NoncentralStudentTDistribution
NoncentralStudentTDistribution[ν,δ]
自由度 ν,非心母数 δ のスチューデント(Student)の非心 分布を表す.
詳細
- NoncentralStudentTDistributionでは,ν は任意の正の実数でよく,δ は任意の実数でよい.
- NoncentralStudentTDistributionでは,ν と δ は無次元量でよい.
- NoncentralStudentTDistributionは,Mean,CDF,RandomVariate等の関数で使うことができる. »
予備知識
- NoncentralStudentTDistribution[ν,δ]は,実数集合場で定義・サポートされ,実数 δ (「非心母数」と呼ばれる)および正の実数 ν(「自由度」)でパラメータ化された連続統計分布を表す.これらは,ともに,確率密度関数(PDF)の全体的な動作を決定する.一般に,非心スチューデント 分布のPDFは,単一の「峰」(大域的最大値)がある単峰性であるが,全体的な形(高さ,広がり,最大値の水平位置)は ν および δ の値で決定される.加えて,PDFの裾部は,PDFが の大きい値について指数的というよりむしろ代数的に減少するという意味で「太い」(この動作は,分布のSurvivalFunctionを分析することで数量的に厳密にできる).NoncentralStudentTDistributionはスチューデント 分布(StudentTDistribution,中心化されたスチューデント 分布と呼ばれることもある)の歪んだ一般化と呼ぶことができ,非心 分布と呼ばれることもある.
- 非心スチューデント 分布は,1930年代にはじめて考案され,1940年代にJohnsonおよびWelchの論文ではじめて定性的に詳しく分析された.この分布は,もともとは,確率変量 の動作を説明する分布 (zNormalDistribution[],ただし,wChiSquareDistribution[ν]/ν で,δ は非心母数)として実現された.以来,非心 分布は,ベイズ推論,正規化検定,母集団が(中心) 分布から取られた帰無仮定検定の力のモデリング等をはじめとして,さまざまに利用されてきた.この分布は,また,品質管理,微生物学,マクロ経済学,医薬品学にも使われている.
- RandomVariateを使って,非心スチューデント 分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,NoncentralStudentTDistribution[ν,δ]]より簡略な表記では xNoncentralStudentTDistribution[ν,δ])を使って,確率変数 x が非心スチューデント 分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,Probability,NProbability,Expectation,NExpectation等の関数で使うことができる.
- 非心スチューデント 分布の確率密度関数および累積分布関数は,PDF[NoncentralStudentTDistribution[ν,δ],x]およびCDF[NoncentralStudentTDistribution[ν,δ],x]を使って得られる.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMean,Median,Variance,Moment,
- DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合が非心スチューデント 分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリック非心スチューデント 分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータを非心スチューデント 分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号非心スチューデント 分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号非心スチューデント 分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.CentralMomentを使って計算することができる.
- TransformedDistributionを使って変換された非心スチューデント 分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使って非心スチューデント 分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使って非心スチューデント 分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
- NoncentralStudentTDistributionは他の数多くの関数と関連している.これは,NoncentralStudentTDistribution[ν,0]のPDFがStudentTDistribution[ν]のPDFと厳密に等しいという意味で,StudentTDistributionの直接の一般化である.NoncentralStudentTDistributionは,NormalDistribution,ChiSquareDistribution,PearsonDistribution,MultivariateTDistribution,FRatioDistribution,GammaDistribution,HotellingTSquareDistributionとも関連している.
例題
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ある箱入りのシリアルの重さ(単位:g)は平均 が不明の正規分布に従うことが知られている.帰無仮説 ,対立仮説 で検定を行う.サンプルの重さの平均が363,平均偏差が32で無作為に15箱を選んだ:
かつ として検定のベキ乗を計算する.この場合,検定統計はNoncentralStudentTDistribution[n-1,δ]に従う:
特性と関係 (3)
NoncentralStudentTDistribution[ν,0]はStudentTDistribution[ν]に等しい:
非心 分布はNormalDistributionとChiSquareDistributionから得ることができる:
考えられる問題 (4)
NoncentralStudentTDistributionは ν が正の実数でない場合は定義されない:
NoncentralStudentTDistributionは δ が実数でない場合は定義されない:
スチューデントの非心 分布の特性関数には,閉形式の表現はない:
テキスト
Wolfram Research (2007), NoncentralStudentTDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/NoncentralStudentTDistribution.html (2016年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2007. "NoncentralStudentTDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/NoncentralStudentTDistribution.html.
APA
Wolfram Language. (2007). NoncentralStudentTDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/NoncentralStudentTDistribution.html