SparseArray

SparseArray[{pos1v1,pos2v2,}]

位置 posiの値 viを除いてすべての要素が0である疎な配列を与える.

SparseArray[list]

list の疎な配列版を与える.

SparseArray[data,{d1,d2,}]

d1×d2× 配列を表す疎な配列を与える.

SparseArray[data,dims,val]

指定されていない要素は値 val を持つと解釈される疎な配列を与える.

詳細

  • SparseArrayは疎な行列としても知られている.
  • 疎な配列は,通常,ほとんどの項目が0の効率的な線形代数やグラフ隣接行列で使われる.
  • 疎な配列は非零の値がある位置だけを保存するが配列全体を表す.
  • data は次の形式でよい.
  • rules位置と値を指定する規則
    list配列をSparseArray に変換する
    SymmetrizedArray[]SparseArrayに変換する
    QuantityArray[]QuantitySparseArray に変換する
    SparseArray[]明示的な非零要素を最小にする
  • s=SparseArray[rules,]のときは以下の指定を使うことができる.
  • {{i1 1,,i1 r}v1,{i2 1,,i2 r}v2,}s[[i1 1, , i1 r]]は値v1を,s[[i2 1, , i2 r]]は値 v2を持つ等
    pattvパターン patt に一致する{ik 1,,ik r}すべてについて{{i1 1,,i1 r}v,{i2 1,,i2 r}v,}
    patt:>v一致する各位置について値 v を評価する
    Band[]vals帯と部分ブロックについて値を指定する
    {pos1,pos2,}{v1,v2,}{pos1v1,pos2v2,}に等しい
  • 以下は,SparseArray変換である.
  • Normal[SparseArray[]]通常のList配列に変換する
    SymmetrizedArray[SparseArray[]]対称化された配列に変換する
    ArrayRules[SparseArray[]]規則のリスト{pos1->v1,pos2->v2,}を与える
  • SparseArrayオブジェクトは通常の配列の表現なので,多くの関数が通常の配列と同じように扱う.例として,DimensionsPartPlusLinearSolve等の関数が挙げられる.
  • SparseArray[data,]SparseArray[Automatic,dims,val,]という構造の最適化された標準形に常に変換される.
  • SparseArrayは,AtomQのような関数によってあるいはパターンマッチングの目的では,生のオブジェクトとして扱われる.
  • デフォルトで,SparseArrayは指定されていない要素 val は0であるとみなす.
  • SparseArrayの要素は数値ではなくてもよいが,それ自体がリストであってはならない.
  • SparseArray[][prop]SparseArrayオブジェクトの特性 prop を与える.次は,使用可能な特性である.
  • "ImplicitValue"明示的には与えられていない要素の値を与える
    "ExplicitLength"明示的な値の数を与える
    "ExplicitValues"明示的な値のリストを与える
    "ExplicitPositions"明示的な値に対応する位置のリストを与える
    "ColumnIndices"圧縮された疎な行による表現からの列の指標を与える
    "RowPointers"圧縮された疎な行による表現からの行のポインタリストを与える
    "BandWidth"疎な行列についてのオフ対角帯幅を与える
    "Density"要素の総数に対する明示的な値の割合を与える

例題

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  (1)

2,3の指定した位置にしか値を持たない疎行列を構築する:

これを行列として見る:

これを一般的な密行列に変換する:

スコープ  (7)

大きい疎なベクトルを作る:

大きい疎な行列を作る:

深さ3の大きい疎な配列を作る:

指標にパターンを使った3重対角行列を作る:

10,000×10,000バージョンを作る:

疎対角行列を作る:

これはDiagonalMatrixに等しい:

疎行列であることを除き,メモリの消費量は,はるかに少ない:

Bandの規則を用いてブロック対角行列を作る:

通常の行列を疎行列に変換する:

ランダムな位置の値を持つ四階の疎なテンソルを作る:

ArrayRulesSparseArrayを指定するのに必要最低限の規則のリストを作る:

多くの一般的な演算では,SparseArrayオブジェクトはそれと同等のリストと同じように扱われる:

算術は,リストに対するのと同じように要素単位で行われる:

行列の積はDotで計算される:

多くの線形代数関数は,疎な形でも効果的に使える:

その他の多くのリストコマンドも自動的に適用される:

一般化と拡張  (2)

指定されていない要素は任意の値を持つことができる:

すべて機械数の値で疎行列を構築する:

厳密な整数値で疎な行列を構築する:

N[s]nsに等しい:

アプリケーション  (4)

非零要素が1つのリストを作る:

規則のリストをプロットする:

隣接行列でネットワークを表す:

有限差分を使って境界値問題 を解く:

特性と関係  (3)

SparseArrayオブジェクトは対応する一般的なリストに等しい(Equal):

式の構造が異なるので,これらはSameQではない:

SparseArrayオブジェクトと使われる関数 f については,一般に f[s]==f[Normal[s]]である:

これは,属性がListableのすべての関数を含む:

CoefficientArraysを使って線形の式をSparseArrayオブジェクトに変換する:

Dotを使ってSparseArrayから式に変換する:

考えられる問題  (8)

SparseArrayの規則のリストである位置が繰り返される場合は,最初のものが使われる:

SparseArrayオブジェクトは,一般の形式では表現できないほど大きいデータでも表すことができる:

Normalを使うとSystemExceptionが返される:

疎な操作は,デフォルトで,約分は計算しない:

SparseArrayを使って疎な構造を再計算する:

SparseArray表現の内部構造は一意的ではなく,SameQはこれを検出する:

SparseArrayを使って疎な構造を再計算する:

Equalが予想通りに動作することに注意のこと:

SparseArray表現の内部構造は一意的ではなく,部分的な設定でその構造が変わる可能性がある:

SparseArrayの例が等しいかどうかをテストする:

SparseArrayを使って疎な構造を再計算する:

Equalが予想どうりに動作する点に注意のこと:

副次的な影響のある操作をSparseArrayに繰り返し使うと異なる結果が返されることがある:

ReapSowを使ってどの要素がアクセスされているかを見ることができる:

SparseArrayオブジェクトについて,Partは表されたリストの部分を返す:

FullFormは基本的な保存情報からオブジェクトを再構成する方法である:

表現に作用しない関数については,SparseArrayオブジェクトは原子的なものとして扱われる:

表示された行列にはCasesは使えない:

ArrayRulesの結果を使って展開せずに情報を得られることがよくある:

おもしろい例題  (1)

ライフゲーム:

Wolfram Research (2003), SparseArray, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SparseArray.html (2021年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2003), SparseArray, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SparseArray.html (2021年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2003. "SparseArray." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2021. https://reference.wolfram.com/language/ref/SparseArray.html.

APA

Wolfram Language. (2003). SparseArray. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/SparseArray.html

BibTeX

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BibLaTeX

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