WakebyDistribution

WakebyDistribution[α,β,γ,δ,μ]

形状母数 βδ,尺度母数 αγ,位置母数 μ のWakeby分布を表す.

詳細

  • Wakeby分布における値 の分位関数は に等しい.
  • WakebyDistributionでは,αβγδ は任意の正の実数でよく,μ は任意の実数でよい.
  • WakebyDistributionでは,μαγ は単位次元が等しい任意の数量でよく,βδ は無次元量でよい. »
  • WakebyDistributionは,MeanCDFRandomVariate等の関数とともに使うことができる.

予備知識

  • WakebyDistribution[α,β,γ,δ,μ]は,区間上でサポートされ,実数 μ(「位置母数」と呼ばれる)と正の実数 αγβδ(前2つが「尺度母数」,後ろ2つが「「形状母数」と呼ばれる)によってパラメータ化される連続統計分布を表す.これらの母数は,ともに確率密度関数(PDF)の全体的な動作を決定する.Wakeby分布のPDFは,αβγδμ の値によって,単一の「峰」(大域的最大値)を持つ単峰性や単調現象を含む,さまざまな形を取ることがある.さらに,PDFの裾部は,αβγδμ の値によって,「太い」(PDFが の大きい値について非指数的に現象する)ことも「薄い」(PDFが の大きい値について指数的に現象する)こともある(この動作は分布のSurvivalFunctionを解析することで量的に厳密にすることができる).
  • Wakeby分布は,1970年代に,John C. Houghtonによって,洪水流量のモデル化のためのLogNormalDistributionおよびLogNormalDistributionの代替分布として定義された.分布の名前はマサチューセッツ州ケープコッドのWakeby Pondに因んだものである.Wakeby分布はその分位関数Quantileによって,あるいは逆分布関数を介して説明される.Wakeby分布は高度に特化されており,近年は主に,気象学,水文学,降水分析等における水に関連した現象のモデル化に適用されている.
  • RandomVariateを使って,Wakeby分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,WakebyDistribution[α,β,γ,δ,μ]](より簡略な表記では xWakebyDistribution[α,β,γ,δ,μ])を使って,確率変数 x がWakeby分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,ProbabilityNProbabilityExpectationNExpectation等の関数で使うことができる.
  • 確率密度関数および累積分布関数は,PDF[WakebyDistribution[α,β,γ,δ,μ],x]およびCDF[WakebyDistribution[α,β,γ,δ,μ],x]を使って得られる.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMeanMedianVarianceMomentCentralMomentを使って計算することができる.
  • DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合がWakeby分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリックWakeby分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータをWakeby分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号Wakeby分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号Wakeby分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
  • TransformedDistributionを使って変換されたWakeby分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使ってWakeby分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使ってWakeby分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
  • WakebyDistributionは,他の数多くの分布と関連している.その起源と応用はTukeyLambdaDistributionのそれに類似しており,計算では,BetaDistributionの百分率についての変換としてWakebyDistributionがしばしば使用される.WakebyDistributionは,LogNormalDistributionとも関連しており,したがって,NormalDistributionHalfNormalDistributionBinormalDistributionとも関連している.

例題

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  (5)

分位関数:

確率密度関数:

累積分布関数:

平均と分散:

中央値:

スコープ  (7)

Wakeby分布からの擬似乱数のサンプルを生成する:

そのヒストグラムを確率密度関数と比較する:

分布母数推定:

サンプルデータから分布母数を推定する:

サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:

歪度は について存在する:

尖度は について存在する:

母数の関数としての閉形式のWakeby分布の種々のモーメント:

Moment

CentralMoment

FactorialMoment

Cumulant

ハザード関数:

母数でQuantityを一貫して使うとQuantityDistributionが与えられる:

四分位歪度を求める:

アプリケーション  (1)

正規化された流量の対数はWakebyDistributionで説明することができる:

分布密度関数をプロットする:

流れの量が10の基準器を超える確率を求める:

10の基準器を超えるものとして,基準器内の期待される量を求める:

特性と関係  (2)

Wakeby分布は平行移動と正の因子によるスケーリングの下では閉じている:

Wakeby分布はPDFについて単純な閉形式の記号式を持たない:

形状係数 β および δ 野ある種の厳密値について,PDFは定義付ける分位関数の逆関数で求めることができる:

確率密度関数の値は,有効な数値母数について数値的に評価することができる:

おもしろい例題  (1)

累積分布関数の等高線を持つ β のさまざまな値についての確率密度関数:

Wolfram Research (2010), WakebyDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/WakebyDistribution.html (2016年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2010), WakebyDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/WakebyDistribution.html (2016年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2010. "WakebyDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/WakebyDistribution.html.

APA

Wolfram Language. (2010). WakebyDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/WakebyDistribution.html

BibTeX

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