名前付き群
Wolfram言語は多数の重要な有限群に対する置換表現を提供している.これらの群の中には無限族に属し,1つ以上の整数によりパラメータ化されているものもあれば,その特性により一意に区別されるものもある.後者はその発見者の名前が付けられることが多い.
SymmetricGroup[n] | 次数 n の対称群 |
AlternatingGroup[n] | 次数 n の交代群 |
CyclicGroup[n] | 次数 n の巡回群 |
DihedralGroup[n] | 次数2n の n 面体の二面体群 |
AbelianGroup[{n1,n2,…}] | いくつかの巡回群の直積と同型のアーベル群 |
マシュー(Mathieu)群
次の5つのマシュー群は,19世紀後半に発見された最初の5つの散在型単純群である.これらはすべて多重可移群であり,最大の群の部分群となっている.Wolfram言語はそれらに対してデフォルトの置換表現を提供する.
MathieuGroupM11 | 11個の点に作用する第1のマシュー群M11 |
MathieuGroupM12 | 12個の点に作用する第2のマシュー群M12 |
MathieuGroupM22 | 22個の点に作用する第3のマシュー群M22 |
MathieuGroupM23 | 23個の点に作用する第4のマシュー群M23 |
MathieuGroupM24 | 24個の点に作用する第5のマシュー群M24 |
24個の点に作用するMathieuGroupM24の置換表現の明示的な生成元:
MathieuGroupM24が5次可移群であることを示すために,群自体の推移性とその群の最初の4つの固定部分群の推移性を調べる:
次は群における基底の点の固定部分群の位数である.これらは群MathieuGroupM24,MathieuGroupM23,MathieuGroupM22に対応しており,さらにマシュー群 ,マシュー群 ,マシュー群 とも呼ばれることのある後3つの群に対応している.後者3つは単純群ではない.また,位数3の巡回群,および自明群がある:
MathieuGroupM12で始まる同様の鎖が得られる.これにはMathieuGroupM11の他,マシュー群M10,マシュー群M9,マシュー群M8と呼ばれる非単純群,そして最後の自明群が含まれる:
MathieuGroupM24の最大の置換位数は23であることが知られている.次が例である:
他の散在型単純群
散在型単純群は26個(ティッツ群を含めると27個)ある.5つのマシュー群以外に,Wolfram言語は台の長さが中程度の群に対する置換表現を提供する.最大のものは実際に置換群として扱うには大きすぎるため,そのようなものは行列群として表した方が効率的である.次は5万個の点より少ない領域上での表現が知られている13の群(ティッツ群を含む)である.
HigmanSimsGroupHS | Higman–Simsの散在型単純群 |
McLaughlinGroupMcL | McLaughlinの散在型単純群 |
JankoGroupJ1 | Jankoの散在型単純群 |
JankoGroupJ2 | Jankoの散在型単純群 |
JankoGroupJ3 | Jankoの散在型単純群 |
ConwayGroupCo2 | Conwayの散在型単純群 |
ConwayGroupCo3 | Conwayの散在型単純群 |
SuzukiGroupSuz | Suzukiの散在型単純群 |
HeldGroupHe | Heldの散在型単純群 |
RudvalisGroupRu | Rudvalisの散在型単純群 |
FischerGroupFi22 | Fischerの散在型単純群 |
FischerGroupFi23 | Fischerの散在型単純群 |
TitsGroupT | Titsの単純群 |
例えば,以下は100個の点に作用するJankoGroupJ2の生成元である:
次は2300個の点に作用するConwayGroupCo2の固定部分群の鎖である.基底には6個の点しかないので,これら6個の点のイメージを知っているだけで群の中のそれぞれの置換を一意的に見付けるのに十分である:
ONanGroupON | O'Nanの散在型単純群 |
HaradaNortonGroupHN | 原田–ノートンの散在型単純群 |
ConwayGroupCo1 | Conwayの散在型単純群 |
FischerGroupFi24Prime | Fischerの散在型単純群 |
ThompsonGroupTh | Thompsonの散在型単純群 |
JankoGroupJ4 | Jankoの散在型単純群 |
LyonsGroupLy | Lyonsの散在型単純群 |
BabyMonsterGroupB | Baby monster散在型単純群 |
MonsterGroupM | Monster単純群 |