FunctionRange

FunctionRange[f,x,y]

変数 x の実関数 f の値域を求め,結果を y について返す.

FunctionRange[f,x,y,dom]

f を,その引数と値が定義域 dom にある関数であるとみなす.

FunctionRange[funs,xvars,yvars,dom]

変数 xvars の写像 funs の値域を求め,結果を yvars について返す.

FunctionRange[{funs,cons},xvars,yvars,dom]

xvars の値が制約条件 cons で制限されている,写像 funs の値域を求める.

詳細とオプション

  • funs は,変数 xvars の関数のリストでなければならない.
  • funs および yvars は等しい長さのリストでなければならない.
  • dom の可能な値にはRealsおよびComplexesがある.デフォルトはRealsである.
  • domRealsのときは,変数,パラメータ,定数,および関数値はすべて,実数に制限される.
  • cons は,方程式,不等式,あるいはこれらの論理結合を含むことができる.
  • 使用可能なオプション
  • GeneratedParametersC生成されるパラメータの命名方法
    Method Automatic使用すべきメソッド
    WorkingPrecision Automatic計算に使用する精度
  • WorkingPrecision->Automaticのとき,FunctionRangeは値域の推定のために数値最適化を使うことがある.

例題

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  (2)

実関数の値域を求める:

複素関数の値域を求める:

スコープ  (7)

一変数実関数:

数値的に推定された値域:

制約条件で制限された領域上の値域:

一変数複素関数:

多変数実関数:

多変数実写像:

制約条件で制限された領域上の値域:

多変数複素関数と写像:

オプション  (2)

Method  (1)

デフォルトで,FunctionRangeが返す結果は簡約されていないことがある:

Methodを使って,結果が簡約された形で返されるように指定する:

WorkingPrecision  (1)

デフォルトで,FunctionRangeは結果を厳密値で計算しようと試みる:

有限のWorkingPrecisionでは,より遅い記号メソッドは使われない:

アプリケーション  (13)

基本的なアプリケーション  (7)

実関数の値域を求める:

値域内の実数値はすべて到達可能である:

不連続関数の値域を求める:

値域は2つの区間からなる:

区間上の TemplateBox[{x}, Fibonacci]の値域を求める:

から までは,プロットが値域内にある:

複素関数の値域を求める:

この関数は,値には到達しない:

メビウス(Möbius)変換を介した単位円板の画像を計算する:

画像は円板と半平面である:

FunctionRangeTrueを与えるならその関数は全射である:

FunctionSurjectiveを使って全射性を調べることができる:

全射関数はすべての値に到達する:

ある値の集合が関数の値域に含まれるなら,その関数はその値の集合上で全射である:

FindInstanceを使って区間 の値域に含まれることを示す:

上で全射であることをFunctionSurjectiveを使って確認する:

のすべての値に到達できる:

FindInstanceを使って区間 の値域に含まれないことを示す:

には到達しない:

上への全射ではないことをFunctionSurjectiveを使って確認する:

方程式の解と最適化  (3)

方程式n は, の実領域に属すときかつそのときに限って の実領域に解を持つ:

TemplateBox[{x}, LogGamma]の値域に属す.したがって,TemplateBox[{x}, LogGamma]=3は解を持つ:

TemplateBox[{x}, LogGamma]の値域には属さない.したがって,TemplateBox[{x}, LogGamma]=-1は解を持たない:

方程式 は, の複素領域に属すときかつそのときに限って複素解を持つ:

の値域に属す.したがって, は解を持つ:

の値域には属さない.したがって, は解を持たない:

関数の値の下限と上限を計算する:

関数の下限と上限はMinValueMaxValueを使っても計算できる:

微積分  (3)

連結区間上の連続関数の値域は連結区間でなければならない:

不連続関数の値域は連結区間上でも不連続のことがある:

不連続関数の値域は連結区間上で連続であることもある:

関数に極限があるなら,その極限は関数の値域の閉包に属していなければならない:

極限は値域そのものには属していないことがある:

区間上のTemplateBox[{x}, SinIntegral]の積分 の値を推定する:

は値域の最小値と最大値の間に区間長を掛けたものでなければならない:

Integrateで計算した積分の値が上記の不等式を満足することを確認する:

は区間内の関数の平均値に区間長を掛けたものに等しい:

特性と関係  (1)

関数のFunctionRangeTrueなら,その関数は全射である:

FunctionSurjectiveを使って関数が全射かどうかを確かめる:

考えられる問題  (1)

関数が実数値となる孤立点の値は結果には含まれないかもしれない:

のとき の孤立値を除いて非実数値である:

のときの の実数値はFunctionRangeが与える範囲外かもしれない:

Wolfram Research (2014), FunctionRange, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/FunctionRange.html.

テキスト

Wolfram Research (2014), FunctionRange, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/FunctionRange.html.

CMS

Wolfram Language. 2014. "FunctionRange." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/FunctionRange.html.

APA

Wolfram Language. (2014). FunctionRange. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/FunctionRange.html

BibTeX

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BibLaTeX

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