LogSeriesDistribution

LogSeriesDistribution[θ]

母数 θ の対数級数分布を表す.

詳細

予備知識

  • LogSeriesDistribution[θ]は,整数値 について定義され,である実数母数 θ によって決定された離散統計分布を表す.対数級数分布の確率密度関数(PDF)は,離散的で単調減少である.この分布は,対数分布と呼ばれることがある.
  • この分布は,動物集団のモデリングツールとして,英国人科学者のR. A. Fisherによる1943年の論文ではじめて論じられた.それ以来,この分布は,植物学,生存分析,金融等を含むさまざまな分野で使われてきた.対数級数分布は,人口増加のような大規模現象や一定期間に特定の個人が購入した製品数のような小規模行動の説明に特に有効である.この分布は,(YuleFurry過程,線形出生死滅過程,Pólya過程のような確率過程との関係において)推計学で使われており,一科学の広範囲に渡る分野のさまざまな現象のモデル化にも般化されて使われている.
  • RandomVariateを使って,対数級数分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,BetaDistribution[α,β]](より簡略な表記では xBetaDistribution[α,β])を使って,確率変数 x が対数級数分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,ProbabilityNProbabilityExpectationNExpectation等の関数で使うことができる.
  • 確率密度関数および累積分布関数は,PDF[LogSeriesDistribution[θ],x]およびCDF[LogSeriesDistribution[θ],x]を使って得られる.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMeanMedianVarianceMomentCentralMomentを使って計算することができる.これらの数量は,DiscretePlotを使って可視化することができる.
  • DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合が対数級数分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリック対数級数分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータを対数級数分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号対数級数分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号対数級数分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
  • TransformedDistributionを使って変換された対数級数分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使って対数級数分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使って対数級数分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
  • LogSeriesDistributionは,他の数多くの統計分布と関連している.LogSeriesDistributionは,適切に定義された母数 n および p について,CompoundPoissonDistribution[μ,LogSeriesDistribution[θ]]NegativeBinomialDistribution[n,p]と等しいと
    いう意味で,複合ポアソン分布と組み合せて使ってNegativeBinomialDistributionを得ることができる.したがって,LogSeriesDistributionBinomialDistributionMultinomialDistributionNegativeMultinomialDistributionとも関連している.

例題

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  (3)

確率質量関数:

累積分布関数:

平均と分散:

スコープ  (7)

対数級数分布から擬似乱数のサンプルを生成する:

このヒストグラムと確率密度関数を比較する:

分布母数推定:

サンプルデータから分布母数を推定する:

サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:

歪度:

極限値:

歪度が最小値に達する:

尖度:

極限値:

尖度が最小値に達する:

母数の関数としての閉形式の種々のモーメント:

Moment

記号次数の閉形式:

CentralMoment

FactorialMoment

記号次数の閉形式:

Cumulant

ハザード関数:

分位関数:

アプリケーション  (2)

注文1つあたりの商品数が の対数級数分布に従う.1つの注文に少なくとも3つの商品が含まれる確率を求める:

1注文あたりいくつの商品が注文されることが最も多いかを求める:

1注文あたりの平均商品数を求める:

保険会社の1年間の保険1件あたりの事故による請求数:

ほとんどの場合,保険1件あたりの事故報告件数は0または1なので,このデータが対数級数分布でモデル化できそうである:

任意の保険1件につき2回以上の事故が報告される確率を求める:

特性と関係  (2)

正の整数以外の実数を得る確率は零である:

LogSeriesDistributionのあるCompoundPoissonDistributionの特殊ケース:

以下で定義された母数があると,NegativeBinomialDistributionである:

確率密度関数をプロットする:

考えられる問題  (2)

LogSeriesDistributionは,θ が厳密に0から1の間にない場合は定義されない:

記号出力に無効な母数値を代入すると意味のない結果となる:

Wolfram Research (2007), LogSeriesDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/LogSeriesDistribution.html.

テキスト

Wolfram Research (2007), LogSeriesDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/LogSeriesDistribution.html.

CMS

Wolfram Language. 2007. "LogSeriesDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/LogSeriesDistribution.html.

APA

Wolfram Language. (2007). LogSeriesDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/LogSeriesDistribution.html

BibTeX

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