HalfNormalDistribution
母数 θ に反比例する尺度を持つ半正規分布を表す.
詳細
- 半正規分布における値 の確率密度は,のときは に比例し,のときは0である.
- HalfNormalDistributionの θ は任意の正の実数でよい.
- HalfNormalDistributionでは,θ は任意の単位次元の数量でよい. »
- HalfNormalDistributionは,Mean,CDF,RandomVariate等の関数で使うことができる. »
予備知識
- HalfNormalDistribution[θ]は,区間上で定義され,関連する確率密度関数(PED)の全体的な高さと傾斜を決定する正の実数 θ でパラメータ化された連続統計分布を表す.半正規分布のPDFは,平坦で単調減少であり, の大きい値についてPDFが指数的に減少するという意味で裾部が「薄い」(この動作は,分布のSurvivalFunctionを分析することで数量的に正確にできる).半正規分布は,折り重ねられた正規分布あるいは両側切断正規分布と呼ばれることがある(NormalDistributionを参照のこと).両者はともに,特殊ケースとしてHalfNormalDistributionを与えるような方法で立式できるNormalDistributionの一般化を参照する.
- 半正規分布は,1940年代にわずかではあるが彩り豊かな過去を持つ.しかし,1960年代になるまで,研究者の注目を集めることはなかった.半正規分布は,確率変量の符号が常に正であるNormalDistributionの特殊ケースとして派生し,自動車部品の製造における偏差等のさまざまな研究に使用され,経済学,産業界,生理学,品質管理等の分野でモデリングツールとして利用されている.半正規分布はベイズ統計で,ある種の分布の標準偏差についての事前分布としても使われている.
- RandomVariateを使って,半正規分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,HalfNormalDistribution[θ]](より簡略すると xHalfNormalDistribution[θ])を使って,確率変数 x が,半正規分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,Probability,NProbability,Expectation,NExpectation等の関数で使うことができる.
- 確率密度関数および累積分布関数は,PDF[HalfNormalDistribution[θ],x]およびCDF[HalfNormalDistribution[θ],x]を使って得られることがある.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMean,Median,Variance,Moment,CentralMomentを使って計算することができる.
- DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合が半正規分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリック半正規分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータを半正規分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号半正規分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号半正規分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
- TransformedDistributionを使って変換された半正規分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使って半正規分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使って半正規分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
- HalfNormalDistributionは他の多くの分布と密接な関係がある.例えば,HalfNormalDistribution[θ]は,PDFがTruncatedDistribution[{0,∞},NormalDistribution[0,]]とTransformedDistribution[Abs[x-μ],xNormalDistribution[μ,/θ]]の両方に厳密に等しいという意味で,NormalDistributionの打切りとも変換とも見ることができる.HalfNormalDistributionはまた,GammaDistribution(GammaDistribution[1/2,β,2,0]のPDFはHalfNormalDistribution[/β]のPDFと等しい)とNakagamiDistribution(NakagamiDistribution[1/2,π/(2 θ2)]のPDFはHalfNormalDistribution[θ]のそれと厳密に等しい)の両方の特殊ケースであり,HalfNormalDistribution[θ]はSkewNormalDistribution[0,/(θ),α]の,α がInfinityに近付いていく極限のケースである.HalfNormalDistributionは,PearsonDistribution,ChiDistribution,ChiSquareDistribution,StudentTDistribution,HoytDistributionとも関連がある.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (7)
サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:
母数でQuantityを一貫して使うとQuantityDistributionが与えられる:
アプリケーション (2)
特性と関係 (11)
半正規分布は切断NormalDistributionである:
半正規分布はNormalDistributionを変換したものである:
半正規分布はNormalDistributionを変換したものである:
の半正規分布は のChiDistributionと等価である:
半正規分布は一般化されたGammaDistributionの特殊ケースである:
スケールされた半正規分布はタイプ3のPearsonDistributionの特殊ケースである:
HalfNormalDistributionはNakagamiDistributionの特殊ケースである:
HalfNormalDistributionがSkewNormalDistributionの極限のケースである:
考えられる問題 (2)
テキスト
Wolfram Research (2007), HalfNormalDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/HalfNormalDistribution.html (2016年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2007. "HalfNormalDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/HalfNormalDistribution.html.
APA
Wolfram Language. (2007). HalfNormalDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/HalfNormalDistribution.html