SuzukiDistribution

SuzukiDistribution[μ,ν]

形状母数が μν の鈴木分布を表す.

詳細

予備知識

  • SuzukiDistribution[μ,ν]は,区間でサポートされ,実数 μ と正の実数 ν(どちらも「形状母数」と呼ばれる)でパラメータ化された連続統計分布を表す.この母数はともに確率密度関数(PDF)の全体的な動作を決定する.鈴木分布のPDFは,μ および ν, の値によって,単一の「峰(大域的最大値)を持つ単峰性や潜在的特異値が領域の下限に近付く単調現象を含むさまざまな形になることがある.さらに,PDFの裾部は,μ および ν の値によって「太い」(PDFが の大きい値について非指数的に減少する)ことも,「薄い」(PDFが の大きい値について指数的に減少する)こともある(この動作は分布のSurvivalFunctionを解析することで量的に厳密にすることができる).
  • 鈴木分布は,1970年代の終りに,東北大学の鈴木によって都市部の電波伝搬についてのモデルとしてはじめて提唱された.この分布は,誕生以来,無線通信に関連するさまざまな現象のモデル化において不可欠なものとなっている.また,マクロ経済学のような分野においても役立つことが証明されている.
  • RandomVariateを使って,鈴木分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,SuzukiDistribution[μ,ν]](より簡略な表記では xSuzukiDistribution[μ,ν])を使って,確率変数 x が鈴木分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,ProbabilityNProbabilityExpectationNExpectation等の関数で使うことができる.
  • 確率密度関数および累積分布関数は,PDF[SuzukiDistribution[μ,ν],x]およびCDF[SuzukiDistribution[μ,ν],x]を使って得られる.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMeanMedianVarianceMomentCentralMomentを使って計算することができる.
  • DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合が鈴木分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリック鈴木分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータを鈴木分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号鈴木分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号鈴木分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
  • TransformedDistributionを使って変換された鈴木分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使って鈴木分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使って鈴木分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
  • SuzukiDistributionは,他の数多くの分布と関連している.定義上,SuzukiDistributionは,SuzukiDistribution[μ,ν]σLogNormalDistribution[μ,ν]であればRayleighDistribution[σ]と等しいという意味で,RayleighDistributionLogNormalDistributionの母数混合(ParameterMixtureDistribution)である.この関係から,SuzukiDistributionNormalDistributionBinormalDistributionLaplaceDistributionKDistributionStableDistribution, RiceDistribution, MaxwellDistribution, LevyDistribution, ChiDistributionChiSquareDistributionとも関係がある.

例題

すべて開くすべて閉じる

  (3)

確率密度関数:

累積分布関数:

平均と分散:

スコープ  (7)

鈴木分布から擬似乱数のサンプルを生成する:

ヒストグラムと確率密度関数を比較する:

分布母数推定:

サンプルデータから分布母数を推定する:

サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:

歪度は第2母数にのみ依存する:

歪度は極限値に近付くにつれて増加する関数である:

尖度は第2母数にのみ依存する:

尖度は極限値に近付くにつれて増加する関数である:

母数の関数としての閉形式の種々のモーメント:

Moment

記号次数の閉形式:

CentralMoment

FactorialMoment

Cumulant

ハザード関数には閉形式はないが,数値的に評価することはできる:

分位関数:

アプリケーション  (1)

フェージングチャネル理論では,SuzukiDistributionを使ってフェージング振幅がモデル化される.瞬間的な信号対ノイズ比の分布を求める.ただし, は記号あたりのエネルギー, はホワイトノイズのスペクトル密度である:

平均を求める:

フェージングの量を求める:

極限値:

特性と関係  (3)

鈴木分布は正の因子によるスケーリングの下では閉じている:

SuzukiDistributionRayleighDistributionLogNormalDistributionの母数混合分布である:

鈴木分布はRayleighDistributionLogNormalDistributionから求めることができる:

おもしろい例題  (1)

累積分布関数の等高線を持つ μ のさまざまな値についての確率密度関数:

Wolfram Research (2010), SuzukiDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SuzukiDistribution.html (2016年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2010), SuzukiDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SuzukiDistribution.html (2016年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2010. "SuzukiDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/SuzukiDistribution.html.

APA

Wolfram Language. (2010). SuzukiDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/SuzukiDistribution.html

BibTeX

@misc{reference.wolfram_2024_suzukidistribution, author="Wolfram Research", title="{SuzukiDistribution}", year="2016", howpublished="\url{https://reference.wolfram.com/language/ref/SuzukiDistribution.html}", note=[Accessed: 18-November-2024 ]}

BibLaTeX

@online{reference.wolfram_2024_suzukidistribution, organization={Wolfram Research}, title={SuzukiDistribution}, year={2016}, url={https://reference.wolfram.com/language/ref/SuzukiDistribution.html}, note=[Accessed: 18-November-2024 ]}