TriangularDistribution
TriangularDistribution[{min,max}]
min と max の間の値を与える対称の統計的三角分布を表す.
0と1の間の値を与える対称の統計的三角分布を表す.
TriangularDistribution[{min,max},c]
c で最頻値となる三角分布を表す.
詳細
- 均一に分布された確率変数のペアの平均は,対称の三角分布に従う. »
- TriangularDistributionでは,min,max,c は min<c<max である任意の実数でよい.
- TriangularDistributionでは,min,max,c は単位次元が等しい任意の数量でよい. »
- TriangularDistributionは,Mean,CDF,RandomVariate等の関数で使うことができる. »
予備知識
- TriangularDistribution[{min,max},c]は,区間 min≤x≤max でサポートされ,サポートの下端点,サポートの上端点,その最頻値の 座標をそれぞれを指定する3つの実数 min,max,c (min<c<max)でパラメータ化された連続統計分布を表す.一般に,三角分布のPDFは三角(区間線形,下に凹,単峰性)で単一の「峰」(大域的最大値)を持つ.その全体的な形(高さ,広がり,最大値の水平位置)は min,max,c の値で決定される.母数が1つの形TriangularDistribution[{min,max}]は についてTriangularDistribution[{min,max},c]に等しく,母数がない形TriangularDistribution[]はTriangularDistribution[{0,1},1/2]に等しい.対称の三角分布は尖叉分布と呼ばれることがある.
- 三角分布は,近年では1930年代の中頃にはじめて扱われているが,18世紀の英国の研究者Thomas Simpsonの業績まで遡ることができる.歴史的には,この分布は他の分布でモデル化された変量に関連した,あるいはそこから派生した確率的な数量をモデル化するツールとして使われてきた.(例えば,三角分布は2つの一様確率変量の平均をモデル化する分布である.)しかし,近年では,三角分布はさまざまな分野のモデル化に使われている.例えば,三角分布はプロジェクトの評価や審査技術を扱うさまざまな文献で中心的に扱われている.この分布は,モンテカルロシミュレーションでよく使われるツールであり,離散系のシミュレーション,不確実性と機械学習,金融,サプライチェーンの管理等の分野における現象のモデル化に使われてきている.
- RandomVariateを使って,三角分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,TriangularDistribution[{min,max},c]](より簡略な表記では xTriangularDistribution[{min,max},c])を使って,確率変数 x が三角分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,Probability,NProbability,Expectation,NExpectation等の関数で使うことができる.
- 確率密度関数および累積分布関数は,PDF[TriangularDistribution[{min,max},c],x]およびCDF[TriangularDistribution[{min,max},c],x]を使って得られることがある.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMean,Median,Variance,Moment,CentralMomentを使って計算することができる.
- DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合が三角分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリック三角分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータを三角分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号三角分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号三角分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
- TransformedDistributionを使って変換された三角分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使って三角分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使って三角分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
- TriangularDistributionは,他の数多くの分布と関連している.2つの一様変数の平均はTriangularDistributionに従うので,UniformSumDistribution[2,{min,max}]およびUniformSumDistribution[2,{min,max}]の2つの分布は比例特性関数(CharacteristicFunction)にを持つ.TriangularDistributionは,TriangularDistribution[]の特性関数が厳密にBatesDistribution[2]の特性関数であるという意味で,BatesDistributionで一般化され,UniformDistribution,VonMisesDistribution,LogisticDistribution,WeibullDistribution,LaplaceDistribution,ChiSquareDistributionとも密接な関係がある.
例題
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アプリケーション (2)
重役が100万単位の製品の過去における季節的需要についての説明を受けた.最低需要,最高需要,最尤需要はそれぞれ1,1.4,1.25である.TriangularDistributionを使って予想需要とその標準偏差を求める:
シンクロトロン光線からの二次粒子の推進力はTriangularDistributionでモデル化することができる:
特性と関係 (6)
三角分布は平行移動と正の因子によるスケーリングの下では閉じている:
2つの一様変数の平均はTriangularDistributionになる:
三角分布はBatesDistributionの特殊ケースである:
ArcSinDistributionはTriangularDistributionを変換したものである:
考えられる問題 (2)
TriangularDistributionは,min または max が実数ではない場合は定義されない:
TriangularDistributionは,c が min から max までの間にない場合は定義されない:
テキスト
Wolfram Research (2007), TriangularDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/TriangularDistribution.html (2016年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2007. "TriangularDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/TriangularDistribution.html.
APA
Wolfram Language. (2007). TriangularDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/TriangularDistribution.html