DiscreteWaveletData
DiscreteWaveletData[{wind1coef1,…},wave,wtrans]
ウェーブレット指標 windi,ウェーブレット wave,ウェーブレット変換 wtrans に対応するウェーブレット係数 coefiを持つ離散ウェーブレットデータオブジェクトを与える.
DiscreteWaveletData[{wind1coef1,…},wave,wtrans,{d1,…}]
データ次元{d1,…}を仮定した離散ウェーブレットデータオブジェクトを与える.
詳細とオプション
- DiscreteWaveletData[{wind1->coef1,…},…]は常にDiscreteWaveletData[coefs,winds,…]という構造の最適化された標準形に変換される.
- 係数 coefiは任意の深さの配列,Image[…], Sound[…],SampledSoundList[…]オブジェクトのいずれでもでよい.
- ウェーブレット変換 wtrans で使われるオプションはDiscreteWaveletDataのオプションとしても使うことができる.
- 標準出力形式では,省略された wtrans,細分化の数,もとのデータの次元のみが出力される.
- Normal[DiscreteWaveletData[…]]は,ウェーブレット指標 windiと対応する係数配列 coefiの対応関係を示す規則のリスト{wind1->coef1,wind2->coef2,…}を与える.
- DiscreteWaveletDataはウェーブレット分解木を表す.各ノードはウェーブレット係数を持つ.木の各ノードにはウェーブレット係数へのアクセスに使える一意的なウェーブレット指標ベクトルがある.
- ウェーブレット指標 wind は整数のベクトルである.ベクトルの長さはウェーブレット分解木における細分化のレベルを表す.長さ の指標ベクトルで,最初の 個の整数は親ノードを最後の整数は現行ノードと親ノードとの関係を示す.
- 一次元データでは,指標 wind は0と1からなる.0はローパスフィルタリングを表し,1はハイパスフィルタリングを表す.
- 次元データの指標 wind はからまでの整数からなる.各整数はデータの各次元に沿って実行された操作のベクトルを表す.厳密な対応関係はMapThread[Rule,{Range[0,2^n-1],Tuples[{lowpass,highpass},n]}]で与えられる.
- ウェーブレット指標 wind を使ってDiscreteWaveletDataオブジェクト dwd からウェーブレット係数を抽出することができる.以下は使用可能な指定値である.
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dwd[wind] wind に対応する係数を抽出する dwd[{wind1,wind2,…}] いくつかのウェーブレット係数配列を抽出する dwd[wpatt] wind がパターン wpatt にマッチする係数すべてを抽出する dwd[All] すべての係数を抽出する dwd[Automatic] 逆変換で使用される係数を抽出する - デフォルトで,係数は規則のリスト{wind1->coef1,wind2->coef2,…}として返される.
- dwd[…,{form1,form2,…}]を使って出力形が制御できる.使用可能な formiは以下の通りである.
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"Rules" 規則 {wind1->…} "Values" 係数のみ "Inverse" 個々の係数の逆変換 "ListPlot" 1D係数の単純なリストプロット "MatrixPlot" 2D係数の単純な行列プロット "Image" 画像係数のための画像 "Sound" サウンド係数のためのサウンドオブジェクト "SampledSoundList" サウンド係数のためのサンプルサウンドオブジェクト - 全体的な特性はDiscreteWaveletData[…]["prop"]で得られる.
- DiscreteWaveletData[…]["Properties"]はDiscreteWaveletDataオブジェクトで使用可能な特性のリストを与える.
- 変換係数の関連特性
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"BasisIndex" 逆変換に使用するウェーブレット指標 "Dimensions" ウェーブレット係数群の次元を与える "EnergyFraction" 係数群におけるエネルギーの割合 "Padding" データ変換に使用する充填 "Refinement" 実行する細分化レベルの数 "Transform" ウェーブレット変換のタイプ {"TreeView",pos} TreePlotにおけるのと同じように pos を使った分解の木のビュー "Wavelet" 使用するウェーブレット族 "WaveletIndex" すべてのウェーブレット指標 windiのリスト - 入力データ関連特性
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"DataDimensions" もとのデータの次元 "DataChannels" データのチャンネル数 "DataWrapper" 再構築の後でデータに適用されるラッパー関数 - パケット変換に特有な特性
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"BestBasisBlockView" 最良基底のブロック格子ビュー "BestBasisCostValues" 各ウェーブレット係数の費用値 "BestBasisCostTable" フォーマットされた費用値表 - WaveletThresholdから得られる dwd の特性
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"ThresholdValues" 各ウェーブレット係数の閾値 "ThresholdTable" フォーマットされた閾値 - 使用可能なオプション
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Method Automatic 使用するメソッド Padding "Periodic" データを境界を越えてどのように延長するか SampleRate Automatic サウンドデータに使用するサンプルレート WorkingPrecision MachinePrecision 内部計算で使用する精度 - Paddingの設定値はArrayPadで使用できるものに等しい.
例題
すべて開くすべて閉じる例 (3)
ウェーブレット変換からDiscreteWaveletDataを得る:
DiscreteWaveletDataは変換係数の木を表す:
DiscreteWaveletDataオブジェクトを他のウェーブレット関数で使う:
WaveletMatrixPlot[dwd]を使い,階層的な格子レイアウトウェーブレット係数の行列をプロットする:
スコープ (25)
基本的な用法 (8)
DiscreteWaveletTransformのようなウェーブレット変換からDiscreteWaveletDataを得る:
InverseWaveletTransformはDiscreteWaveletDataに対して使うことができる:
HaarWavelet[]のような直交ウェーブレットには逆変換は厳密値である:
{0,_}という形式のウェーブレット指標に対応する全係数を抽出する:
DiscreteWaveletDataを他のウェーブレット関数で使う:
ウェーブレット関数を使ってDiscreteWaveletDataを変換する:
係数配列を与える規則のリストからDiscreteWaveletDataを構築する:
指定のウェーブレットと前方変換を使ってDiscreteWaveletDataを構築する:
係数を得る (7)
DiscreteWaveletDataから係数配列を抽出する異なるウェーブレット指標指定:
画像ウェーブレット係数をデフォルトでImageAdjustが適用されたImageオブジェクトとして得る:
デフォルトで,画像ウェーブレット係数は各カラーチャンネルの画素値の配列として与えられる:
音声ウェーブレット係数をAudioオブジェクトとして得る:
個々の係数のAudioオブジェクトとしての逆変換:
サウンドウェーブレット係数をSoundオブジェクトとして得る:
Soundオブジェクトとしての個々の係数の逆変換:
係数を設定する (6)
特性 (4)
全係数の木あるいはブロック格子でハイライトされたウェーブレット基底を示す:
WaveletBestBasisで計算された基底の各係数配列の費用値:
オプション (7)
Method (1)
Methodの設定値はウェーブレット変換のメソッドと同じである:
DiscreteWaveletDataを生成して"IntegerLifting"を行う:
Padding (2)
SampleRate (1)
WorkingPrecision (3)
デフォルトで,WorkingPrecision->MachinePrecisionが使われる:
厳密計算にWorkingPrecision->∞ を使う:
アプリケーション (3)
data のByteCountと対応するウェーブレット係数 wcoeff を比較する:
UnitVectorを詳細化レベル でローパス係数として設定してスケーリング関数 を計算する:
UnitVectorを詳細化レベル でハイパス係数として設定してウェーブレット関数 を計算する:
特性と関係 (4)
DiscreteWaveletDataは離散変換係数の木を表す:
ContinuousWaveletDataはスケール集合における連続変換係数を表す:
DiscreteWaveletDataをその係数と特性から再構築する:
係数,ウェーブレット,使用する前方変換,データの次元を指定する:
Normalを使う:
すべて(All)の係数を明示的に抽出する:
任意のウェーブレット指標にマッチするパターンBlank[] (_)を指定する:
ウェーブレット指標指定に対応する係数配列のみを得る同等の方法:
dwd[wind]が返した各規則にLastを適用する:
Partを使う:
考えられる問題 (2)
最良基底の費用値はWaveletBestBasisを使ってDiscreteWaveletDataについてのみ得ることができる:
DiscreteWaveletDataは仮定のために1つの矛盾しない前方変換を選ぶ:
テキスト
Wolfram Research (2010), DiscreteWaveletData, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/DiscreteWaveletData.html.
CMS
Wolfram Language. 2010. "DiscreteWaveletData." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/DiscreteWaveletData.html.
APA
Wolfram Language. (2010). DiscreteWaveletData. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/DiscreteWaveletData.html