TsallisQExponentialDistribution
TsallisQExponentialDistribution[λ,q]
尺度が母数 λ と反比例するTsallis 指数分布を表す.
詳細
- Tsallis 指数分布における値 についての確率密度は,についてはに比例し,については0である.
- TsallisQExponentialDistributionでは,λ は任意の正の実数でよく, は となる任意の実数である.
- TsallisQExponentialDistributionでは,λ は任意の単位次元の数量でよく,q は無次元量でよい. »
- TsallisQExponentialDistributionは,Mean,CDF,RandomVariate等の関数で使うことができる.
予備知識
- TsallisQExponentialDistribution[λ,q]は,区間上でサポートされ,正の実数 λ(「形状母数」と呼ばれる)と の実数によってパラメータ化された連続統計分布を表す.これらの母数は,ともに,確率密度関数(PDF)の全体的な動作を定義する.Tsallis 指数分布のPDFは,λ および の値によって,単一の「峰」(大域的最大値)を持つ単峰性,潜在的特異値が領域の下限境界に近付く単調減少を含む,多くの形のいずれかを取る.加えて,のとき,PDFの裾部は一般に「厚い」(つまり,PDFが の大きい値について非指数的に減少する)が,のときは「薄い」(PDFが の大きい値について指数的に減少する).この動作は分布のSurvivalFunctionを分析することで数量的に厳密にすることができるTsallis 指数分布は 指数分布と呼ばれることがよくある.
- Tsallis 指数分布はブラジル人の物理学者であるConstantino Tsallisに因んで名付けられており,いわゆる(統計力学における)Tsallisエントロピーを(ある種の条件に従って)最大化することから派生している. 指数分布は,関連する ガウス分布とともに,全体としてTsallis分布と呼ばれる確率分布族の1つであり,上記の過程に従って導かれる. 指数分布は物理学の各種分野で次第に使用が増加しており,経済学,金融,保険数理等の分野の富の分布や資産の価格付け等の現象のモデル化にも使われてきている.
- RandomVariateを使って,Tsallis 指数分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,TsallisQExponentialDistribution[λ,q]](より簡略な表記では xTsallisQExponentialDistribution[λ,q])を使って,確率変数 x がTsallis 指数分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,Probability,NProbability,Expectation,NExpectation等の関数で使うことができる.
- 確率密度関数および累積分布関数は,PDF[TsallisQExponentialDistribution[λ,q],x]およびCDF[TsallisQExponentialDistribution[λ,q],x]を使って得られる.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMean,Median,Variance,Moment,CentralMomentを使って計算することができる.
- DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合がTsallis 指数分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリックTsallis 指数分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータをTsallis 指数分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号Tsallis 指数分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号Tsallis 指数分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
- TransformedDistributionを使って変換されたTsallis 指数分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使ってTsallis 指数分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使ってTsallis 指数分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
- TsallisQExponentialDistributionは他の数多くの分布と関連がある.TsallisQExponentialDistributionは,TsallisQExponentialDistribution[λ,1]のPDFがExponentialDistribution[λ]のPDFと厳密に等しいという意味で,ExponentialDistributionを直接一般化したものである. のさまざまな値について,TsallisQExponentialDistributionは(について)ParetoDistributionの特殊ケースと見ることも,(について)PERTDistributionの極限のケース見ることもできる.のとき,TsallisQExponentialDistributionはBetaDistributionの変換(TransformedDistribution)である.一般的な に対しては,TsallisQExponentialDistributionはTsallisQGaussianDistribution,NormalDistribution,WeibullDistributionとも密接な関係がある.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (8)
サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:
母数でQuantityを一貫して使うとQuantityDistributionが与えられる:
アプリケーション (4)
特性と関係 (7)
Tsallis 指数分布は正の因子によるスケーリングの下では閉じている:
Tsallis 指数分布は についてのパレート分布に等しい:
Tsallis 指数分布は についてはPERTDistributionの極限のケースである:
Tsallis 指数分布は については変換されたBetaDistributionである:
考えられる問題 (2)
テキスト
Wolfram Research (2012), TsallisQExponentialDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/TsallisQExponentialDistribution.html (2016年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2012. "TsallisQExponentialDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/TsallisQExponentialDistribution.html.
APA
Wolfram Language. (2012). TsallisQExponentialDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/TsallisQExponentialDistribution.html