LogGammaDistribution
LogGammaDistribution[α,β,μ]
形状母数が α と β で位置母数が μ の対数ガンマ分布を表す.
詳細
- LogGammaDistributionは時にExpGammaDistributionと混同される.
- 値 の確率密度は, ではに比例し,その他の場合は0である.
- LogGammaDistribution[α,β,μ]はTransformedDistribution[Exp[x]+μ-1,xGammaDistribution[α,β]]に等しい.
- LogGammaDistributionでは,α と β は任意の正の実数でよく,μ は任意の非負の実数でよい.
- LogGammaDistributionでは,α,β,μ は無次元量でよい. »
- LogGammaDistributionは,Mean,CDF,RandomVariate等の関数とともに使うことができる.
予備知識
- LogGammaDistribution[α,β,μ]は,区間 上でサポートされ,非負の実数 μ (「位置母数」と呼ばれる)と正の実数 α および β(どちらも「形状母数」と呼ばれる)によってパラメータ化される連続統計分布を表す.母数は,分布の確率密度関数(PDF)の全体的な動作を決定する.対数ガンマ分布のPDFは,α および β の値によって,単一の「峰」(最大値)がある単峰性か,潜在的特異値が領域の下方境界に近付く単調減少のどちらかになる.また,対数ガンマ分布のPDFは,PDFが の大きい値について指数的というよりも代数的に減少するという意味で「太った」裾部を持つ(この動作は分布のSurvivalFunctionを分析することで数量的に正確にすることができる).密度がExpGammaDistributionのPDFに比例する分布は,誤ってLogGammaDistributionと呼ばれることがあるが,そのような分布と実際の対数ガンマ分布とは,そのPDFの二重指数動作によって区別することができる.
- (位置パラメータが0の)対数ガンマ分布 は,GammaDistributionのときは常に をモデル化する分布であると数学的に定義されている.1971年のConsul and Jainの論文によって,正規分布に従う確率変数の2つの集合が独立であることの決定と行列の回帰係数についての線形仮説の検定の両方に対数ガンマ分布を近似ツールに使うことができることが示された.対数ガンマ分布は,所得分布,待ち行列理論における到着と出発の時間を含むさまざまな現象をモデル化することができ,その一般化は,尤度が正規分布に従わない場合の母数間の相関についての事前知識の包含を許すために,ベイズ分析の事前分布に使われている.
- RandomVariateを使って,対数ガンマ分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,LogGammaDistribution[α,β,μ]](より簡略な表記では xLogGammaDistribution[α,β,μ])を使って,確率変数 x が対数ガンマ分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,Probability,NProbability,Expectation,NExpectation等の関数で使うことができる.
- 対数ガンマ分布の確率密度関数および累積分布関数は,PDF[LogGammaDistribution[α,β,μ],x]およびCDF[LogGammaDistribution[α,β,μ],x]を使って得られる.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMean,Median,Variance,Moment,CentralMomentを使って計算することができる.
- DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合が対数ガンマ分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリック対数ガンマ分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータを対数ガンマ分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号対数ガンマ分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号対数ガンマ分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
- TransformedDistributionを使って変換された対数ガンマ分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使って対数ガンマ分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使って対数ガンマ分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
- LogGammaDistributionは他の数多くの分布と関連している.LogGammaDistributionは,TransformedDistribution[Log[u+1],uLogGammaDistribution[α,β,0]]のPDFがPDF[GammaDistribution[α,β],x]のPDFと厳密に等しいという意味で,GammaDistributionの変換(TransformedDistribution)として実現することができる.この分布の対数的動作もまた,LogLogisticDistribution,LogMultinormalDistribution,LogNormalDistributionのそれと数量的に類似している.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (8)
サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:
無次元のQuantityを使ってLogGammaDistributionを定義する:
アプリケーション (1)
LogGammaDistributionを使って大きい州立大学の収入をモデル化する:
パートタイムとフルタイムの給与を調整し非零の値を選び,通貨単位を加える:
データのヒストグラムを推定分布の確率密度関数(PDF)と比較する:
特性と関係 (3)
テキスト
Wolfram Research (2010), LogGammaDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/LogGammaDistribution.html (2016年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2010. "LogGammaDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/LogGammaDistribution.html.
APA
Wolfram Language. (2010). LogGammaDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/LogGammaDistribution.html