FunctionMeromorphic
FunctionMeromorphic[f,x]
が x の有理型関数かどうかを判定する.
FunctionMeromorphic[f,{x1,x2,…}]
が x1,x2,…の有理型関数かどうかを判定する.
FunctionMeromorphic[{f1,f2,…},{x1,x2,…}]
が x1,x2,…の有理型関数かどうかを判定する.
FunctionMeromorphic[{funs,cons},xvars]
が制約 cons の解を含む開集合で xvars の有理型関数かどうかを判定する.
詳細とオプション
- 関数 が として表せるなら,その関数は解析的である.ただし,と は複素解析関数である.
- 関数 が局所的に として表せるなら,その関数は有理型である.ただし,と は複素解析関数である.
- funs が xvars 以外のパラメータを含むとき,結果はConditionalExpressionになることが多い.
- cons は,不等式あるいはそれらの論理結合を含むことができる.
- 次は,使用可能なオプションである.
-
Assumptions $Assumptions パラメータについての仮定 GenerateConditions True パラメータについての条件を生成するかどうか PerformanceGoal $PerformanceGoal 速度あるいは品質を優先するかどうか - 次は,GenerateConditionsの可能な設定である.
-
Automatic 一般的ではない条件のみ True すべての条件 False 条件なし None 条件が必要な場合は未評価で返す - PerformanceGoalの可能な設定は"Speed"と"Quality"である.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (4)
オプション (4)
Assumptions (1)
FunctionMeromorphicはパラメータ の任意の値に対する答は求められない:
が正の整数であるという仮定があると,FunctionMeromorphicは成功する:
GenerateConditions (2)
デフォルトで,FunctionMeromorphicは記号パラメータについての条件を生成する:
GenerateConditions->Noneとすると,FunctionMeromorphicは条件付きの結果を出せずに失敗する:
GenerateConditions->Automaticとすると,一般的に真である条件は報告されない:
PerformanceGoal (1)
PerformanceGoalを使って潜在的に高くつく計算を避ける:
アプリケーション (12)
有理型関数のクラス (7)
平面で関数を可視化するとその特異点が極より悪くないことが分かる:
Logのように分枝切断線がある関数は有理型ではない:
どちらもSqrtでも任意の非整数ベキでもない:
ArcSin,ArcTan,ArcCsch等の逆三角関数と双曲線関数は,同様に有理型ではない:
Abs,Sign,Reのような微分不可能な関数は有理型ではない:
UnitStepおよびTriangleWaveのように実数入力に対してのみ定義される関数は,有理型ではありえない:
三角関数と双曲線関数はすべてExpの算術的組合せなので,これらはすべて有理型である:
Expおよび8つの非有理型の三角関数と双曲線関数を可視化する:
有理型関数の特異点は合成の下で束になり,極ではない特異点になる可能性がある:
以下の極限によって証明されるように,原点に真性特異点がある:
一変数の関数とは異なり,特異点は曲線に沿って,最初の関数では に沿って,存在する:
2番目の関数を平面でプロットすると,双曲線に沿った爆発が見られる:
一変量解析関数と合成することで,さらに多くの解析関数が生成される:
完全Beta関数は有理型である:
これは,Gammaにおける多変量有理関数と考えられる:
関数の積分 (5)
有理型関数のLimitは常に数かComplexInfinityかである:
Sqrtには極限が存在しない点があるので,有理型ではない:
極と呼ばれる有理型関数の特異点は,関連付けられたResidueを持つ:
有理型関数の閉じた輪郭線の周りの積分は,曲線に囲まれた極の留数の総和の 倍に等しい.明らかにその唯一の極である,原点の周りのの積分を計算する:
例えば円のようなその他の任意の閉じた曲線も同じ結果を与える:
関数のすべての特異点が同じあるいは関連した留数を持つなら,閉じた輪郭線の積分を使って囲い込まれた極の数が数えられる.例えば,は, のすべての半整数倍で留数で極を持つ:
実軸にまたがる長方形上のの積分は,囲まれた の半整数倍の数を数える:
周回積分の一般的な用途は,上半平面または下半平面に半円がある閉じた曲線に周回を拡張することで実線上で積分を評価することである.半円上の積分の部分が消える場合は,周回積分は実数積分と等しくなければならない. について考える.被積分関数は有理型である:
上半平面上の半円を使って周回を完成させ,留数を使って積分を計算する:
のときの半円上の積分の次数は なので,実数積分は同じ値にならなけらばならない:
での形の被積分関数( は有理型で上で連続であり,大きいについて)について,積分 は上半平面上の の留数の和の 倍として計算できる.これを使って を計算する.まず,が有理型であることを確認する:
特性と関係 (5)
Dを使って導関数を計算する:
有理型関数はその定義域の各点でテイラー(Taylor)級数として表現できる:
Seriesを使ってテイラー級数の初期項を計算する:
この関数は,その極において有限な主要部を持つローラン(Laurent)級数として表すことができる:
有理型関数はコンパクト領域では有限個の0点と極しか持つことができない:
Solveを使って単位円板上で の零点を求める:
FunctionSingularitiesを使って単位円板上で の極を求める:
偏角の原理には,零点の数と の極の数(多重度で数えられる)の差は で与えられるとある.NIntegrateを使って を計算する:
Limitを使ってすべての が の単純極であることを確かめる:
FunctionAnalyticを使って と が解析的であることを確かめる:
FunctionSingularitiesを使ってすべての特異点が満足する条件を求める:
SolveValuesを使って特異点を求める:
FunctionPolesを使って極とその多重度を求める:
ResidueSumを使って右半平面の留数の和を計算する:
テキスト
Wolfram Research (2020), FunctionMeromorphic, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/FunctionMeromorphic.html.
CMS
Wolfram Language. 2020. "FunctionMeromorphic." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/FunctionMeromorphic.html.
APA
Wolfram Language. (2020). FunctionMeromorphic. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/FunctionMeromorphic.html