MeixnerDistribution

MeixnerDistribution[a,b,m,d]

位置母数 m,尺度母数 a,歪度母数 b,形状母数 d のMeixner分布を表す.

詳細

  • Meixner分布における値 の確率密度はexp(b(x-m)/a) TemplateBox[{TemplateBox[{{d, +, {ⅈ,  , {{(, {x, -, m}, )}, /, a}}}}, Gamma]}, Abs]^2に比例する.
  • MeixnerDistributionでは,m は任意の実数,ad は任意の正の実数でよく,b である.
  • MeixnerDistributionでは,ma は単位次元が等しい任意の数量でよく,bd は無次元量でよい. »
  • MeixnerDistributionは,MeanCDFRandomVariate等の関数で使うことができる.

予備知識

  • MeixnerDistribution[a,b,m,d]は,実数集合上で定義・サポートされ,実数 m(「位置母数」と呼ばれる),2つの正の実数 a および d (前者は「尺度母数」,後者は「形状母数」),実数 (「歪度母数」と呼ばれる))によってパラメータ化された連続統計分布を表す.これらの母数は,ともにその確率密度関数(PDF)の全体的な動作を決定する.Meixner分布のPDFは単一の「峰」(大域的最大値)を持つ単峰性のことが多いが,その全体的な形(高さ,広がり,最大値の水平位置)は abdm の値によって決定される.さらに,Meixner分布のPDFの裾部は「やや重い」.これは,PDFが,大きい の値について,代数的よりは速いが指数的よりははるかに遅く減少することを意味する(この動作は分布のSurvivalFunctionを解析することで量的に厳密にすることができる).
  • Meixner分布は,1930年代におけるドイツ人の物理学者Josef Meixnerの,統計力学における直交多項式の系についての母関数に関する研究に端を発している.Meixner分布は,いわゆる一般化された 分布の族に属している.この族は,Lévy過程の構築と研究に理想的なある種の特性を満足する確率分布集合である.Meixner分布は,0から始まりすべてがMeixner分布に従う独立定常増分で特徴付けられるいわゆるMeixner過程の基盤である.Meixner過程(したがってMeixner分布)は金融,特に派生商品の価格付けのモデル化に広く用いられるツールであるが,分布自体もまた,ランダム行列を含むさまざまなテーマの研究に使われている.
  • RandomVariateを使って,Meixner分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,MeixnerDistribution[a,b,m,d]](より簡略な表記では xMeixnerDistribution[a,b,m,d])を使って,確率変数 x がMeixner分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,ProbabilityNProbabilityExpectationNExpectation等の関数で使うことができる.
  • 確率密度関数および累積分布関数は,PDF[MeixnerDistribution[a,b,m,d],x]およびCDF[MeixnerDistribution[a,b,m,d],x]を使って得られることがある.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMeanMedianVarianceMomentCentralMomentを使って計算することができる.
  • DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合がMeixner分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリックMeixner分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータをMeixner分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号Meixner分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号Meixner分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
  • TransformedDistributionを使って変換されたMeixner分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で打ち切られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使ってMeixner分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使ってMeixner分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
  • MeixnerDistributionは他の数多くの分布と関係がある.定性的には,MeixnerDistributionFisherZDistributionのような一般化された 分布はガンマ関数の解析的特性を共有すると定義される.同様に,MeixnerDistributionは定性的にInverseGaussianDistributionHyperbolicDistributionGammaDistributionVarianceGammaDistributionと関係がある.定量的には,MeixnerDistributionSechDistribution[μ,σ/2]のPDFがMeixnerDistribution[σ,0,μ,1/2]のPDFと厳密に等しいという意味で,SechDistributionに一般化される.

例題

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  (4)

確率密度関数:

累積分布関数:

平均と分散:

中央値を数値的に求めることができる:

スコープ  (8)

Meixner分布から擬似乱数のサンプルを生成する:

そのヒストグラムを確率密度関数と比較する:

分布母数推定:

サンプルデータから分布母数を推定する:

サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:

歪度と尖度:

dが大きくなると分布はより対称になる:

尖度:

極限では,分布は中尖的になる:

母数の関数としての閉形式の種々のモーメント:

Moment

CentralMoment

FactorialMoment

Cumulant

ハザード関数:

分位関数:

母数でQuantityを一貫して使うとQuantityDistributionが与えられる:

熱膨張係数の平均を求める:

アプリケーション  (1)

MeixnerDistributionを使ってS&P 500の利益をモデル化することができる:

Meixner 分布をデータにフィットする:

データのヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:

特性と関係  (4)

MeixnerDistributionは加算の下では閉じている:

他の分布との関係:

SechDistributionMeixnerDistributionの特殊ケースである:

伊藤積分 はMeixner分布に従う:

低次元のモーメントは同じであることを確かめる:

における過程の値からのサンプル:

MeixnerDistributionとの適合度を調べる:

視覚的にフィットを確かめる:

おもしろい例題  (1)

累積分布関数の等高線を持つ b のさまざまな値についての確率密度関数:

Wolfram Research (2012), MeixnerDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MeixnerDistribution.html (2016年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2012), MeixnerDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/MeixnerDistribution.html (2016年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2012. "MeixnerDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/MeixnerDistribution.html.

APA

Wolfram Language. (2012). MeixnerDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/MeixnerDistribution.html

BibTeX

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