータデフォルトシンボル
    "DipoleSource"{0,},二重極音源 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"N", , "/", , {"m", ^, 3}}, newtons per meter cubed, {{(, "Newtons", )}, /, {(, {"Meters", ^, 3}, )}}}, QuantityTF]]
    "MassDensity"1,メディアの密度 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"kg", , "/", , {"m", ^, 3}}, kilograms per meter cubed, {{(, "Kilograms", )}, /, {(, {"Meters", ^, 3}, )}}}, QuantityTF]]
    "Material"Automatic
    "MonopoleSource"0,単極音源 [1/TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {{"s", ^, 2}}, seconds squared, {"Seconds", ^, 2}}, QuantityTF]]
    "RegionSymmetry"None
    "SoundSpeed"1,音速 [TemplateBox[{InterpretationBox[, 1], {"m", , "/", , "s"}, meters per second, {{(, "Meters", )}, /, {(, "Seconds", )}}}, QuantityTF]]
  • どのパラメータも,任意の や他の従属変数に依存する可能性がある.例外として, は結果として非線形固有値問題になる.
  • AcousticPDEComponentには時間領域の音源および周波数領域の音源が使える.
  • 単極音源,
    二重極音源,
  • 単極音源 は音を等方的に放射する点音源をモデル化する.
  • 二重極音源 は音を非等方的に放射する2点音源をモデル化する.
  • 独立変数(単位 )の数は の長さを指定する.
  • パラメータが指定されていなければ,デフォルトの時間領域音響PDEは以下のようになる.
  • パラメータが指定されていなければ,デフォルトの周波数領域音響PDEは以下のようになる.
  • パラメータの可能な選択肢には"RegionSymmetry""Axisymmetric"がある.
  • "Axisymmetric"領域対称性は,以下のように角変数を除くことで円筒座標が縮小された切頭円筒座標系を表す.
  • 次元縮小方程式
    1D
    2D
  • AcousticPDEComponentが連想 pi,keypi,pivi,]として指定されるパラメータ に依存するなら,パラメータ で置換される.

例題

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  (4)

時間領域音響PDE項を定義する:

周波数領域音響モデルを定義する:

過渡音圧場のためのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

右進音波 の初期条件 ics を定義する:

右端の音の剛壁で方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

時間領域で音響場を可視化する:

周波数領域音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

左端の放射境界で方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

さまざまな周波数 の周波数領域で音響場を可視化する:

スコープ  (21)

基本的な例題  (2)

時間または周波数に依存しない音響モデルを定義する:

時間非依存または周波数非依存の音響軸対称モデルを定義する:

時間領域  (7)

過渡音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

右進平面波 の初期条件 ics を設定する:

右端に音吸収境界を置いて平面波の方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

過渡音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

右進平面波 の初期条件 ics を定義する:

右側の音響インピーダンス境界とインピーダンス ()で方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

過渡音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

無音の初期条件 ics を定義する:

左端の音響粒子速度 v である音響法線速度境界を持つ方程式を設定する:

細分化メッシュ上で偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

過渡音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

無音の初期条件 ics を定義する:

左端に音圧境界と圧力源 ()を持つ音響法線速度境界を持つ方程式を設定する:

細分化メッシュ上で偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

周波数領域音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

無音の初期条件 ics を定義する:

左端に音響放射境界があり,圧力源が ()で放射角度が ()の方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

過渡音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

右進平面波 の初期条件 ics を定義する:

右端に音響ハード境界を持つ方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

過渡音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

右進平面波 の初期条件 を定義する:

右端に音響ソフト境界を持つ方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

解を可視化する:

周波数領域  (10)

周波数領域音響モデルを特定の音速と質量密度で定義する:

特定の材料についての周波数領域音響モデルを定義する:

特定の材料についての周波数領域音響モデルを定義する:

周波数領域音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

左端に放射境界があり右端に音吸収境界がある方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

周波数領域のさまざまな周波数 で解を可視化する:

解を時間領域に変換する:

周波数領域音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

左端に放射境界,右端に音響インピーダンス境界,インピーダンス ()の方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

周波数領域のさまざまな周波数 で解を可視化する:

解を時間領域に変換する:

周波数領域音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

左端の音響法線速度境界,音粒子速度 (),右端の音吸収境界で方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

周波数領域のさまざまな周波数 で解を可視化する:

解を時間領域に変換する:

周波数領域音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

左端の音圧境界,圧力源 (),右端の音吸収境界で方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

周波数領域のさまざまな周波数 で解を可視化する:

解を時間領域に変換する:

周波数領域音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

左端の音放射境界,圧力源 (),放射角度 ()で方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

周波数領域のさまざまな周波数 で解を可視化する:

解を時間領域に変換する:

周波数領域音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

左端の音放射境界,圧力源 (),右端の音響ハード境界で方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

周波数領域のさまざまな周波数 で解を可視化する:

解を時間領域に変換する:

周波数領域音圧場についてのモデル変数 vars をモデルパラメータ pars で定義する:

左端の放射境界と右端の音吸収境界で方程式を設定する:

偏微分方程式を解く:

周波数領域のさまざまな周波数 で解を可視化する:

解を時間領域に変換する:

単位  (2)

キセノンについての音響時間領域方程式を設定する:

材料パラメータを指定して,キセノンについての音響周波数領域モデルを設定する:

アプリケーション  (1)

以下の音響モデルは,振動ピストンがパイプの一端の内側に配置され,パイプの他端は無限領域に開いている,開管を表している.また,無条件領域をモデル化するためにインポーダンス境界条件が片端に置かれている.モデル化される管は,以下の図で示すように,フランジが付いた円管である:

管の形状と境界条件は 軸について回転対称なので,軸対称モデルを使うことができる.音波の電波を表す支配方程式は軸対称ヘルムホルツ方程式である.

変数とパラメータを設定する:

軸対称の形状は, 平面における管の断面を表す2Dの矩形で近似できる:

管の半径を ,長さを として矩形領域を設定する:

このモデルには2つの境界条件がある.一つは でピストンの加速 を表すNeumannValueである:

2番目の境界条件はインピーダンス AcousticImpedanceValueである.インピーダンス は以下の近似で与えられる. は波数である:

方程式を設定する:

で定義されたMaxCellMeasureおよび解像度12を使用して でPDEを解き,正確な結果を取得する:

完全な3D領域で圧力の分布を可視化する:

Wolfram Research (2020), AcousticPDEComponent, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/AcousticPDEComponent.html (2023年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2020), AcousticPDEComponent, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/AcousticPDEComponent.html (2023年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2020. "AcousticPDEComponent." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2023. https://reference.wolfram.com/language/ref/AcousticPDEComponent.html.

APA

Wolfram Language. (2020). AcousticPDEComponent. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/AcousticPDEComponent.html

BibTeX

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