VarianceGammaDistribution

VarianceGammaDistribution[λ,α,β,μ]

位置母数 μ,歪度母数 β,形状母数 λ および α の分散ガンマ分布を表す.

詳細

  • 分散ガンマ分布における値 の確率密度はTemplateBox[{{x, -, mu}}, Abs]^(lambda-1/2) exp(beta (x-mu)) TemplateBox[{{lambda, -, {1, /, 2}}, {alpha,  , TemplateBox[{{x, -, mu}}, Abs]}}, BesselK]に比例する.
  • VarianceGammaDistributionでは,αλ は任意の正の実数でよく,μ は任意の実数,β-α<β<α となる実数である.
  • VarianceGammaDistributionでは,αβ は単位次元が等しい任意の数量でよく,μλα*μλ が無次元になるような数量でよい. »
  • VarianceGammaDistributionは,MeanCDFRandomVariate等の関数で使うことができる.

予備知識

  • VarianceGammaDistribution[λ,α,β,μ]は,実数集合上で定義され,正の実数 αλ(「形状母数」と呼ばれる)および実数 μβ(それぞれ「位置母数」と「歪度母数」と呼ばれる)でパラメータ化された連続統計分布を表す.ただし, である.これらの母数は,ともに分布の確率密度関数(PDF)の全体的な動作を決定する.一般に,分散ガンマ分布のPDFは, において単一の「峰」(大域的最大値)を持つ単峰性であるが,その全体的な形(高さ,広がり,最大値の水平位置)は λαβμ の値によって決定される.加えて,PDFの裾部は, の大きい値についてPDFが指数的というよりはむしろ代数的に減少するという意味で「太い」(この動作は,分布のSurvivalFunctionを分析することで量的に厳密にすることができる.分散ガンマ分布は,一般化されたラプラス分布あるいはベッセル関数分布と呼ばれることがある.
  • 分散ガンマ分布は,1990年にMadanとSenetaの論文によって株からの利益をモデル化するものとして確立された.正規分布(NormalDistribution) から分散母数を混合することで得られる分散ガンマ分布は,数多くの所望の確率的特性を満足し,(分布の創始者が示したように)金融分野および金融分野以外の事象のモデル化の両方にとって相応しいものとなっている.統計学では,分散ガンマ分布は,いわゆる分散ガンマ確率過程の基礎となっており,風,乱気流,死亡率,画像分割を含むさまざまな現象のモデル化にも使われている.
  • RandomVariateを使って,分散ガンマ分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,VarianceGammaDistribution[λ,α,β,μ]](より簡略な表記では xVarianceGammaDistribution[λ,α,β,μ])を使って,確率変数 x が分散ガンマ分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,ProbabilityNProbabilityExpectationNExpectation等の関数で使うことができる.
  • 確率密度関数および累積分布関数は,PDF[VarianceGammaDistribution[λ,α,β,μ],x]およびCDF[VarianceGammaDistribution[λ,α,β,μ],x]を使って得られることがある.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMeanMedianVarianceMomentCentralMomentを使って計算することができる.
  • DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合が分散ガンマ分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリック分散ガンマ分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータを分散ガンマ分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号分散ガンマ分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号分散ガンマ分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
  • TransformedDistributionを使って変換された分散ガンマ分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使って分散ガンマ分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使って分散ガンマ分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
  • VarianceGammaDistributionは数多くの他の分布と関連している.VarianceGammaDistributionは,のとき,VarianceGammaDistribution[1,α,0,μ]のPDFがLaplaceDistribution[μ,1/α]のそれと厳密に等しいという意味で,LaplaceDistributionを一般化する.VarianceGammaDistributionExponentialDistributionGammaDistributionNormalDistributionの変換(TransformedDistribution)として実現でき,HyperbolicDistributionLogNormalDistributionBetaDistributionPearsonDistributionと密接な関係がある.

例題

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  (4)

確率密度関数:

累積分布関数:

平均と分散:

中央値は数値的に求めることができる:

スコープ  (8)

分散ガンマ分布から擬似乱数のサンプルを生成する:

そのヒストグラムを確率密度関数と比較する:

分布母数推定:

サンプルデータから分布母数を推定する:

サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:

歪度:

尖度:

極限値:

母数の関数としての閉形式の種々のモーメント:

Moment

CentralMoment

FactorialMoment

Cumulant

記号次数の閉形式:

ハザード関数:

分位関数:

母数でQuantityを一貫して使うとQuantityDistributionが与えられる:

利益の広がりを求める:

アプリケーション  (1)

分散ガンマ分布を使って金融商品の収益をモデル化することができる:

分布をデータにフィットする:

ヒストグラムを確率密度関数と比較する:

この期間の平均収益を求める:

収益の中央値を求める:

次の100営業日の収益のシミュレーションを行う:

特性と関係  (8)

同じ第2,第3母数について,分散ガンマ分布は加法の下で閉じている:

分散ガンマ関数は正の因子での平行移動とスケーリングの下で閉じている:

他の分布との関係:

ExponentialDistributionの差は分散ガンマ分布に従う:

GammaDistributionに従う2つの変数の差は分散ガンマ分布に従う:

LaplaceDistributionは分散ガンマ分布の特殊ケースである:

分散ガンマ分布はGammaDistributionNormalDistributionに関連している:

簡約のために書き換える:

分散ガンマ分布は母数混合表現を許容する:

密度が一般に等しいことを確かめる:

おもしろい例題  (1)

累積分布関数の等高線を持つ λ のさまざまな値についての確率密度関数:

Wolfram Research (2012), VarianceGammaDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/VarianceGammaDistribution.html (2016年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2012), VarianceGammaDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/VarianceGammaDistribution.html (2016年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2012. "VarianceGammaDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/VarianceGammaDistribution.html.

APA

Wolfram Language. (2012). VarianceGammaDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/VarianceGammaDistribution.html

BibTeX

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