SystemModelCalibrate

SystemModelCalibrate[data,smodel,pars]

システムモデル smodel のパラメータ parsdata に従って較正する.

SystemModelCalibrate[data,{smodel,cons},pars]

パラメータ pars を条件 cons に従って較正する.

SystemModelCalibrate[,spec]

指定 spec に従って較正する.

SystemModelCalibrate[,"prop"]

特性"prop"の値を与える.

詳細とオプション

  • SystemModelCalibrateは,シミュレーションの結果が現実世界のデータと一致するようにモデルのパラメータ値を較正するために使われる.
  • 現実世界のシステムからの測定 dataだとする.目的は,測定データとできるだけ近いシミュレーションデータ を使ってにモデル smodel 内のパラメータ pars を較正することである.
  • 較正されたパラメータは である.ただし,は非負の重みで は典型的な形が の損失関数であるが,これはサンプルデータで と近似できる.
  • データと較正モデルがどの程度一致するかについての品質測定値は特性として計算できる.
  • システムモデル smodel の形式は以下でよい.
  • SystemModel[]一般的な系のモデル
    StateSpaceModel[]状態空間モデル
    TransferFunctionModel[]伝達関数モデル
    AffineStateSpaceModel[]アフィン状態空間モデル
    NonlinearStateSpaceModel[]非線形状態空間モデル
    DiscreteInputOutputModel[]離散入出力モデル
  • data<|x1data1,|>の形の連想である.ただし,xismodel 中の変数で dataiはデータに対応する.
  • parssmodel 中の調整可能なパラメータのリストである.可能な形式は以下である.
  • {θ1,}smodel 中の値から始まる較正パラメータ
    {{θ1,},}から始まる較正パラメータ θi
  • spec は以下のキーを持つことができるAssociationである.
  • "SimulationInterval"{tmin,tmax}時点 tminから tmaxまでシミュレーションを行う
    "ParameterValues"{p1val1,}パラメータ piは値 valiを持つ
    "InitialValues"{x1val1,}変数 xiは初期値 valiを持つ
    "Inputs"{in1fun1,}入力 iniは時点 t で値 funi[t]を持つ
    "CalibratedModelName"name較正されたSystemModelの名前
    "ExtendModel"False較正されたSystemModelsmodel を拡張するかどうか
    "Weights"{w1,}data 内の各較正変数の正の多目的合計重み wi
  • 次は,"CalibratedModelName" name の可能な形である.
  • Automaticモデル名を自動生成する(デフォルト)
    "name"較正されたモデルに名前"name"を付ける
    Nonesmodel 内に較正された値を設定する
  • デフォルトで,SystemModelCalibrate[data,smodel,pars,spec]はパラメータが較正された値に設定されたモデルを返す.
  • 特性
  • SystemModelCalibrate[,"CalibratedSystemModel"]csmodel["prop"]の形で追加的な特性が抽出できるCalibratedSystemModelオブジェクト csmodel を返す.
  • SystemModelCalibrate[,"prop"]を使って csmodel["prop"]の値を直接得ることができる.
  • 次は,SystemModelCalibrate[,"prop"]で取り出せる典型的な特性である.
  • "CalibratedModel"較正されたパラメータを持つ新規モデル
    "CalibratedParameters"パラメータの推定値
    "ParameterConfidence"パラメータの信頼情報
    "MeanPredictionBandsPlot"較正データを使用した平均予測信頼帯プロット
    "SinglePredictionBandsPlot"較正データを使用した単一の観測に基づく信頼帯のプロット
  • 次は,データと較正されたモデルに関連する特性である.
  • "CalibratedSimulationData"較正モデルのシミュレーション結果
    "CalibrationData"data のデータを較正する
    "ValidationData"検証集合データ
    "CalibratedModelName"較正されたパラメータを持つ新規モデルのモデル名
    "CalibrationDataResponse"較正データ内の応答値
    "ValidationDataResponse"検証データ内の応答値
    "CalibratedDataResponse"較正データについての較正モデルの値
    "CalibratedValidationDataResponse"検証データについての較正モデルの値
  • 次は,残差のタイプである.
  • "CalibrationDataResiduals"実際の応答と予測応答の差
    "ValidationDataResiduals"検定応答と予測応答の差
    "StandardizedResiduals"較正データの残差を各残差の標準誤差で割った値
  • 予測値の特性には以下がある.
  • "CorrelationMatrix"漸近パラメータ相関行列
    "MeanPredictionBands"平均予測についての信頼帯
    "MeanPredictionConfidence"較正データの平均予測についての信頼情報
    "SinglePredictionBands"単一の観測に基づいた信頼帯
    "SinglePredictionConfidence"較正データを使った単一の観測の予測応答についての信頼情報
  • 較正の状態を測定する特性には以下がある.
  • "MSE"較正変数ごとの二乗平均誤差,つまり
    "RMSE"較正変数ごとの二乗平均平方根誤差,つまり
    "RRMSE"較正変数ごとの相対的二乗平均平方誤差,つまり
  • 次は,較正詳細を格納する特性である.
  • "CalibrationParameterConstraints"cons を含む較正パラメータ制約
    "CalibrationVariables"data の較正変数
    "InitialCalibrationParameters"較正パラメータ pars とその較正された初期値
    "InputModel"モデル smodel
    "InputModelName"SystemModel smodel のモデル名
    "SimulationInterval"較正で使われるシミュレーション区間
  • オプション
  • 次は,使用可能なオプションである.
  • ConfidenceLevel 95/100パラメータと予測の信頼水準
    FitRegularization Nonepars の正規化
    Method Automatic使用するシミュレーションと較正のメソッド
    NormFunction Norm最小化するノルム
    ProgressReporting $ProgressReporting進捗状況のコントロール表示
    ValidationSet None検証データ
    VarianceEstimatorFunction Automatic誤差分散を推定する関数
  • ConfidenceLevel->p のとき,確率 p の信頼区間はパラメータと予測区間について計算される.
  • FitRegularizationNormFunctionを使って較正ターゲットが に変更できる.ただし,g(theta)=lambda TemplateBox[{theta, 2}, Norm2]^2 (Tikhonov)あるいは g(theta)=lambda TemplateBox[{theta, 1}, Norm2] (Lasso)のような正規化関数であり,損失関数は で与えられる.ここで, はノルム関数である.
  • ValidationSetには以下の設定を使うことができる.
  • None品質の測定の既存の較正データだけを使う(デフォルト)
    data較正データ data と同じ形式の検証集合
    Scaled[frac]検証のために較正データの指定部分を留保する
  • VarianceEstimatorFunction->f の設定のとき,共通分散は f[res,w]で推定される.ここで,res は残渣のリスト,w は重みのリストである.
  • Method設定はMethod <|"sub1"val1,|>の形を取る.
  • 次は,メソッドのサブオプションである.
  • "CalibrationMethod"Automatic較正メソッド
    "SimulationMethod"Automaticシミュレーションメソッド
  • "CalibrationMethod"設定はFindMinimumにおけるMethodの設定と同じである.
  • "SimulationMethod"設定はSystemModelSimulateにおけるMethod設定と同じである.
  • 分布仮定は,デフォルトの損失関数を最小化することによって較正された制約のないモデルに基づいている.

例題

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  (2)

成分の角速度のデータを使ってハイブリッドモーターのモデルを較正する:

抵抗と減衰の値を較正する:

較正されたパラメータでシミュレーションを行い,データと比較する:

NonlinearStateSpaceModelの出力データを使ってモデルを較正する:

パラメータ値を較正する:

単一の予測体を計算し,それをデータおよび較正されたシミュレーション応答と一緒にプロットする:

スコープ  (14)

データ  (3)

較正したい変数の数だけデータを与える:

パラメータ値を較正する:

較正したパラメータのシミュレーションを行ってデータと比較する:

単位の付いたデータを使ってハイブリッドモーターのモデルの較正を行う:

抵抗と減衰の値を較正する:

時点と値のペアの時系列をデータとして使ってモデルを較正する:

2つのパラメータの値を較正する:

モデル  (4)

入力信号で生成されたデータを使ってDiscreteInputOutputModelを較正する:

入力信号を指定してパラメータ値を較正する:

信号の予測帯を計算し,それをデータおよび較正されたシミュレーション応答とともにプロットする:

入力信号で生成されたデータを使ってTransferFunctionModelを較正する:

入力信号を指定してパラメータ値を較正する:

信号の予測帯を計算してそれをデータおよび較正されたシミュレーション応答とともにプロットする:

入力信号で生成されたデータを使ってStateSpaceModelを較正する:

入力信号を指定してパラメータ値を較正する:

信号の予測帯を計算してそれをデータおよび較正されたシミュレーション応答とともにプロットする:

AffineStateSpaceModelの出力データを使ってモデルを較正する:

パラメータ値を較正する:

信号の予測帯を計算してそれをデータおよび較正されたシミュレーション応答とともにプロットする:

パラメータと制約条件  (2)

較正パラメータの初期推定値を示す:

2つのパラメータ値を較正する:

較正パラメータの制約条件を導入する:

2つのパラメータ値を較正する:

信頼区間は制約のないモデルを想定して計算される:

指定  (4)

較正モデルのモデル名を指定する:

較正モデル名を指定して減衰パラメータの値を較正する:

入力モデルを拡張する較正モデルを作成する:

入力信号で生成されたデータを使ってモデルを較正する:

入力信号を指定してパラメータ値を較正する:

パラメータに固定値を指定して他のパラメータを較正する:

初期値とシミュレーション区間を指定してモデルを較正する:

パラメータ値を較正する:

いくつかの変数の較正に重みを与える:

パラメータ値を較正する:

信号の予測帯を計算してそれをデータおよび較正されたシミュレーション応答とともにプロットする:

特性  (1)

使用可能な特性のリストを求める:

これらはCalibratedSystemModelを使ってより簡便に抽出できる:

単一の予測帯プロットを抽出する:

カスタムの信頼水準を持つ単一の予測帯プロットを抽出する:

カスタム分散推定関数を使用して単一の予測帯プロットを抽出する:

較正モデルと較正パラメータを抽出する:

単一の予測帯を抽出する:

時点で t 評価された単一の予測帯を抽出する:

各較正変数の二乗平均平方根誤差を抽出する:

検証集合を与えて各較正変数の二乗平均平方根誤差を抽出する:

推定値,標準誤差,信頼区間,パラメータ推定値の 統計量,パラメータ 統計量の 値等,パラメータ信頼度情報を抽出する:

オプション  (8)

ConfidenceLevel  (1)

モデルの状態データを使ってパラメータを較正する:

誤差分散のデフォルトの推定値を使う:

カスタムの信頼水準0.5を指定する:

FitRegularization  (1)

出力のデータを使ってモデルを較正する:

正規化なしの損失関数を使ってパラメータを較正する:

Lasso正規化を使ってパラメータを較正する:

Tikhonov正規化を使ってパラメータを較正する:

Method  (2)

コンポーネントの角速度のデータを使ってハイブリッドモーターのモデルを較正する:

デフォルトのシミュレーションメソッドを使って減衰パラメータの値を較正する:

シミュレーションの補間点の数を指定して較正する:

出力データを使ってモデルを較正する:

デフォルトのフィットメソッドを使ってパラメータを較正する:

共役勾配メソッドを使ってパラメータを較正する:

NormFunction  (1)

出力データを使ってモデルを較正する:

デフォルトのノルムを損失関数で使ってパラメータを較正する:

ノルムを損失関数で使ってパラメータを較正する:

1ノルムを損失関数で使ってパラメータを較正する:

ProgressReporting  (1)

コンポーネントの角速度を使ってハイブリッドモーターのモデルを較正する:

デフォルトの進捗報告で抵抗と減衰の値を較正する:

進捗報告なしで較正する:

ValidationSet  (1)

出力データを使ってモデルを較正する:

検証データは使わずにパラメータを較正する:

検証用に較正データの一部を取っておいてパラメーターを較正する:

検証データの選択に特定の乱数シードを使って予測可能な結果を得る:

カスタムの検証集合を使ってパラメータを較正する:

VarianceEstimatorFunction  (1)

モデルの状態データを使ってパラメータを較正する:

デフォルトの信頼水準を使う:

平均絶対誤差によって分散を推定する:

アプリケーション  (5)

閉じたフローの暖房システム  (1)

温度データを使って暖房システムの燃焼機の熱流量を推定する:

信号の予測帯を計算してそれをデータおよび較正されたシミュレーション応答とともにプロットする:

残差と時間をプロットする:

モデルの簡約  (1)

シミュレーション結果を入力データとして使用してより単純な回路を較正することで,スピーカーの動作を再現する:

恒星の前に両方のモデルの動作を比較する:

シミュレーション結果をデータとして取り出し,それを較正に使う:

較正されたモデルとスピーカーを比較する:

コンベアベルトの摩擦  (1)

加速するコンベアベルトの上部にバネで保持された物体のモデルで摩擦に対する粘性の寄与を較正する:

全動摩擦は,粘性成分,クーロン成分,ストライベック成分の組合せとしてモデル化できる:

運動方程式には静摩擦のイベント生成効果を含める必要がある.静摩擦は外力によって上限が破られるまでベルトに対して本体を静的に保つ:

物体の位置と速度の初期値と静摩擦の影響を追跡する離散変数を設定する:

パラメータ値を設定してシステムモデルを作成する:

物体の位置のデータを使用して粘性項の寄与を較正する:

粘性摩擦係数の95%信頼区間を求める:

信号の予測帯を計算してそれをデータおよび較正されたシミュレーション応答とともにプロットする:

較正されたシミュレーションデータについて,位置の極値と速度を計算する:

コントローラのリバースエンジニアリング  (1)

ステップ応答データがある制御システムのコントローラのパラメータを推定する:

工場のモデルを記号パラメータを持つコントローラに接続する:

モデルのパラメータを制御された系のステップ応答データで較正する:

較正モデルのシミュレーション結果をリバースエンジニアリングの結果のモデルと比較する:

簡略された三体問題  (1)

簡略された三体惑星系の衛星の1つの軌跡から,星を周回する惑星の質量を推定する:

衛星の力学はニュートンの重力法則によって決まる:

系のパラメータ値と衛星の軌跡の初期値を設定する:

方程式,パラメータ,初期値からモデルを作成する:

較正の前にモデルのシミュレーションを行なって三体の軌跡をプロットする:

衛星の軌跡についてのデータでモデルを較正する:

シミュレーションデータを取り出して較正されたモデルの軌跡をプロットする:

データを較正された軌跡と比較する:

Wolfram Research (2023), SystemModelCalibrate, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SystemModelCalibrate.html.

テキスト

Wolfram Research (2023), SystemModelCalibrate, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SystemModelCalibrate.html.

CMS

Wolfram Language. 2023. "SystemModelCalibrate." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/SystemModelCalibrate.html.

APA

Wolfram Language. (2023). SystemModelCalibrate. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/SystemModelCalibrate.html

BibTeX

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