MAProcess

MAProcess[{b1,,bq},v]

正規ホワイトノイズ分散 v,次数 q のMA(移動平均)過程を表す.

MAProcess[{b1,,bq},Σ]

多変量正規ホワイトノイズ共分散行列 Σ のベクトルMA過程を表す.

MAProcess[{b1,,bq},v,init]

初期データ init のMA過程を表す.

MAProcess[c,,]

定数 c のMA過程を表す.

詳細

  • MAProcessは有限インパルス応答(FIR)フィルタとしても知られている.
  • MAProcessは離散時間・連続状態のランダム過程である.
  • MA過程は差分方程式 で説明される.ただし,は状態出力,はホワイトノイズ入力,はシフト演算子であり,定数 c は指定がない限りゼロとみなされる.
  • 初期データ init は,リスト{,y[-2],y[-1]}として,あるいはタイムスタンプが{,-2,-1}であると考えられる単一路TemporalDataオブジェクトとして与えることができる.
  • スカラーMA過程は,実数係数 bi および c,さらに正の分散 v を持たなければならない.
  • 次元のベクトルMA過程は次元 × の実数係数行列 bi,長さ の実ベクトル c を持たなければならず,共分散行列 Σ は次元が × の正定値対称行列でなければならない.
  • 定数がゼロであるMA過程は,以下の条件の伝達関数 を持つ.
  • スカラー過程
    ベクトル過程.× 恒等行列
  • 時系列過程 tproc についてのMAProcess[tproc,q]は,対応する伝達関数の零点についての級数展開が次数 q まで一致するような,次数 q のMA過程を与える.
  • 使用可能な時系列過程 tproc には,ARProcessARMAProcessSARIMAProcessがある.
  • MAProcess[q]は,次数 q の,EstimatedProcessおよび関連関数で使われる移動平均過程を表す.
  • MAProcessは,CovarianceFunctionRandomFunctionTimeSeriesForecast等の関数で使うことができる.

例題

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  (3)

MA過程のシミュレーションを行う:

共分散関数:

相関関数:

偏相関関数:

スコープ  (37)

基本的な用法  (11)

経路の集合のシミュレーションを行う:

指定精度でシミュレーションを行う:

一次スカラー過程のシミュレーションを行う:

正負の値の母数についてのサンプル経路:

初期値は過程の値に影響しない:

二次元過程のシミュレーションを行う:

データから2Dサンプル経路関数を作る:

経路の色は時間の関数である:

時間を含む3Dサンプル経路関数を作る:

経路の色は時間の関数である:

三次元過程のシミュレーションを行う:

データからサンプル経路関数を作る:

経路の色は時間の関数である:

推定:

サンプルの共分散関数と推定過程の共分散関数を比較する:

TimeSeriesModelを使って自動的に次数を求める:

サンプルの共分散関数を最適時系列モデルと比較する:

最尤推定器を求める:

定数と分散を固定し,残りの母数を推定する:

対数尤度関数を推定された母数の位置とともにプロットする:

ベクトル移動平均過程を推定する:

各成分の共分散関数と比較する:

将来価値の予測:

予測経路を示す:

データと予測値をプロットする:

ベクトル値時系列過程についての予測を求める:

次の10ステップを予測する:

各成分について,データと予測をプロットする:

共分散とスペクトル  (6)

相関関数は閉形式である:

一次偏相関関数の閉形式:

共分散行列:

MAProcessの共分散行列は,対称多重対角行列である:

相関行列:

ベクトル値過程の共分散関数:

パワースペクトル密度:

ベクトルMAProcess

定常性と可逆性  (4)

MAProcessは任意に選択した母数について弱定常である:

ベクトル過程について:

時系列が可逆かどうか確かめる:

ベクトル過程を求める:

移動平均かていにいての可逆表現を求める:

モーメントは保存されている:

可逆条件を求める:

より高次数の条件を求める:

推定法  (6)

MAProcessの推定に使用可能なメソッド:

対数尤度を比較する:

モーメント法では,次のソルバを使うことができる:

このメソッドは固定母数を使うことができる:

母数間のある種の関係も使うことができる:

条件付きの最尤法では次のソルバを使うことができる:

このメソッドでは固定母数を使うことができる:

母数間のある種の関係も使うことができる:

最尤法では次のソルバを使うことができる:

このメソッドでは固定母数を使うことができる:

母数間のある種の関係も使うことができる:

スペクトル推定器では,PowerSpectralDensityの計算に使う窓を指定することができる:

スペクトル推定器では次のソルバを使うことができる:

このメソッドでは固定母数を使うことができる:

母数間のある種の関係も使うことができる:

最小予測法:

このメソッドでは固定母数を使うことができる:

過程スライス特性  (5)

1つの時間スライス分布(SliceDistribution):

複数の時間スライス分布:

ベクトル値時系列のスライス分布:

一次確率密度関数:

定常的な平均と分散:

正規分布に従う密度関数と比較する:

式の期待値を計算する:

確率を計算する:

歪度と尖度は一定である:

次数 r のモーメント:

母関数:

CentralMomentおよびその母関数:

FactorialMomentは,記号次数では閉形式を持たない:

Cumulantおよびその母関数:

表現  (5)

次数5のMA過程で自己回帰(AR)過程を近似する:

もとの過程と近似された過程の共分散関数を比較する:

ベクトル過程を近似する:

MA過程で自己回帰移動平均(ARMA)過程を近似する:

サンプル経路を比較する:

MA過程で季節自己回帰和分移動平均(SARIMA)過程を近似する:

サンプル経路を比較する:

TransferFunctionModel表現:

ベクトル値過程について:

StateSpaceModel表現:

ベクトル値過程について:

アプリケーション  (1)

次の時系列データについて考え,これがMAProcessによって適切にモデル化されているかどうかを判断する:

相関関数は遅れ3の後で降下する.これはMAProcess[3]であることの証明である:

偏相関は交互に起り,ゆっくり減衰する,これもまたMAProcessを示唆している:

MAProcess[3]モデルをデータにフィットする:

データとモデルの間の剰余を求める:

剰余が正規ホワイトノイズかどうかの検定を行う:

特性と関係  (5)

MAProcessARMAProcessの特殊ケースである:

MAProcessARIMAProcessの特殊ケースである:

MAProcessFARIMAProcessの特殊ケースである:

MAProcessSARMAProcessの特殊ケースである:

MAProcessSARIMAProcessの特殊ケースである:

考えられる問題  (3)

ToInvertibleTimeSeriesは常に存在する訳ではない:

単位円上にはTransferFunctionModelの零点がある:

モーメント法では,推定で解が求まらないことがある:

別のソルバを使う:

最小予測誤差推定法では母数の繰り返しは使えない:

別のメソッドを使う:

おもしろい例題  (2)

三次元MAProcessのシミュレーションを行う:

MA過程からの経路のシミュレーションを行う:

50におけるスライスを取り,その分布を可視化する:

50におけるスライス分布の経路とヒストグラムの分布をプロットする:

Wolfram Research (2012), MAProcess, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MAProcess.html (2014年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2012), MAProcess, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MAProcess.html (2014年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2012. "MAProcess." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2014. https://reference.wolfram.com/language/ref/MAProcess.html.

APA

Wolfram Language. (2012). MAProcess. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/MAProcess.html

BibTeX

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BibLaTeX

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